![創聖のアクエリオン 創聖のアクエリオン](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
『創聖のアクエリオン』(そうせいのアクエリオン、Genesis of Aquarion)は、日本のSFロボットアニメ。テレビ東京ほかの深夜枠にて2005年4月から9月まで全26話が放送された。キャッチコピーは「あなたと合体したい」。
あらゆる感情をエネルギーに変換して発する数々の必殺技と、司令官・不動GENの発言の数々や印象的な主題歌を残した作品である。原作無しの深夜アニメとしては異例の、2万円以上の値段設定となる超合金が放送中に発売された(後述のパチンコ版リリース後、パッケージをリニューアルして再発売された)。
凝った変形合体メカや臨場感溢れる戦闘演出など、『マクロスシリーズ』で知られる河森正治の作風を随所に感じさせる作品。生まれや立場の異なる者達が理解し合い、心を通わせることを主題としたストーリーも河森ならではであり、「合体」という言葉に本作品のテーマとも言える意味を付加している。毎回、作中での「創聖合体」場面にて、性行為におけるオーガズム描写を想起させる演出を意図的・効果的に盛り込み、話題を呼んだ。
2007年11月には、パチンコ台『CRフィーバー創聖のアクエリオン』がリリース。当時オリジナル新作深夜アニメを題材としてパチンコ台が作られる事は異例であったが、この台のTVCMの影響力は大きく、テーマソングである「創聖のアクエリオン」は作品本編の放映終了後でありながらオリコンにもチャートインした。また、パチンコ台のホールでの人気も非常に高く、合体演出時にギミックが動くという凝った仕掛けや多彩な演出による娯楽性もあって人気を博し、結果的にそれまで興味のなかった世代も作品に注目して新たなファンを獲得するという逆転現象も起きている。
後年にタイトルであり主役ロボットの名称でもある「アクエリオン」を作品名に継承したアニメーション作品が不定期に発表されおり、それらは後付けで本作も含めて「アクエリオンシリーズ」と通称される事がある。本項はこれに倣い、遡って本作を「アクエリオンシリーズ」の第1作目と定義する。(以下「(第)1作目」と記載する場合あり)
各シリーズは前作の世界観を受け継いでいたり、殆ど過去作の影響は無かったり、まちまちだが、前述したとおり「アクエリオン」というロボットが主役となっている事、「合体」がキーワードとして使われている点は共通している、
堕天翅族というのはあくまで人類側からの呼称であり自称は「天翅」。身体に翅を持つこと、口を全く動かさずに会話すること、重力に縛られず逆さまの状態でも居られることなどが主な特徴でプラーナを吸収して活動する。人類を「翅無し」と見下している。これに対し人類側も「翅有り」と蔑称している。
「アクエリオン」は本作に登場する巨大人型ロボットで「機械天翅」と呼称される。「ベクターマシン」と呼ばれる3機の異なる形状の戦闘機が「合体」することにより3種の形態を取ることができる。また、量産タイプの「強攻型」も存在する。対して、アポロたちの乗るアクエリオンは「オリジナル」、「神話型アクエリオン」と呼称される。かつてアポロニアス、セリアン、スコルピオスが1万2000年前の大戦に用いていた機体そのものであり、ベクターソルにはアポロニアスの残留思念が残っている。物語の序盤でアポロはアポロニアスに人格憑依されたことで封印されていた「創聖合体」の単語を知り、アクエリオンの持つ強さの片鱗を見せたが、人格憑依がなくなったことで「立ち上がる」ことからのやり直しになった。「人の思いを具現化する」という機体特性は「無限拳」などの超常技を獲得させていく。質量保存の法則など物理法則を完全に無視しており、「位相空間内での戦闘」や「巨大化」、「食物連鎖による修復・復活」など人智を超えた能力を発揮する。
