![自転車競技場 自転車競技場](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/34/1Dunc_Gray_Velodrome.jpg/400px-1Dunc_Gray_Velodrome.jpg)
自転車競技場(じてんしゃきょうぎじょう、英: Velodrome、蘭: Velodrome、仏: Vélodrome、独: Radrennbahn、西: Velódromo)とは、自転車競技におけるトラックレースを行う施設である。ヴェロドローム(Velodrome。「Velo」はラテン語語源のフランス語で自転車、「drome」はラテン語で競技場を意味する)とも呼ばれる。
自転車競技場の周回トラックは「バンク」とも呼ばれる。室内走路は、板張り(木板を使用することが多い)、屋外走路は、コンクリート、ウォークトップ(軟らかいアスファルト)などで舗装されており、カーブは安全最大速度(想定される全速力)で走れるよう走路に角度(カント)を付けている。角度がつけられている理由は、遠心力が質量(m)、角速度(ω)、回転の中心からの位置(r)に比例して発生するからである。自転車競技場では、正面、向正面側では比較的角度を緩くし、みなし直線と呼ばれる部分を設け、1〜2コーナー(1センター)及び3〜4コーナー(2センター)付近において、最大角度になるように設計されている。また時速75kmでの走行において車体が25度より傾かないように設計され 、国際規格の走路では時速85km以上の安全最大速度により設計されている。
角度の設計にあたっては、緩和曲線が用いられる。自転車競技場で現在使用されている緩和曲線には、主として次の3つがある。
競輪場を含む日本の自転車競技場ではかつて、圧倒的にクロソイドを用いるケースが多かったが、直線から緩和曲線に入るときに、片勾配をつける関係で角速度の変化率(角加速度)が大きくなり、そのため、自転車が進行方向を軸にして回転する、ローリングという現象が発生しやすくなることから、ハンドルがスムーズに切れない状態になりやすく、選手の間からはクロソイド緩和曲線は非常に乗りづらい、という声が上がっていた。
そこで、ローリング現象を最大限抑制するように設計された、三次元曲面で形成されるマッコーネル緩和曲線を導入する動きが大きくなり、現在では、日本のほとんどの競技場において、マッコーネル緩和曲線が導入されている。同緩和曲線については競輪選手の多くが、「マッコーネル緩和曲線はハンドルをさほど切らずに済むので、常に直線を走っている感覚でいられる」と言明しており、また走路にクセがないという意味合いにおいても評価されている。但しマッコーネル緩和曲線は計算基準が難解なため設計が困難という問題を抱えている。
周長(一周の長さ)については133mから500mまでとなっており、2015年現在オリンピックおよび世界選手権自転車競技大会を開催する会場については、250m走路で行なう規則がある。なお333.33mの走路については3周で1000mの扱いとなっている。
日本では400m走路が圧倒的に多いが、これは競輪の関係法令が影響している。なお国内の自転車競技大会については333.33m走路の会場で行なわれるケースが多い。また500m走路もいくつか存在する。
日本における自転車競技場には、全国43箇所の競輪場があるほか、公営競技としての競輪の開催が行われない所もある。これは国民体育大会ではトラックレース種目が実施されることから、原則として一都道府県につき一箇所以上は必ず自転車競技場を設置しなければならないということに起因している。
本項ではそれ以外の競技場について記す。過去および現在において競輪の開催が行われている競技場については「競輪場」の項を参照のこと。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou