![グランドひかり グランドひかり](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/36/JR_West_grand_HIKARI_V5.jpg/400px-JR_West_grand_HIKARI_V5.jpg)
グランドひかりは、東海旅客鉄道(JR東海)と西日本旅客鉄道(JR西日本)が1989年から2002年まで東海道・山陽新幹線で運転していた「ひかり」の一種の車両・列車愛称。
1987年の国鉄分割民営化直後、1985年に登場した新型車両100系はJR東海のもつX・G編成しかなく、JR西日本は0系しかないという状況だった。そこで旅客サービスの向上と到達時分の短縮を目的に東京駅 - 博多駅の「速達ひかり」(通称Wひかり)用として、JR西日本は独自の新型車両を製作することとなった。そこで誕生したのが100N系「グランドひかり」である。
東京駅 - 博多駅の長距離運用につくことを念頭に、G編成で省略された食堂車を設定すると共に、G編成と同等のグリーン車3両を確保するため、2階建て車両をX・G編成に比べ2両増やし、計4両連結した事が大きな特徴である。
2階建て車両はモータを積まない付随車であるため、X・G編成では付随車となっている先頭車を電動車とすることで、編成出力を同等に確保している。また、さらなる速度向上のため、各部の構造が見直されている(新幹線100系電車#V編成を参照のこと)。
1 - 6・11 - 16号車は平屋建て車両普通車である。7 - 10号車は2階建て車両であり、1階は7・9・10号車が普通車指定席で8号車は売店、2階は車窓からの展望が良いことや乗客の通り抜けがないことから、7・9・10号車がグリーン車、8号車が食堂車に設定された。食堂車にはデジタル速度計も設置された。
普通車(1 - 6・11 - 16号車と7・9・10号車の1階)は直接照明が採用されたが、グリーン車と食堂車(7 - 10号車の2階)は間接照明が採用された。
2階建て車両の場合、通常の平屋建て車両と比較して特に1階の居住性や車窓が劣るため、オーディオサービスとビデオサービス(JR東海とのサービス格差が生じない山陽新幹線区間のみ)が実施されるほか、座席も通常の2列+3列のものではなく、「ウエストひかり」で実績のあるゆったりした2列+2列のものを採用した。なお、11号車にはX・G編成と同じく、車椅子対応設備が設置された。
前述のビデオサービスは、4次車であるV5編成から2階グリーン席に新たに5インチの液晶テレビが搭載され、1990年11月1日から使用を開始した。V1 - V4編成にも搭載され、1991年3月16日から全編成で放映を開始している。
100N系V編成16両を使用する。最高速度は東海道区間220km/h、山陽区間230km/hである。
東海道・山陽新幹線内を走破する、すべての定期「ひかり」および、臨時扱いだが毎日運転する「ひかり」として運転された。時刻表にも、1989年5月号より"「グランドひかり」・2階建て4両"と記載された。
「グランドひかり」が東京 - 博多間2往復で運転を開始。山陽新幹線区間での最高速度を230 km/hとし、東京 - 博多を5時間47分で走破。途中、名古屋・京都・新大阪・岡山・広島・小郡(ひかり29号のみ)・小倉に停車。
100系X編成が充当されていた1往復を「グランドひかり」に変更。所要時間の短縮が行われた。
上り1本を「グランドひかり」から別編成に変更の上、2.5往復を「グランドひかり」に変更して5往復の運用に。上り1本(ひかり10号)が新神戸に初停車。
上り1本を「グランドひかり」から別編成に変更の上、東京 - 博多間の2往復と広島始発の上り1本を「グランドひかり」に変更し、山陽新幹線内完結の1往復を追加して8往復体制に。福山・徳山に初停車(ひかり150号)。東海道区間で所要時間の短縮が行われた。
新幹線における食堂車の営業列車は東京 - 博多間4往復のみとなる。
このほか、多くの臨時列車に充当された。
1992年に300系と最速達列車「のぞみ」がデビューした。当初は早朝深夜時間帯のみだったが、その後に行われた、「のぞみ」の昼間時間帯の運転実施や増便によって、300系より40 - 50km/hも遅い100系はダイヤ作成時の足かせとなり、従来の最速達であった「ひかり」よりも「のぞみ」のほうが所要時間が短縮されたため、「のぞみ」に客足が向くようになった。
2000年3月でまず利用率の良くなかった食堂車営業を休止。その後も「ひかり」を中心に活躍したが2002年5月18日をもって定期運用から離脱。そして2002年11月23日、新大阪駅 - 博多駅のさよなら運転をもって「グランドひかり」は消滅した。
2002年10月8日に、JR西日本から同年11月23日に以下の1往復でさよなら運転が行うことが発表された。同列車では食堂車の復活や「グランドひかり」の最速運転を行うなど、全盛期を彷彿させるものだった。ただし、食堂車の利用に関しては事前の予約が必要とされた。
さよなら運転にはV2編成が充当された(新幹線100系電車#V編成参照)が、2階建て車両は状態の良いV9編成のものと差し替えられていた。
運用終了直前の2000年から2005年にかけて、「グランドひかり」用のV編成は徐々に6両K編成、4両P編成に組み換えが進行していた。X・G編成と違い、先頭車が電動車であることから短編成化が容易(ユニット構成が0系と同じになったため)であった。P編成とK編成の車両数は108両(4両編成が12本と6両編成が10本)である。V編成の電動車の数も108両(12両が9本分)である。V編成の電動車は(一部G編成の車体にV編成の電装品を搭載したり、中間車が先頭車化されたものもあるが)なんらかの形ですべてK・P編成に流用された。また、7 - 10号車のグリーン車と普通車の座席もK・P編成に流用された。
食堂車の写真に写っている電光掲示板は0系WR編成に利用された。
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