![三菱・ミニキャブ 三菱・ミニキャブ](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
ミニキャブ(MINICAB)は、三菱自動車工業が製造・販売している軽貨物車。
2023年現在、同社が単独で生産している唯一の軽自動車となっている(ミーブおよびEV)。
トラックとバンがあり、550cc時代から登場したバンの豪華版はミニキャブブラボーの名が付されていた。独立車種としてのブラボーは1999年に消滅したが、2011年に上級グレードの名称として復活。また、軽自動車の商標の中では5番目に古い8代(ただし、トラックは7代)・55年(2021年現在)の歴史がある。
乗用1BOXモデルはブラボー(ミニキャブ4代目・5代目に相当)、タウンボックス(6代目に相当)の名で販売されていた。後にタウンボックスは廃止され、グレード名称として「ブラボー」の名が復活する。
6代目は2003年8月から2013年12月までクリッパーバン → NV100クリッパー・クリッパートラック → NT100クリッパーとして、乗用1BOXモデルのタウンボックスは2007年6月から2012年1月まで「クリッパーリオ」の名称でそれぞれOEM供給されていた。
2011年に、本車をベースにした商用電気自動車「ミニキャブMiEV」が発売された。
2014年2月にフルモデルチェンジによりスズキからのOEM供給を受けることとなり、併せて、タウンボックスもOEMモデルとして復活・フルモデルチェンジされた。これにより、自社製造を継続する電気自動車(i MiEV及びミニキャブMiEV)を除く三菱の軽自動車のラインナップは、7代目となったミニキャブの他に、eKワゴン(3代目)/ eKカスタム、eKスペース、タウンボックス(2代目)の計4車種(eKワゴン(3代目)・eKカスタムを1車種としてカウントする)となった。
この代は北米にもマイティミッツの名称で農耕用構内専用車(農機扱い)として輸出されていた。マイティミッツの型式は2気筒エンジン(2G24型)モデルがU13T、3気筒エンジン(3G82型)モデルがU16Tとなっていた。
前軸を前進させクラッシャブルゾーンを確保した形状となるが、エンジン搭載位置は運転席下のため構造上はキャブオーバーとなる。軽トラック及び軽1BOX、NA車初の4ATがラインナップされるなど軽トラックでは少なかったATの拡充をはかるなどAT全盛のニーズの対応を強化。ミニキャブバンをベースに乗用グレードのタウンボックスが登場した。テールランプ形状はトラックが3色式の平行四辺形であるのに対し、前期型・中期型バンは丸型2灯式であり、さらにブレーキランプとテールランプが別々に点灯する。
台湾ではホイールベースを延長し、約1,200ccの4気筒SOHC16バルブエンジン(4A32型・76馬力)を搭載したモデルが中華菱利の名で販売されていた[2]。
i-MiEVの技術を活用した電気自動車。2011年12月8日に販売を開始した当時はバン 2WDのみで、「CD」グレードがベースとなる。搭載されるバッテリーは容量(一充電あたりの走行距離)が異なる2種類が設定され、10.5 kWh(約100 km)と16.0 kWh(約150 km)が用意される。ガソリン車に比べて車両重量が200 kg重くなり、スペアタイヤは車内に移設、運転席の計器はi-MiEVに準じたデザインになる。追って2012年12月に『ミニキャブMiEVトラック』も発表、こちらは「VX-SE 10.5kWh」のみのモノグレードで、搭載されるバッテリーは10.5 kWhのみとなる。
ガソリンエンジン車の生産が終了した2014年1月からは、三菱が自社生産する唯一の商用車であった。2023年現在も発売されているミニキャブ・ミーブバンの基本設計は1999年のガソリン車登場時からほとんど変わっていないため、2000年代に入ってから2回フルモデルチェンジを受けたエブリイやハイゼットカーゴのそれと比べるとはるかに古く、見劣りは顕著であるが、クラスでは唯一のEVであるゆえに、脱炭素化の取り組みを加速する物流業界や自治体などで導入されている。
また、2011年11月には、スズキに対しミニキャブ・ミーブのOEM供給に向けた話し合いがなされ、実際に型式認定もされ2012年2月には12台がスズキ・EVエブリイとして製造されたとみられるものの市販には至らなかった。
