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ノア (聖書)


ノア (聖書)


ノア(ヘブライ語: נוֹחַ Nóaḥ, נֹחַ Nōªḥ‎、ギリシア語: Νώε, ラテン語: Noe, アラビア語: نوح‎ Nūḥ)は、旧約聖書・『創世記』5章〜10章に登場するノアの方舟(箱船)で有名な人物。創世記の記述に従えば、すべての人類の祖先ということになる。

キリスト教の正教会では「ノイ」と呼ばれ、聖人とされている。

イスラム教においては「ヌーフ」と称され、アブラハム(イブラーヒーム)、モーセ(ムーサー)、イエス(イーサー)、ムハンマドと共に五大預言者のうちの一人とされる。聖典「クルアーン(コーラン)」にも「ヌーフ章」という名称で、独自の記述がある。

旧約聖書中『創世記』にみるノアの物語

旧約聖書創世記に記された物語の概容を(主、神といった表記も聖書に則りつつ)記す。

洪水まで

ノアの父はセトの子孫であるレメクであった(カインの子孫であるレメクと同名であるが別人)。ノアは502歳で息子セムをもうけた。

人が増えその娘も生まれた。神の子たち が娘の魅力に惹かれ、選んだものを自分の妻とした。

そこで主「私のルーアハは長く人の中にはとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。彼の歳は120年だろう。」と言った。またその頃もその後もネフィリム(単数形“ネフィル”、一般的には悪霊〈あくれい〉と人間の女性の間に生まれたこと言う理解である)(慣習では「巨人」と訳されている)が生まれた。彼らは昔の勇士、有名人であった。

主は地上に増え始めた人々が悪を行っているのを見て、心を痛め、人も獣も這うものも空の鳥までもぬぐい去る、これらを造ったことを悔いると言った。しかし「その時代の人々の中で正しく、かつ全き人」「神と共に歩んだ」とされたノアとその家族、および動物(鳥なども含む)は生き延びさせるよう、ノアに箱舟の建設を命じた。

箱舟はいとすぎの木でつくられ、3階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。

洪水

ノア(当時600歳)は箱舟を完成させると、「子らと、妻と、子らの妻たち」、および「すべての生き物…それぞれ二つずつ」と神から命じられた通りに、自分の妻と、三人の息子と、三人の息子それぞれの妻たち(ノアを含め計8人)と、すべての動物のつがい(清い動物「家畜」は7つがいずつ)を箱舟に乗せた。

大洪水は40日40夜続き、地上に生きていたもの全てを滅ぼしつくした。水は150日の間増え続け、その後箱舟はアララト山の上にとまった。

40日後にノアは烏を放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。

それによりノアは水がひいたことを知り、家族と動物たちと共に箱舟を出た。そこで祭壇を築いて焼き尽くすいけにえを神にささげた。ヤハウェはこれに対して、二度と全ての生物を滅ぼすことはないと誓い、ノアとその息子たちを祝福し、そのしるしとして空に虹をかけた。

大洪水後

その後ノアは葡萄を栽培していたが、あるときワインで泥酔して裸で眠ってしまった。ハムは父の裸を見て兄弟たちを呼んだが、セムとヤペテは顔を背けて父の裸を見ずに着物で覆った(見るなのタブー)。ノアはこれを知るとハムの息子カナンを呪い、カナンの子孫がセムとヤペテの子孫の奴隷となると予言した(創世記9章18節-25節)。ノアがなぜハムではなく息子のカナンを呪ったのかは諸説あるが、呪いが血によって子孫に継承されるなら、この時点で既に子であるカナンを残しているハムを呪っても仕方が無く、まだ子孫を残していないカナンを呪ってこそ、以後に生まれてくるカナンの子孫=ハムの子孫は呪われ続けることになるからと考えられる。

