スペースワールド(SPACE WORLD)は、かつて福岡県北九州市八幡東区に存在した宇宙のテーマパーク。「スペワ」という愛称で親しまれた。
「マグナムブースターザターン」、「タイタンMAX(2015年3月20日運行開始)」、「ヴィーナスGP(グランプリ)」などの絶叫コースターや、「宇宙博物館」「月の石展示場(元スペースキャンプ)」などの施設を売りにしていた。
飾り付けられたステージでオリジナルバンドLEBの演奏にのってヴィッキーやキャストたちが歌やダンスを繰り広げるレビューショー「ヴィッキー・ザ・ライブ」や、サイエンスショー「ドタバタ研究所」、子供達がラッキーたちと一緒にダンスや体操が楽しめる「ラッキーズダンスコレクション」など、エンターテイメントショーに力を入れている。2010年4月に開園20周年を、2015年4月には開園25周年を迎えた。
オープンプランニングに東阪企画の澤田隆治が参加しており、オープニング時には、澤田が手がける『花王ファミリースペシャル』(関西テレビ制作・フジテレビ系)で、吉本興業所属のタレントが来場しアトラクションを体験する模様が全国放送された。
開園後数年間は多くの来場者があったが、1997年度の216万人をピークに次第に減少し、2004年3月期に351億円の累積損失があった。
2005年4月27日、営業権を新日本製鐵からリゾート運営会社の加森観光に譲渡することを発表した。再建計画の一環として、2006年4月29日にマグナムブースター ザターン(ZATURN)という名前で日本初登場のインタミン社製急加速型ローラーコースターを導入した。また、経営権の譲渡に伴い、スペースキャンプ財団のライセンスにより設置されていたスペースキャンプジャパンが終了した。スペースキャンプはオープン以来「チームリーダー」というスタッフを中心に、主に小中学生を中心に宿泊を伴うプログラムを実施、宇宙と宇宙開発への動機付けを行うことで科学教育の一端を担った。晩年は学校団体向けに、宇宙飛行士学習施設「アストレスタ」として宿泊を伴うプログラムが組まれていた。宇宙博物館およびスペースシャトルは現存し、月の石の展示も継続していた。スペースキャンプの宿泊施設については園内宿泊施設「スペースロッジ」として営業していた。営業権譲渡に際し、投資抑制の観点および宇宙を知ることは地球を知ることとの観点よりキャッチコピーを「地球大好き」に変更したが、その後、環境省のエコ・アクション・ポイントのモデル事業に参画したり、園内宇宙博物館のシアターにて生物多様性をテーマにしたアニメ「Wake up!! TAMALA」を長期上演するなど、地球環境問題にも注力してゆくこととなった。
従業員や不要施設のリストラに加え、年間フリーパスの大幅値下げ(1日フリーパスの2回分)やプールなどの新規施設の開設、他社コンテンツとのコラボレーションの強化等、地域密着型の経営方針へ転換することにより、2008年には来場者数は11年ぶりに増加に転じ、2009年度には営業黒字を達成、その後も来場者数は2011年に159万人、2012年に164万人と順調に回復した。
2016年3月期には過去最高益を達成した。
2016年11月12日から「氷の水族館」と名付けられたスケートリンクが登場した。公設市場の業者から死んだ魚や規格外で廃棄予定の魚5,000匹を仕入れ、スケートリンクの氷床に埋められた。これが「命を粗末にしている」と批判される炎上が起き、11月27日には運営企業が公式サイトにて「不快に思われた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪を表明した。リンクの展示を中止し、魚を解凍してお祓いをし、供養した後に肥料や飼料として活用する方針が発表された。
2016年12月16日、運営企業は2017年12月末をもってスペースワールドを閉園すると発表した。閉園の理由は、少子化の進行、北九州市の人口減少、近年のレジャーの多様化、長崎県佐世保市のハウステンボスとの競合などによる施設の陳腐化などで経営難が続いた影響とみられた。実際のところは、地主の新日鐵住金と運営者の加森観光との間で、賃貸借契約の更新交渉が不調に終わったことが原因とされるとの一部報道があった。これに伴い「なくなるョ! 全員集合」とスタッフ達が叫ぶテレビコマーシャルを制作する等、最後の1年を盛り上げる為の活動を展開。2017年12月31日には閉園を惜しむ多くのファンが県内外から駆けつけ、アトラクションやキャラクターとの記念撮影を楽しむ姿が報道された。
31日夜は新年のカウントダウンの花火が打ち上げられ、2018年1月1日午前2時、年明けの深夜に閉園を迎えた。スペースワールドの閉園に伴い北九州市から遊園地のみの施設が消滅。北九州市近郊の遊園地のみの施設は関門海峡対岸の山口県下関市にあるはい!からっと横丁となったが、遊具が数種類しかない小規模なものとなっている(観覧車のみに至っては北九州市内であれば小倉北区の複合商業施設・チャチャタウン小倉でも営業している。また、同区の動物園・到津の森公園にも遊具施設はあるが、観覧車も含め遊具が数種類しかない小規模なものとなっている)。同施設も2023年10月31日を以って閉園することが決まり、北九州市近郊の遊園地のみの施設は消滅する予定。
