合略仮名(ごうりゃくがな)は、仮名の合字である。
概要
「ヿ(コト)」「(シテ)」などは合字ではないが、合略仮名とともに紹介されることがある。
明治33年の「仮名は1音につき1文字とする」という明治政府の政令により、公では使われなくなった。
電子機器上での扱い
2000年まで、コンピュータ上では外字の利用などでしか合略仮名を扱えなかった。
2000年、JIS X 0213が定められた。これによって「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が使えるようになった。
2002年、Unicode 3.2に「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が採用された。
2009年、Unicode 5.2に「(トモ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Cとして登録されてしまった。
2017年、Unicode 10.0に「 (シテ)」「(なり)」「(ナリ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Fとして登録されてしまった。
表示可能なフォント
2023年7月現在、合略仮名が表示可能なフォントには以下のようなものがある。
- IPAmj明朝(、、、、、を収録)
- Oradano明朝GSRRフォント(、を収録)
- 字躰帳変体仮名(、、、、、、、、、、、、、、を収録)
一覧
平仮名
以下は、合字である。
以下は、合字ではない。
片仮名
以下は、合字である。
以下は、合字ではない。
類似の文字
- 「ます」と読む文字「〼」は、計量に使用する枡を記号化したものであり、合略仮名ではない。
- 漢字の一部を仮名に置き換えた字(略字)があるが、これらも合略仮名ではない。
- 例:「機」、「議」、「摩」または「魔」 →「略字」を参照。
- インターネットスラングで、既存の文字の偏と旁が他の文字として解読できる場合、当該文字1字を他の文字2字の代わりとして用いる場合がある。
- 例:「托い」(キモい)「モルール」(モノレール)など。
脚注
参考文献
- 蛇蔵、海野凪子『日本人の知らない日本語 なるほど〜×爆笑!の日本語"再発見"コミックエッセイ』メディアファクトリー、2009年2月18日。ISBN 978-4-8401-2673-1。 - 「まいらせそうろう」について言及。
- 益田多米彦 編『日本文典初歩』益田多米彦、1902年6月30日。https://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=40078885。 - 合略仮名ついての説明。
関連項目
- 変体仮名
- 合字
- いふ (仮名)
- かしこ (仮名)
- こと (仮名)
- さま (仮名)
- して (仮名)
- とき (仮名)
- とも (仮名)
- なり (仮名)
- まいらせ候 (仮名)
- より (仮名)
外部リンク
- 漢字字躰帳 - 変体仮名・合略仮名の一覧
- 『四書講義 上巻 大学 中庸 論語 大学講義』 - 実際の文章での使用例。
- 千都フォント|連載#8「連綿体仮名活字」 - 江戸末期の合略仮名が活字化されたことについて詳細を説明。
- 日本語練習虫 - 築地体前期五号と後期五号の「ごと」「さま」「かしこ」「ふみして」などを紹介。
- @uakira2 - 「𛀙」と「し」と「こ」の合字が見える。
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