「鼎」字は中国古代における器物の一種である鼎を意味する。三足両耳を備え、食物を煮炊きする食器として、また功績を銘に刻んだりする礼器として用いられた。
伝説によると夏王朝の禹は九州を象徴する九鼎を鋳造したとされ、歴代王朝に王権の象徴として受け継がれた。これにより「鼎」で政権・王権の比喩として使われた。引伸して勢力が盛大で、時めいているさまを表し、今まさにという副詞としても使われる。
また「鼎」字は三足あることから三つどもえの戦いの比喩として「三国鼎立」などと使われた。また、六十四卦の一つとしても用いられる。
その字形は鼎を側面からみた三足両耳の形に象っている。
偏旁の意符としては鼎に関することを示す。
鼎部はこのような意符を構成要素にもつ漢字を収めるが、多くはなく、日常の範囲内では「鼎」自身のみといってよく、JIS漢字では他に「鼐」「鼑」「鼏」「鼒」がある程度である(Unicodeで日常外の漢字を見れば更にもう少しあるが)。
鼎
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