笙ヶ岳(しょうがたけ)は、岐阜県大垣市(旧養老郡上石津町)にある、養老山地の最高峰の標高908.3mの山。山頂には四等三角点が設置されており、一帯は揖斐関ヶ原養老国定公園に指定されている。
山頂部には、ミズナラ・ブナ・栗などの広葉樹林が広がっている。北側の斜面は、一之瀬林道などの敷設に伴い、自然林が伐採され、杉などの針葉樹の植林地となっている。山頂からは北側の展望が開け、美濃の市街地(大垣市や岐阜市)や白山が、裏山と表山の奥に見渡せる。山頂の東側にある小ピークからは、西側の展望も開け、琵琶湖北部そして間近に伊吹山を望むことができる。
養老山地は、石灰岩質の山であり、南部の石津御嶽の北側などの場所では、石灰岩の採掘が行われている。周辺の山の藤原岳や伊吹山でも、盛んにセメント材料となる石灰岩が採掘されている。
笙ヶ岳は、養老山地の北端に近い位置にあり、気象観測点のある関ヶ原に近い。このため、特に冬は、太平洋側の気候というよりは、日本海側に近い気候となっている。年によっては、山頂部で1mを越える積雪量となることもある。
養老の滝の上の駐車場入口の脇の林道ゲートが登山道の入口で、この林道に沿って登っていく。
この養老の滝の下流には、日本の名水百選に指定されている菊水泉がある。
標高610m辺りまで登っていくと、旧道(もみじ峠への近道)への入口分岐がある。
林道を直進した場合は、林道終点のアゼビ平で養老山頂遊歩道に合流する。2つのコースはもみじ峠で合流する。
もみじ峠から一旦下ると休憩用のベンチがあり、さらにその先で、大洞谷からの登山道に合流する。大洞谷を上流に向かってしばらく進むと、大洞谷源流部の渡渉点がある。
このあと、笙ヶ岳の南側を回り込むように進んでいけば、東西2つのピークをもつ鞍部に到着する。その途中には、岩を積み上げた炭焼き窯の跡がある。鞍部から西に少し登れば、三角点のある笙ヶ岳頂上へ到着する。大多数のハイカーが、この養老公園からのルートを利用している。
一等三角点のある養老山へも足を運ぶ例がある。もみじ峠と養老山の途中にある小倉山の頂上園地の東屋からは、笙ヶ岳や鈴鹿山脈の霊仙山などを望むことができる。11月の初旬頃には、笙ヶ岳の山腹は広葉樹林が鮮やかに紅葉する。
春先には、笙ヶ岳の山頂付近では、スミレ、カタクリやイワカガミなどの花々が見られる。このコースは、初級から中級者向き。
西側の国道365号の旧上石津町役場のすぐ北側から、大洞谷林道へ入る。途中に林道のゲートがあり、一般車両は進入できない。林道終点である標高540mの地点が、登山道入り口である。
何度かの大洞谷の渡渉を繰り返すと、東側から来た養老公園側からの登山道に合流する。以後は養老公園コースと同様。このコースは中級者向き。
また大洞谷林道の途中から、笙ヶ岳の南側の斜面をトラバースするバリエーションルートも存在している。
大洞林道のさらに北側の一之瀬から一之瀬林道を進む。林道終点(標高815m)からは、南南西に向かって踏み跡の少ない稜線を進む。稜線に西側が、針葉樹の植林地となっている。
最初のピークは、標高約890mの笙ヶ岳の東側の小ピーク。西側へ一旦下ると、大洞谷からの登山道と合流する鞍部がある。 さらに鞍部から西に少し登れば、三角点のある笙ヶ岳頂上へ到着する。このコースは上級者向き。
表山(標高838.5mの三角点がある山)の東尾根を、養老公園側から取付く。
表山から一旦西に向かって下り、標高870mの裏山まで登り返す。この表山〜裏山間は、クマザサなどの笹やぶに覆われ、ルートの見極めが難しい。
この裏山の頂上は、周囲に高い木がないため、360度の展望が得られる。裏山の頂上から南南西に進むと一之瀬林道コースの終点に合流して以後は一之瀬林道コースと同様。このコースは上級者向きで、最も難易度が高い。
山腹では、ニホンジカ、ニホンザル、ノウサギなどの動物が生息している。
養老公園のすぐ東側には、養老鉄道養老線の養老駅がある。
最寄りのインターチェンジは、名神高速道路の大垣インターチェンジである。
養老公園から養老の滝の途中には、株式会社養老ロープウェーの一人乗りの観光用リフトがある。
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