『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』(げきじょうばん かめんライダーアギト プロジェクト ジーフォー)は、2001年9月22日より東映系で公開された、日本の映画作品。特撮テレビドラマ『仮面ライダーアギト』の劇場版にあたる。
同時上映は『劇場版 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える』。
キャッチコピーは「いよいよ戦闘開始! 敵か?味方か? 最強の新ライダー登場。」。
平成仮面ライダーシリーズとしては初となる劇場版であり、同時に東映創立50周年記念作品・仮面ライダー生誕30周年記念作品でもある。また、実写の劇場用中編商業映画としては世界で初めて、全編がフィルムではなく、デジタル工程によるデジタル上映対応のHD1080/24Pによってハイビジョン撮影された作品でもある(ソニーの「CineAlta」システムを使用)。
本作品は、仮面ライダーG3-X / 氷川誠と小沢澄子が物語の中心的存在となっており、テレビシリーズの初期オープニングにも1カットだけ文字で記述されていた、“G4システム”の秘話が明かされる外伝的な物語となっている。
仮面ライダー生誕30周年であることから、本郷猛 / 仮面ライダー1号を演じた藤岡弘が、警視総監役でゲスト出演したことで話題を呼んだ。警視総監の本名は公開されておらず、本郷猛 / 仮面ライダー1号を思わせる演出はスタッフの狙いだったとのことで、「この警視総監は本郷猛 / 仮面ライダー1号と思っていただいて結構です」と、公開当時の雑誌インタビューで答えている。
テレビシリーズに先駆けてアギト バーニング・シャイニングフォーム、エクシードギルスが登場している。
テレビではCSの東映チャンネル、パーフェクトチョイスで放映されたほか、2003年12月31日にはテレビ朝日の8時から9時25分(JST)の時間帯にて、地上波初放映された。
自衛隊員が警備する超能力開発研究所をアンノウンの群体が突如襲撃。加原紗綾香と本木レイの二人だけを残して研究所は壊滅してしまう。紗綾香とレイはストリートチルドレンとなり懸命に生きていた。
その数か月後、警視庁G3ユニットに陸上自衛隊一等陸尉の深海理沙が研修生として配属される。彼女は小沢澄子が装着者を100パーセント死に至らしめる危険性から封印していた禁断の対アンノウン装備G4システムに関する極秘ファイルを入手し、さらにはG4システムと超能力者をリンクさせた究極の回避能力を得ようとするべく、次々と超能力者を“保護”しようとしていたのだ。
そして、暴走した深海の魔の手は、紗綾香を保護していた真魚へと及んだ。折しも、レイと街で知り合った葦原涼から深海理沙の居場所を聞いた津上翔一と氷川誠は、自衛隊のG4システム研究施設へ潜入する。
本作品オリジナルのG4についてのみ取り扱う。
正式名称、「第4世代型・対未確認生命体戦闘用強化外骨格および強化外筋システム(GENERATION-4)」。通称G4システム。劇中では水城史朗が装着する。警視庁の小沢澄子がG3の後継機としてG3と共に基本設計していた対未確認生命体用強化装甲服。実験中の些細な事故をきっかけにその危険性ゆえから設計段階で封印・破棄されていたが、深海理沙が尾室隆弘を利用して警視庁のデータバンクから破棄されず残っていた同システムの設計図を盗み出し、自衛隊で製作・完成された。
基本的なフォルムはG3とG3-Xに準じているが、基本カラーは黒で、複眼部ブルーアイザーの色はシアンである点や左胸部のエンブレムの差異などがG3ならびにG3-Xとは異なっている。また現場への出動に際しては陸上自衛隊の制式ヘリコプターであるベル 205Bを使用するため、バイクは配備されていない。
性能面は最新型であるG3-X以上で、武装面も強化型を使用しているため、アンノウンやアギトをも凌駕する戦闘能力を発揮する。しかしその反面、被装着員をAIが完全支配し、装着員の自由意志や運動能力、肉体限界を一切無視して常にその状況において最善とされる動作を行うため、使用を続けると身体への過度な負担で装着員は死亡するという危険性を有している。加えて装着員の死亡後もAIによりある程度行動でき、防衛を目的とした「装着者がスーツを操る」G3システムや「スーツと装着者が相互操作の関係にある」G3-Xシステムに対して、人間が操る装甲服という以上、人間を一つのパーツとみなして運用し、人間の限界を超えたパワーを引き出す攻撃を主とした非人道的なシステムとなっている。
また、新プロジェクションとして予知能力者の能力を研究応用したESPシステムとリンクさせることで時間をも超越し、敵の攻撃予測をすることが可能。しかし、この場合は負担は超能力者にもおよび、結果的に兵士よりも補充の難しい超能力者をも消耗品として扱う非人間的なシステムとなっている。さらにこのシステムの作動中は、超能力者の念波によってアンノウンが引き寄せられてしまうという欠点もある。事実このシステムを使用したことでアントロードの大群が自衛隊のG4基地を襲撃し、G4基地の人間のほとんどが殺されてしまう事態に陥っている。
グンタイアリに似た超越生命体。主に集団で行動する。いずれもテレビシリーズには登場しない、本作品オリジナルのアンノウンである。
後年制作された『仮面ライダーディケイド』のテレビシリーズでは、バッファローロード・タウルス・バリスタの配下、劇場作品の『オールライダー対大ショッカー』では大ショッカーの配下として登場。
劇伴BGMは「仮面ライダーアギト ミュージック&ソングコレクション(日本コロムビア COCX-31540)」に収録されている。
2001年が仮面ライダー生誕30周年記念の年になることから、テレビシリーズ企画中の2000年秋ごろから劇場版の制作が検討され始め、第1話放送の翌日に正式に制作が決定した。
まずタイトルが先に決められ、そこから膨らませる形で内容が創られていった。「ESPクイズ」は、本作品の打ち合わせ中にプロデューサーの白倉伸一郎へ送られてきた迷惑メールが元になっている。
クライマックスは映画公開までシークレット扱いとなっており、脚本も分冊化してシャイニングフォーム登場以降はごく一部の関係者にしか配布されないなど徹底されていた。
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