これ以外の説では「ハム=カナン」とするものがあり、セム・ハム・ヤペテは元々パレスチナ周辺しか知らない頃のヘブライ人たちによる「ヤハウェの民・カナン人・ペリシテ人」の先祖を指していて、ノアの呪いの言葉は紀元前12世紀頃の「内陸から勢力を広げたイスラエル人たちと海を渡ってきたペリシテ人によってカナン人を圧迫していたが、イスラエルとペリシテの勢力はまだ住み分けていて平和的だったころ。」を指していて、元来の話では9章後半部は18節-19節の系譜説明や22節の「カナンの父ハム」といった系譜説明的な部分がなく「カナンが悪さをして子々孫々呪われた」というシンプルな内容だったが、後世になってヘブライ人の世界観が地中海世界にまで二次的に広がり、第10章(世界観が広がった後の加筆とする)にあるように地中海各地の民族をハムとヤペテに結び付けたことで「ハムの子のうちなぜかカナン系統だけが呪われる」という不自然な流れになり、ペリシテ人もハム系(しかし呪われてはいない)とされるようになったというものである。

創世記によればノアは950歳で死んだとされる。計算の上では10代先の子孫であるアブラハムが生まれた時にはまだ存命であるが(ノアの息子セムに至ってはアブラハムの息子イサクの婚姻時でさえ存命である)、その後の物語には特に登場していない。

創世記の中で、「ノアの物語」を含む天地創造からバベルの塔にいたる物語は原初史といわれ史実を述べているというよりは世界の事物の意味、由来についてのユダヤ的見解を述べている部分と通常は考えられている(枠組み説による)。 また、鳩がオリーブをくわえている図は平和のシンボルとして描かれることがあるが、このノアの物語に由来している。

伝説中の烏と鳩の種類については、烏はワタリガラス(raven)と明記されている。鳩は家鳩(pigeon)ではなく山鳩(dove)と記述され、種の特定はなされていないが、旧約聖書における山鳩は多くの場合コキジバト(turtle dove)もしくはシラコバト(collared dove)である。

旧約聖書偽典にみるノアの物語

旧約聖書偽典には正典にはない要素が盛り込まれている。たとえばノアの物語の背景(人の悪)についての件の詳細は偽典『エノク書』、『ヨベル書』に記述されている。

  • エロヒムの息子(偽典『エノク書』、『ヨベル書』では明白に天使・グリゴリのこととされている。)
  • nephylymネフィリム(単数形“ネフィル”)(天から地に降りてきた者のこと。偽典では天使と人間の娘の子)

さらに旧約聖書の偽典の『ヨベル書』には次のような記述がある。 第15ヨベルの第3年周にレメクは天使バラクエルとメトシェラの姉妹の間にできた娘ビテノシと結婚しノアが生まれた。第25ヨベルの第5年周の第1年にノアは天使レケエルとレメクの姉妹の間にできた娘エムザラと結婚した。

また同じく偽典『エチオピア語エノク書』には「彼の身体は雪のように白く、またばらの花のように赤く、頭髪、(ことに)頭のてっぺんの髪は羊毛のように白く、眼は美しく(エチオピア語エノク書106:2)」(日本聖書学研究所編 『聖書外典偽典』第4巻 旧約聖書偽典II、教文館、1975年、288頁。)との記述がある。

系図

『創世記』4:17から22までに記載されたカインの末裔たちの名前の中には、『創世記』5:1から32に記載されたカインの弟セトの末裔たちによく似た名前がある。文書仮説によれば、カインの系図はヤハウィスト資料(J資料)に由来し、セトの系図は祭司資料(P資料)に由来するものだという。J、P両資料には7組の類似した名前があり、ヤハウィスト資料での「イラド」は祭司資料の「イエレド」に対応している。

脚注

注釈

出典

関連事項

  • ノアの方舟
  • 聖書の登場人物の一覧
  • 映画「ノア 約束の舟」
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外部リンク

  • Catholic Encyclopedia article

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: ノア (聖書) by Wikipedia (Historical)