厚狭駅(あさえき)は、山口県山陽小野田市大字厚狭字沖田にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅。
山陽新幹線と、在来線は当駅の所属線である山陽本線、当駅を起点とする美祢線の3路線の接続駅となっている。宇部線・小野田線・美祢線の運行管理を行うCTCセンターである、広島総合指令所厚狭派出が併設され、宇部・小野田地区の列車運行の中枢となっている。なお、山口地域鉄道部の設立に伴い、山陽本線における下関地域鉄道部の管轄駅は当駅から下関側となったが、2019年に両鉄道部は山口エリア統括部の発足に伴い廃止されている。事務管コードは▲800652を使用している。
山陽新幹線の駅は1999年に開業しており、山陽新幹線では最も新しい駅である。新幹線駅の開設から2023年3月18日ダイヤ改正後の現在まで、山陽新幹線の駅では唯一定期列車で『こだま』以外が停車しない駅である(臨時列車に限れば2014年度に下りの『ひかり』と『さくら』の停車はある)。駅のある山陽小野田市では『ひかり』の停車に向けた働きかけを行っているが、2006年12月13日の山陽小野田市議会で、当時JR西日本が同駅へのひかり停車を「実現不可能」なDランクに位置づけていることが明らかにされている。
貨物取扱は1984年(昭和59年)以降行われていないが、2013年までは美祢線と山陽本線宇部方面を直通する貨物列車が存在したため、機関車の付け替え作業などが行われていた。かつては、山口県内で貨物列車を牽引するディーゼル機関車の拠点である、幡生機関区厚狭派出が併設されていた。
在来線は4面5線の地上駅。本来は4面7線のホームを持つが、5番のりば(6番のりば反対側、山陽上り待避線)、8番のりば(7番のりば反対側、山陽下り待避線)は線路の使用が停止され、前後のポイント撤去により本線から分離されている。原則として山陽線は下り列車(下関方面)が7番のりば、上り列車(新山口方面)が6番のりば、美祢線列車は1番のりばを使用するが山陽線の一部列車は2番のりば(元々は美祢線の予備ホーム)を使用している。4番のりばはホームのない中線で、貨物列車が使用する場合がある。かつては1番のりば東側の切り欠き部に0番のりばが設置されており、美祢線用ホームとして使用されていたが、現在では線路が撤去され、ホームにも柵が設置されていて立ち入りできなくなっている。ホーム間の連絡は跨線橋を使う。在来線のホームにエレベーターやエスカレーターは無かったが、2024年4月1日、山陽本線新山口方面6番のりばと下関方面7番のりばにエレベーターが設置された。そのため、在来線口を除き、新幹線口ならびに山陽新幹線や一部を除いた6・7番のりば発車の大半の山陽本線の利用においては、階段を使わずに行き来できるようになった。
山陽新幹線は内側に上下通過線を挟む2面2線の高架駅。高架橋の側壁が最低限しか削られておらず、大部分が残っている(後に開業した上越新幹線本庄早稲田駅にも同じことが言える)。ホームそのものは16両編成対応となっているが、駅開業時点では16両編成で停車する列車は上下各1本のみで、大半の列車は4・6両編成だった(現在は8両編成のみ)ため、屋根は6両分しかない(新幹線口の写真参照)。
駅舎は新幹線口(南口)と在来線口(北口)の2つ。両改札口と在来線各ホームは跨線橋で連絡している。
新幹線口(南口)は1999年の山陽新幹線開設時に設けられ、新幹線改札・乗り換え改札は自動改札機が設置されている。また、入口と改札階との間、改札階と新幹線ホームとの間にはエレベータがある。新幹線ホームと改札階の間には上りエスカレーターがある(下りエスカレーターは無い)。
在来線口(北口)の改札口から新幹線ホームへ向かう場合は、一旦在来線コンコースの跨線橋を通り抜け、新幹線口(南口)の乗り換え改札を通ることになる。そのため在来線口の改札口にはICカード簡易読取機が置かれているが、これは山陽新幹線のEX-ICおよびスマートEXの利用客用で、ICOCA用とは別途設置である。
直営駅であり、新幹線口にみどりの券売機プラス、在来線口にみどりの券売機が設置されている。
1日の平均乗車人員は以下の通り。山陽新幹線の在来線併設駅の中では最も乗車人員が少ない(新幹線単独駅を含めると、新岩国駅、新尾道駅、東広島駅に次いで少ない)。
駅開設時からある北口は旧・山陽町の中心市街地となっており、駅前に三年寝太郎の銅像が立つ。一方、南側は山陽新幹線停車前は改札や自由通路がなかったこともあり、市街化はされず基本的には田園風景が広がっていたが、新幹線駅開業後に土地区画整理事業が施行され、2009年度に完了した。駅の東側は厚狭川が流れている。
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