![夜明け前より瑠璃色な 夜明け前より瑠璃色な](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
『夜明け前より瑠璃色な』(よあけまえよりるりいろな)は、2005年9月22日にオーガストから発売されたアドベンチャーゲーム。オーガスト第5作目となる。ならびにそのアニメ化作品である。
オーガスト5作目であり、2005年年間セールス第3位となる約7万本の売上を記録した。また、2006年12月7日にはPlayStation 2移植版 (CERO-C) となる『夜明け前より瑠璃色な-Brighter than dawning blue-』が、オーガストのスタッフによる別ブランド「ARIA」より発売された。
2009年2月27日に、PS2版のストーリーに準拠したアフターストーリーの『夜明け前より瑠璃色な-Moonlight Cradle-』が発売された(詳細は夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-を参照)。
2010年2月25日には、PSP版 (CERO-C) 『夜明け前より瑠璃色な PORTABLE』が発売された。PSP版の内容はPS2版を「PSPのシステムに調整・最適化したもの」である。PSPの解像度(16:9)にあわせたワイド画面表示 や、スクリーンショット機能の付加といったPSPオリジナルの機能的な要素が追加されているが、ストーリー内容はPS2版の「ベタ移植」である。
物語の舞台となるのは一見、現代日本と大差のない文化・風俗を持つ町だが、そこにSF要素が加味される事で独特の世界観を構築している。前々作の『月は東に日は西に 〜Operation Sanctuary〜』は学園を主な舞台とする学園モノであったが、本作は学園こそ登場するものの学園外でストーリーが展開する事が多く、学園モノの要素は副次的なものに留められている。
大昔に月に渡った人々が作ったスフィア王国(月王国)。だが、500年から660年前頃に起こった第1次〜第4次オイディプス戦争以降、地球との関係は冷え切った状態が続いており、地球における唯一の窓口である「満弦ヶ崎中央連絡港市」に王国の大使館、月人居住区画、王立月博物館などが設置されているものの、一般市民の月との往還はほとんどなくなっていた。そんな満弦ヶ崎中央連絡港市に住む朝霧家に、月王国の王女がホームステイすることになった。
以下、注釈なき場合はPCはMoonlight Cradleを、PS2は移植PC版をそれぞれ含む。
声優の表記は注釈なき場合、PC版 / PS2・PSP版 / テレビアニメ版の順。
※PS2・PSP版のオープニングテーマは後述のCDでは「brilliant azure」となっているが、ゲーム内で演奏される場面で考えるならこの曲はイメージテーマであり、オープニングテーマはPC版と同じ「Eternal Destiny」となる。
『夜明け前より瑠璃色な-Crescent Love-』(よあけまえよりるりいろな クレッセントラブ)のタイトルで、2006年10月から12月までBS-i、独立UHF局、AT-Xで放送された。BS-iでは16:9のハイビジョンサイズで放送しているが、独立UHF局では画面の左右を切って4:3のスタンダードサイズにして放送したため、一部で該当キャラが画面上にいないのに声だけが流れる現象(見切れ)が発生した。AT-Xでは4:3サイズだがレターボックス形式で放送されている。全12話。
本テレビアニメ版の製作にあたり原作のオーガストは基本的に口を出さない方針で、シナリオの榊原拓は「アニメ製作スタッフの皆様には、かなり自由に作って頂いてますので」、原画のべっかんこうは「フィーナのあのドレスを動かさなければならないアニメスタッフさんには、本当に申し訳ないやらありがたいやら」と、アニメ製作スタッフに気を遣う発言をしている。
このためかテレビアニメ版は独自のストーリーになっており、アポロ計画からスフィア王国成立までの月の有人開発史の紹介から始まり、原作ゲームでは設定上しか存在しないゲームスタート前の出来事である月と地球の戦争「オイディプス戦争」が宇宙艦隊の戦闘シーンという形で映像化されている。また、主要キャラクターの設定が一部変更されている。更に新キャラクターも数人追加されている。
