本アルバムのリリース前に2曲入りのデモテープを作成している。そのうちの1曲は本アルバム収録楽曲である『WELCOME TO MY DOGHOUSE』であり、もう1曲は『PENITENT』という曲でドラムの菊地曰く「ものすごく暗い曲」。吉井は「デモテープが想像以上にいい出来で、”これは今までの日本にはないだろう"という自負があった」と語っている。のちに『PENITENT』は30th Anniversary DOME TOUR にてデモ音源が流れ、30th Anniversary DOME & ARENA TOUR -BUDOKAN SPECIAL-にてメジャーデビュー後初披露された。
この時期に生み出した楽曲の中には、メジャーデビュー後のアルバムに収録された楽曲が多数存在する。1stアルバム『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』収録曲の『Neurotic Celebration』『This Is For You』『真珠色の革命時代 (Pearl Light Of Revolution)』『Romantist Taste』、2ndアルバム『EXPERIENCE MOVIE』収録曲の『SUCK OF LIFE』、4thアルバム『smile』収録曲の『嘆くなり我が夜のFantasy』が該当する。吉井は「メジャーデビュー後のために収録を我慢した」と語っている。
収録曲
楽曲解説
BUNCHED BIRTH
インスト曲。英語の台詞が入っている。
WELCOME TO MY DOGHOUSE
デビューから解散までライブの定番曲であり続け、活動休止前の「メカラ ウロコ・8」のラストを飾った曲でもある。『SO ALIVE』にはシークレット・トラックとしてライブバージョンが収録されている。『THIS IS FOR YOU〜THE YELLOW MONKEY TRIBUTE ALBUM』ではScoobie Do がカバーした。2013年に行われたファン投票で12位を獲得し、『イエモン-FAN'S BEST SELECTION-』にリミックスバージョンで収録された。
FAIRY LAND
「in out」(イン・アウト) とは、スタンリー・キューブリックの映画(1971年)およびアンソニー・バージェスの原作小説『時計じかけのオレンジ』(1962年)においては人工言語(ナッドサット言葉)で「性行為」を意味する。吉井和哉に特に大きな影響をおよぼしたロックスターのデヴィッド・ボウイは1970年代にキューブリック『時計じかけのオレンジ』や『2001年宇宙の旅』(1968年)をモデルにして作り上げた「ジギー・スターダスト」というキャラクターになり音楽活動をし「ジギー・スターダスト・ツアー」(Ziggy Stardust Tour 1972年–1973年)においてキューブリック『時計じかけのオレンジ』からベートーヴェン「歓喜の歌」(ウォルター・カーロス・ヴァージョン)をツアーのオープニング曲に使用することがあった(「歓喜の歌」はまた「欧州の讃歌」 であり1972年に欧州評議会からその旨が公式発表された)。
LOVERS ON BACKSTREET
吉井がTHE YELLOW MONKEYで初めて作った曲である。吉井曰く「家族をなくした売春婦の歌」。前ボーカルがメンバーの際は曲調、歌詞共に全く異なるものであったが、吉井がボーカルに転向したことにより新たに作り直された。Fメロまであり、メンバーは「曲が複雑すぎて覚えられない」と嘆いたという。4thシングル『熱帯夜』のカップリングには再レコーディングされたバージョンが収録された。『TRIAD YEARS actII〜THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』、『MOTHER OF ALL THE BEST』に収録されたのはいずれも再レコーディングバージョンであるため、原曲はこのアルバムでしか聴けない。
Eoin Devereux, Aileen Dillane, Martin Power (2015), David Bowie: Critical Perspectives, Routledge, ISBN 9781317754497, https://books.google.co.jp/books?id=UQ2UBwAAQBAJ
外部リンク
BUNCHED BIRTH - THE YELLOW MONKEY | ザ・イエロー・モンキー オフィシャルサイト