2023年11月に「ミニキャブ・ミーブ」をベースに大幅改良(ビッグマイナーチェンジ)を行い、車名を変更したバンタイプの電気自動車である。
EVシステムが新世代化され、電池容量(総電力量)を16kWhから20kWhに25%増大、モーターとインバーターを一体化構造とするなど効率も改善したことで航続距離を約35%向上させた180km(WLTCモード一充電航続距離)とした。
安全装備は「ミニキャブ・ミーブ」には装備されなかった「e-Assist」が新たに搭載され、衝突被害軽減ブレーキシステム(歩行者検知付/FCM)、誤発進抑制機能(前進時)、オートマチックハイビーム(AHB)、車線逸脱警報システム(LDW)の4点で構成される。また、急な坂道での発進時の後退を防止するヒルスタートアシスト(HSA)も装備された。
機能面ではアクセサリーコンセント(2シーターのみ、2024年3月生産開始)と充電用USBポート(Type-C/Type-A対応)がメーカーオプションに設定された。アクセサリーコンセントはフロアコンソール背面に設置され、AC100V・最大1500Wの利用が可能。充電用USBポートはインストルメントパネルに設置される。
走行性能では前後ショックアブソーバーの減衰力特性が見直され、実用電費の向上を図るため、回生ブレーキを積極的に活用するBポジション時の回生力が強められた。
軽トラック市場は競争が熾烈で、他社(他車)への対抗上、形態や機能が酷似した特装車が各社に用意されている。
後二者は販売政策の都合でラインナップされたものであるが、嚆矢であるハイゼットの同様のモデルに対し、ミニキャブのシェアは約1割に留まっており、クリッパーを含めたところでその差は埋まらないのが現状である。
15年1か月ぶりのフルモデルチェンジとなった。7代目以降は、前述のとおりスズキが販売しているエブリイ・キャリイのOEM供給を受けて販売される。スズキからOEM供給を受けるのはソリオのOEM車種であるデリカD:2があるが、軽自動車では初めてとなる。また、このフルモデルチェンジに合わせ、一時生産を終了していた軽ワンボックスカーのタウンボックスもエブリイワゴンのOEM車種として復活した。
エブリイ・キャリイは既にマツダ(スクラム)や日産自動車(クリッパーバン/NT100クリッパー)にもOEM供給されていることから、日本国内の自動車市場では稀な4兄弟車種となった。また、2015年2月にOEM元のエブリイがフルモデルチェンジし、翌月にミニキャブバンもフルモデルチェンジされたことで、8代目となったバンと7代目を継続販売するトラックで世代のズレが生じることとなった。
その他、660cc規格化以降に製造・販売されたモデルは自社生産時代はバン・トラックともにキャビン部分のみは共通設計であったが、OEM化以降はベースのエブリイ・キャリイと同じく完全別設計となった。
2021年8月時点で、ラージキャブ仕様の「スーパーキャブ」は発売されていない。
台湾の中華汽車(CMC)では、4代目以降のミニキャブをベースにより長いホイールベースが与えられ、多様な形状のボディが架装された中華威利(英語名:CMC Varica)が製造されていた。型式はトラックがU17T、バンがU17Vとなり威利は800 ccの3G82をベースに直列4気筒とした1,061 cc / 58ps(43 kW)の4G82エンジンを搭載していた。全長は3645 mm、全幅は1475 mmに拡大され、最高速度は115 km/hであった。また、バンパーも形状が変更され、ミニキャブとはやや異なるフロントフェイスとなっている。
現在は6代目をベースに全長を延長し、より丸みを帯びたバンパーにフェイスリフトされ、エンジンも排気量1,198 ccの4A32(2017年のマイナーチェンジで廃止)、および1,299 ccの4G13(2011年のマイナーチェンジ以降より採用、後に2019年のマイナーチェンジで廃止)、1,488 ccの4G15V(2017年のマイナーチェンジ以降より)を搭載した3代目菱利が販売されている。なお6代目のラインアップは当初トラックのみとなっていたが、2012年以降より5人乗りのワンボックスワゴンが13年ぶりに復活、これに伴い車名を中華菱利(英語名:CMC Veryca)に改名した。
小さな車体に広い荷台をもつキャブオーバーという意味で命名。イギリスでは"minicab"はタクシーキャブのことをさす。
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