コニ型フリゲート(コニがたフリゲート、英: Koni class Frigate)は、ソヴィエト/ロシア海軍の警備艦(フリゲート)である。1975年 - 1988年に14隻が建造され、現在も8隻前後が活動中である。
コニ型はNATOコードネームであり、ソ連海軍の計画名は1159号計画型警備艦(СКР проекта 1159)である。
概要
コニ型フリゲートは、ペチャ型フリゲートを基にしてグリシャII型コルベットの設計を加え、1950年代に同盟諸国に供与したリガ型フリゲートの更新用に開発された輸出用警備艦である。だが実際にリガ型に続いてコニ型を運用したのはブルガリアと東ドイツ海軍の4隻のみである。また1番艦ДЕЛЬФИНは最初ソ連海軍の黒海艦隊で運用されたが同盟諸国乗務員の訓練用だったようで役目の終わった1991年にはブルガリア海軍に売却されСмелиと改名された。
コニ型フリゲートやグリシャ型およびパルヒム型コルベットの直接の後継艦としてゲパルト型フリゲートが設計され1991年から建造が始まった。
原型の艦容は艦首と艦尾の76.2mm連装砲1基ずつの配備がペチャ型・ミルカ型と引き継がれ、船体一杯に拡張された船首楼型艦橋、主砲との間の一段下がった構造物上の左右前端に1基ずつ対潜ロケット砲、艦橋上にマストとレーダー、後方に煙突が続き、構造物断絶しスペースがある後にミサイルを装備した後部構造物、この当りはグリシャ型に似ている。海外諸国向けの装備の違いで大きく3タイプに分類される。
- 1159 (コニI型)6隻:ソ連・ブルガリア・東ドイツ・ユーゴスラビア海軍の寒冷地向け
- 特にユーゴスラビア海軍向けの艦はP-15(SS-N-2 スティクス、ロシア語П-15 ≪Термит≫)が装備されて、外観が変わっている。
- 1159-T (コニII型)6隻:アルジェリア・キューバ海軍の熱帯地向け
- 熱帯向けに内装等も変更があったと思われるが外見上確認できるのは煙突と対空ミサイルを装備した後部構造物がつながっている。特にアルジェリア海軍向けの艦にはSS-N-25 Switchblade、533mm2連装対潜魚雷2基が装備されている。
- 1159-TP (コニIII型)2隻:リビア海軍向け対艦ミサイル装備
- 1159-T型のリビア海軍向けとして艦橋の前と艦首砲塔の間の対潜ロケット砲十二連装РБУ-6000を左右両端に2基装備している箱型構造物を削り、左右にSS-N-2C ≪Styx≫の連装タイプを2基装備しその間の真ん中に対潜ロケット砲十二連装РБУ-6000を1基装備に改造され、対潜魚雷発射管が煙突と対空ミサイルを装備した後部構造物のつながっている両脇に装備されたが詳しくは画像確認。
またコニ型を参考とした派生艦として、ルーマニアではアミラル・ペトレ・バルブニェヌ級コルベット、ユーゴスラビアではコトル級フリゲートが建造された。
同型艦一覧
同盟諸国供与艦詳細
- ソビエト連邦海軍黒海艦隊: 1隻 - ДЕЛЬФИН
- アルジェリア海軍: 3隻 - Mourad Rais、Rais Kellich、Rais Kellich
- ブルガリア海軍: 1隻 - Смели
- キューバ海軍: 3隻 - Mariel、б/н 356、Monkada
- 人民海軍: 3隻 - Rostock(ロストック)、Berlin(ベルリン)、Halle(ハレ)
- リビア海軍: 2隻 - Al Hani、Al Ghardabia
- ユーゴスラビア人民海軍: 2隻 - hr:VPBR-31 Split→Beograd、Kopar→Podgorica
関連項目
参考文献
- 『世界の艦船』、1996年9月フリゲイト昔と今、海人社
外部リンク
- [1]ロシア語のページ、同型艦名は此処から、全体図
- [2]ロシア語のページ、同型艦名活動詳細
- [3]英語のページ、各国への配置状況図
- [4] 英語のページ、各国の兵装変遷状況説明
- [5] 英語のページ、リビア海軍KoniIII型の詳細写真
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