デザインした河森正治自身が公言しているように、上記のコンセプト自体はゲッターロボのオマージュだが、本家が成し得なかった構造的に無理のない「完全変形・完全合体」を実現している。河森が以前ゲッターロボを紙で自作した際、変形・合体がうまく再現できず、「いつか自分で作ってやろう」と思ったことが本作の原点となった。
このような成り立ちのため、河森は当初から劇中そのままの機構での玩具化を熱望し、レゴブロックを用いた試作品を本作のスポンサーの内のひとつであるバンダイに持ち込む。その完成度の高さに感心したバンダイ関係者は彼の協力の下、アニメ製作と並行して超合金を制作、ほぼイメージ通りのアクエリオンを完成させた。アクエリオンはその可動部の多さから想定していない変形の自由度が非常に高く、超合金の試作品をいじって遊んでいた河森が逆にそこから新しい形態を発見し、アニメに登場させるということもあったようで、「強攻型アクエリオン」のアーマゲドン・アサルトウォーカーの2形態はそうした経緯でアニメ本編に登場している。後に「強攻型アクエリオン」もDX超合金で商品化され、こちらには無限拳用のアタッチメントパーツが付属している。
搭乗者以外のエレメントは司令所でオペレーターの任務を務めながら待機し、パイロットが不調になった場合に不動の指示で転送し交代する。この際は全裸で司令所に戻される。なお、エレメントスーツを着用しない者(主にアポロ)を強制的に呼び戻すことはできない(逆に送り込むことは可能)。
ベクターマシン各機には特定のパイロットが定められておらず、状況に応じてエレメント達の中から搭乗者を選出する。
テーマソングの中でも前期オープニングテーマ「創聖のアクエリオン」は、パチンコのCMに起用されたこともあり、そのインパクトのある歌詞がインターネット上の掲示板やコミュニティで大きな話題となった。
2007年になってからは約2年ぶりにオリコンなどのランキング上位に復活するという現象が起こったが、各メディアによると本作のパチンコCMに起用され、全国的にオンエアされたことがそのきっかけとなったという。その人気は、2009年にJASRAC賞で銀賞を獲得するに至ったほどである。
上記のほか、2008年にはBS11、2009年にはAT-X、2011年にはTOKYO MXやテレビ愛媛でも放送されたが、TOKYO MXでは第11話が諸事情から未放送となった。
以下の漫画作品がそれぞれ連載されている。
「月刊ドラゴンエイジ」(富士見書房)で2005年5月号から9月まで連載された。2005年10月1日初版発行。原案:河森正治・サテライト、作画:高嘴政宗。
基本設定などはアニメ版に準じるが、ストーリーはオリジナルのものとなっている。アポロやシリウスといったエレメントスクールの一軍メンバーの出番は少なく二軍メンバーにスポットを当てている。なお、漫画版オリジナルの必殺技として「アクエリオンソード」が登場する。
ウェブコミック誌「FlexComixネクスト」(フレックスコミックス)で2009年1月6日更新分から2011年12月6日更新分まで29回に渡って連載された。ラフなどの作業自体は2008年4月頃から開始している。TV版とはいくつかの設定・展開が異なる、並行世界的なストーリーである。原作:河森正治・サテライト、作画:浅川圭司。
全てソーシャルゲームとして提供されている。
このほか、バンダイナムコエンターテインメントのロボットクロスオーバー作品に登場。本作のキャラクター、ロボットが複数登場(参戦)し、いくつかのストーリーエッセンスもゲームシナリオに組み込まれている。
本作のアニメ制作会社であるサテライトは、2006年からSANKYOと資本提携して系列下に入っている。SANKYOよりパチンコとパチスロの台がリリースされている。
『ひと夏のアクエリオン 一万年と二千年前から愛してる』は、2015年7月24日より公演の『ノブナガ・ザ・フール』に続く、多次元プロジェクト"The Fool"による第2回舞台作品。10周年記念として演劇部をメインとしたロボットが登場しない作品として舞台化。
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