閉園時の運営会社だった株式会社ジャパンパーク&リゾートは姫路セントラルパーク内に移転した上で存続し、加森観光グループの西日本地域での各種施設運営を行っている。
施設跡地の利用について、地主の新日鐵住金はイオンモールに優先交渉権を与えており、2018年2月19日、イオンモールは同跡地に新業態の商業施設を2021年にオープンすることを明らかにした。その後、2020年2月に既存のイオンモール八幡東との相乗効果を図れる形態の「THE OUTLETS KITAKYUSHU」(ジ・アウトレット北九州)として2022年4月にオープン予定であることが発表された(正式店舗名は2022年2月に決定)。一方運営会社は閉園後も存続し、姫路セントラルパークなど西日本地域の加森観光グループのレジャー施設の運営を引き続き行うほか、北九州市内で新事業を展開することを検討している。また、本社所在地が姫路セントラルパークへ移転している。
園内の施設の一部は、加森観光グループが関係する施設などへ移設される。ミューナは姫路セントラルパーク、メリーゴーラウンドやコーヒーカップ等は伊豆アニマルキングダムで再利用されることが決定。ヴィーナスGPやメリーゴーラウンドも北海道内の加森グループのレジャー施設、動物園での再利用が決まった。大観覧車スペースアイはカンボジアへ売却され、「アンコール・アイ」に改称し、シェムリアップの観光施設に設置される。ザターンはロシアの遊園地へ売却され、2021年に稼働予定。一方でタイタンMAXや、園の象徴だったスペースシャトルの模型は活用策を見いだせず売却先も見つからなかった。スペースシャトルの模型は2018年11月19日に解体された。売却や処分は、土地所有者である新日鉄住金との賃貸契約が切れる2018年6月末が期限で、扱いが決まらなかった遊具は7月以降、同社の管理下に入る。跡地利用を行うイオンモールは更地による引き渡しを求めており、譲渡売却先が決まらない施設は解体撤去処分となる見込み。
展示されていた月の石は一旦NASAに返還されたが、交渉の結果北九州市が借り受けることになり、2018年12月22日より北九州市立いのちのたび博物館にて展示されたのち、2022年4月28日からはスペースワールド跡地に開館した北九州市科学館(スペースLABO)に展示されている。
チケットは2006年に「フリーパス」に一度統一されたが、2014年11月4日より、入園のみが出来る「入園券」(これのみでは各アトラクションの利用は不可)と各アトラクションごとの「アトラクション券」の販売が再開され、フリーパスを購入しなくても特定のアトラクションのみの単独利用(例:観覧車(スペース・アイ)のみに搭乗する)も再び可能になった。各アトラクションごとの券は、各アトラクションに設置してある券売機で購入するシステムを取っていた。
尚、料金はチケットの種類、並びに購入者の年齢等によって各種設定されていた。
また、「年間フリーパス」という購入日より1年間利用可能なフリーパスが販売されていた。このチケットは(1日)フリーパス2回分+α程度の価格(翌年に継続購入する際は更に割引される)に設定されており、頻繁に施設を利用する客にはお得なチケットとなっていた。尚、有効期限の最終日が休園日の場合は、直後の営業日まで有効であった。
この他、JR九州が九州内各駅からスペースワールド駅までの往復切符(一部の駅は往復自由席特急券も)とスペースワールドのフリーパスをセットにした「スペースワールド割引きっぷ」「スペースワールドキャンパスデー割引きっぷ」を販売していた。
2017年12月31日専用チケットとして「グランドフィナーレチケット」が当日、チケットブースでのみ発行された。 価格は、大人(中学生以上)8,000円、小人(4歳〜小学生)5,000円、3歳以下無料とされた。
これらは松下進デザインのもの。
キャラクター出演のレギュラーショー/スペシャルショーが実施されているほか、開園時間前後/閉園時間前や営業時間中の数回エントランス付近で、正午過ぎにレストラン内で、ショー開演前に客席で、それぞれキャラクターグリーティングが行われていた。
閉園後の権利については加森観光グループが引き続き保持しているとみられるが、2022年現在姫路セントラルパークなど他の運営施設などでの活用は行われていない。
スペースワールドでは四季を通して、さまざまなスペシャルイベントが催される。期間中は、レギュラーショーがスペシャルバージョンになる他、スペシャルショーが催される場合もある。夏における、イベント期間中の数日間は花火ショー「花火イリュージョン」が開催される。
パーク内に宿泊施設「スペースロッジ」があった。
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