第3話で「作画崩壊」と呼ばれる現象が生じ3話の作中で、キャベツを千切りにするシーンで描かれているキャベツが、単色の黄緑色のボール状の物体にしか見えない粗い作画で描かれていた。「ヤシガニ」や「ムサシ」と並び、アニメにおける作画崩壊の俗称として引き合いに出されることが多い。
この問題については、バンダイビジュアルが雑誌『メガミマガジン』2007年1月号誌上で謝罪文を掲載した。また、最終話で回想として放送された料理シーンに修正が施されたほか、DVD版では第3話に200カット近いリテイクをはじめ大幅な修正が行われたが、調理後の試食シーンでは切ったキャベツが出てこないまま審査員が試食を行っていた。
後に制作スタッフの一人が明かしたところによれば、制作スケジュールが押していた中で原画を書かずに丸だけ描いてキャベツの写真と一緒に中国の下請け会社に発注しようとしたら、キャベツの写真を入れ忘れた状態で発注してしまったことがこの事件を引き起こしたという。
PlayStation 2版『夜明け前より瑠璃色な-Brighter than dawning blue-』(以下PS2版)のストーリーに準拠したアフターストーリー。2009年2月27日に初回限定版、同年9月18日に通常版が発売された。オーガスト第7作目となる。
本作はPS2版の続編にあたり、各キャラクターの後日談と最終章が描かれているが、新キャラクターであるシンシア・マルグリットのストーリーに関しては新規シナリオとなっており、ストーリーの開始時間はフィーナが留学を終えて月へ帰った後となっている。
ゲームは開始と同時にミア、さやか、麻衣、菜月、リース、翠、エステルのそれぞれのルート分岐が発生する。7人を攻略するとシンシアルートが発生し、さらに攻略するとフィーナルートが開放される。各ルート内では、別ルートが派生するような選択肢は一切ない。
初回限定版プレミアムエディションでは、PS2版のWindows移植である『夜明け前より瑠璃色な-Brighter than dawning blue- for PC』が同梱。内容は一部の誤字修正を除き、PS2版のものと変更は無い。
シンシアルートで達哉は、空間跳躍技術の中核を担うターミナルでシンシアと出会う。ターミナルはロストテクノロジーであり、空間跳躍を行うにはターミナルとは別にデバイスと呼ばれる装置が必要である。シンシアルートはこのデバイスを8人目の達哉の世界へ行き回収することから始まる。
空間跳躍技術とは、多世界解釈と重力制御技術を基本とした技術であると言われている。シンシアの説明によると、世界は多世界解釈に基づく状態であるという。リースルートで達哉が体験した触ると消えてしまう羽はこの跳躍によるものである。これらの説明からすべての時間からターミナルへのアクセスが可能なのかは不明。
ターミナルには他のすべての時空とは別の空間にあるらしく、シンシアのいた時空の年代から達哉のいた時空の年代までの間には700年もの時間が経っているが、ターミナルでは時間の概念が無く、シンシアも変わらずに存在し続けていた。ターミナルには時間の概念が無いためどのような順序付けを以って8人目なのかは不明。
シンシア自身がターミナルの外の時空間へ跳躍するには人や物の縁が必要で、基本的にはシンシアの名を頭の中で呼ぶだけでその世界へと跳躍することが可能だが、それだけでは縁という意味で不足がちなので、本編ではシンシアの持っていた懐中時計を達哉に持たせて縁を補強させた後、跳躍している。シンシアの名前を呼ぶ側は、その際雑念が混ざるとシンシアは正確な座標が特定できず跳躍に失敗、あるいは成功しても目的地とは違った場所へ跳躍するという。事実シンシアルートでは達哉がシンシアを呼ぶ際に雑念を混ぜてしまったため、近くの民家の中へと跳躍している。
バンダイビジュアルにて発売(全6巻)
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