『DS文学全集』(ディーエスぶんがくぜんしゅう)は、2007年10月18日に任天堂から発売されたソフト。Touch! Generationsの一つ。
ニンテンドーDSiウェア版の『ちょっとDS文学全集 世界の文学20』、システムを同じくする『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』についても同項にて記述する。
森鷗外、夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治など明治以降の日本の著名文学者の作品をDSで読むソフト。
青空文庫との提携により主に青空文庫所収作品から短編、長編を含めて100タイトルが収録されている。
著作権の切れた作品を収録しているため、収録作品と同時期に発表されている著名作品であっても著作権が残存している著者(例えば谷崎潤一郎、川端康成など)の作品は収録されていない。
JIS漢字に含まれない旧字や外字も表示されているほか、山猫軒の看板(宮沢賢治『注文の多い料理店』)は簡易的なイラストで表示されている。
DS本体を横に持って読む、途中でしおりをはさんで中断することができる、という点は『DS電撃文庫』(メディアワークス)や『図書館DS』(ドラス)と同じだが、更に、タッチペンをスライドさせるだけでページをめくることができる、BGMを自由に設定できる、といった機能を持っている。
任天堂初の、CERO:教育・データベースソフトである。
読み終えた本には、10点満点の評価と、10項目から選択して感想をつけることができる。ニンテンドーWi-Fiコネクションに接続することで、その評価をレビューランキングに送ることができ、集計結果をダウンロードすることで、評価が高い作品や感想別のランキングから本を検索することができた。また、新しい本をダウンロードすることも可能であり、約20冊本体に保存することができた。現在はニンテンドーWi-Fiコネクションのサービス終了に伴い、これらの機能は使用できない。ダウンロードした本は、DSワイヤレス通信で他のソフトに渡すことが可能。
読書時間がなかなかとれないユーザー向けに、『あらすじ』でざっと読むモードが搭載されている。『あらすじ』は100冊全てに用意されており、途中でじっくり読みたくなったら、本文に移動することも可能である。
なお、監修は『あらすじで読む日本の名著』を著した小川義男。
ニンテンドーWi-Fiコネクションのサービス終了に伴い、新規にダウンロードすることはできなくなった。
総合文芸誌ダ・ヴィンチによって選ばれた6人の作家が、近代文学の中から思い入れのある1作品をモチーフに書き下ろした短編小説を、配信期間中にダウンロードすることができた。
配信期間終了後、これらの短編小説は『文豪さんへ。近代文学トリビュートアンソロジー』(2009年12月 MF文庫ダ・ヴィンチ)というアンソロジーに二次利用された。
『ちょっとDS文学全集 世界の文学20』は2009年2月25日にダウンロード販売開始されたニンテンドーDSiウェア。海外の名作文学20作と日本の名作文学5作(パッケージ版にも収録)を収録。あらすじ、Wi-Fiコネクションによるランキングやダウンロード、ワイヤレス機能による他のユーザーへの収録作品の配信等は削除されている。
『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』(おとなのれんあいしょうせつ ディーエス - )は、2010年2月25日に任天堂から発売されたソフト。日本未刊行5作品を含む33作のハーレクイン作品を収録している。
本作ならではの機能として、人物相関図や、人名・地名をはじめとした固有名詞への注釈、各作品に関連したコラムが付いている。
ニンテンドーWi-Fiコネクションにより、ランキング投票や感想を送ることができたが、追加コンテンツの配信は無かった。ワイヤレス通信により体験版(短編小説3作品をそれぞれ収録、DSの電源を切ると削除される)を別のDSに送ることができる。
今作が初翻訳だった日本未刊行5作品は、当作品が発売されたあとにそれぞれ書籍化されている。書籍化の際に『甘美な代償』は『愛するがゆえの罰』に改題された。
*印がついているものは日本未刊行作品(当作品発売当時)
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