松館しぼり大根(まつだてしぼりだいこん)とは、秋田県鹿角市八幡平字松館地域で栽培される根菜である。アブラナ科アブラナ属ツケナの在来種で、松館地域に伝わる伝統野菜である。
松館しぼり大根は肉質が密で固く水分が少ない、カブのような丸みを帯びた形の小ぶりな根菜である。根重は400 - 500グラム、葉は板状で草丈50cm - 1メートル程度まで成長する。8月上旬に播種し、初霜が降りた後に収穫する。秋田県農業試験場の報告によると、辛味成分の比較では青首大根より平均で3.7倍の辛さを持つ。この辛味は松館集落の立地と多腐食質の土壌に寄るところが大きく、他地域ではこの辛味や風味はよく出ないといわれる。根部そのものよりも、根部をおろして絞った「しぼり汁」を主に食す。宮城県加美町の地方品種の小瀬菜と形態特性が似ている。
伝統的な食べ方として、皮ごとすり下ろしたおろしを布などで包んでしぼった「しぼり汁」を使う。また、そのままおろしとして食す事も出来る。
主として薬味として用いられる。
しぼり大根は土を洗い落とす際に表皮を保護する雑菌も洗い落とされるため、洗われた後は保存状況によるが常温下だと1週間ほどで黒いカビが発生してしまう(ただしカビは表皮面だけに発生するため、削ぎ落とせば問題ない)。そのため、出来るだけ冷蔵庫で保存することが望ましい。
生産者の間では収穫したままの土がついた状態で保存している。その状態だと春先まで保存が可能である。
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