![瞬獄殺 瞬獄殺](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
瞬獄殺(しゅんごくさつ)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の技である。
『ストリートファイター』シリーズに登場する大技の一つ。作中では豪鬼や殺意の波動に目覚めたリュウなどの「殺意の波動」と呼ばれる特殊な力に目覚めた者だけが使用できる。その極めて特徴的な技の性質と演出から、『ストリートファイター』シリーズだけでなく、他の漫画やゲームなどにも影響を与えている。
この技が初めて公表されたのは、『スーパーストリートファイターII X』において豪鬼が登場する際にベガを一瞬で倒す演出として使用された際である。後にこの演出を必殺技にせよという業務命令により、誕生した。初登場時は技名が不明だったため、プレイヤーの間では主に「ベガ殺し」という通称で呼ばれていた。プレイヤーが使用できるようになったのは、『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』)と『ストリートファイター ザ・ムービー』(以下『ザ・ムービー』)からである(この2作品はほぼ同時期に稼動を開始した)。これらの作品では、まだ「瞬獄殺」でKOしても「天」の文字は背景には出ない。『ザ・ムービー』における「瞬獄殺」は他の作品とは形態や性能が大きく異なるため、以下は現在のベースとなった『ZERO』の「瞬獄殺」をもとに記述する。また、本項では特記のない限り豪鬼が使用するものについて述べる。
細かい部分は作品によって異なる。なお、技をかける側が甲、かけられる側が乙とする。
技の暗転中は具体的にどのような攻撃を加えているのか不明だが、一部タイトルにおいて以下のような解釈がなされている。
『ZERO』でのコマンドは「弱パンチ・弱パンチ・レバー前・弱キック・強パンチ」の順に入力するという、当時の2D対戦型格闘ゲームの必殺技コマンドとしては特殊なもので、後のほとんどの作品でも引き継がれている。これは『ヴァンパイア』でモリガン・アーンスランドの使用するEX必殺技「ダークネスイリュージョン」と同じコマンドとなっており、「瞬獄殺」という技名が判明していない当時は、同技をもじってファンから「豪鬼ネスイリュージョン」と呼ばれたりもした。また、『ヴァンパイア』シリーズでも同じく連続入力式コマンドの技には、「通常キャンセルできない通常技、特殊技を強制的にキャンセルして出せる」という特性が備わっており、この技も同様である。なお、作品によってはコマンドの一部が省略可能になっていたり、コマンド自体が異なる場合もある。以下は一例。
この技でフィニッシュを決めた場合は以下の特殊演出が発生する場合がある。
また、この技でフィニッシュを決めた場合、上記の動作の後一旦ニュートラルに戻ってから改めて勝利演出に移行するものと、その状態のまま勝利演出に移行するものとがあり、主に初期の頃(『ZERO』シリーズなど)は前者、以降(『ストリートファイターIII』シリーズなど)は後者となっている場合が多い。
基本は掴み技のため、連続技に組み込むことは不可能であるが、『ストリートファイターIII』シリーズにおいては反転のけぞり(背中を向ける)中の状態であれば掴むことが可能で、連続技として成立する(ただし、コンボ補正がかかるために威力は低下する)。それ以外では『スーパーストリートファイターII X REVIVAL』や『ZERO3』(『ZERO↑』含む)においての真・豪鬼の使う「瞬獄殺」はガード不能の打撃投げ扱いのため、のけぞり中およびガード硬直中でも掴むことが可能である。また『ウルトラストリートファイターIV』のオメガエディションでもガード不能の打撃投げ扱いとなり、コンボとして掴めるほか吹き飛び相手を掴めるため豪昇龍拳や竜巻斬空脚など、地上から出せるあらゆる攻撃、必殺技のヒット後でも「瞬獄殺」が成立する。
また、『ZERO』と『X-MEN VS. STREET FIGHTER』では、決めた直後に追い討ちが可能である。
基本的にはゲージのストックを全部消費する(3本以上のストックが可能なタイトルでは3本消費する、『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』のS-GROOVEおよびN-GROOVEでは超必殺技が使用可能な条件の双方を満たす必要がある、といった例外もある)が、『X-MEN vs. STREET FIGHTER』においては他のハイパーコンボ同様、ストック1本で使用が可能となる(阿修羅閃空の移動距離は他作品より短く、2キャラ分)。
『ザ・ムービー』と家庭用『サイバーボッツ』のものはガード可能な連続攻撃技となっており、攻撃中の暗転もしない。『ザ・ムービー』ではコマンドそのものが大きく異なり、その場で連続攻撃を繰り出すというリュウの「真空みだれ打ち」に近い内容になっており、『サイバーボッツ』では相手に突進してロックした後に連続攻撃を繰り出す内容になっている。
『鉄拳7FR』では「真・瞬獄殺」をレイジアーツとして使用する。体力減少時に一度しか使えないものの、「ガード不能の打撃投げ」の性能と「投げ・下段攻撃を含む全攻撃に対してパワークラッシュと同等の効果を得る」レイジアーツの性能を兼ね備えているため、相手の起き上がりやジャンプに合わせて発動させると、ほぼ必ず掴むことができる。
「殺意の波動」を身につけた者が使用できるという設定から、豪鬼以外では『ZERO』シリーズなどに登場する殺意の波動に目覚めたリュウも同じ技を使えるが、作品によっては「殺意の波動」とは関係ないキャラクターも類似の技を使用することがある。
これらのほか、『X-MEN VS. STREET FIGHTER』ではローグが必殺技「パワードレイン」で豪鬼の能力を吸収することにより、「瞬獄殺」をハイパーコンボとして使用可能になる。
非常に特徴的な技であるため、他作品のキャラクターがパロディとして使用するケースがいくつかあり、格闘ゲーム以外にも、「瞬獄殺」のエフェクトのモチーフにした技を使用した作品が存在する。
カプコン作品で例を挙げれば以下のものが存在する。
ゲームポータルサイト「IGN Japan」では、「豪鬼の代名詞とも言える」と評されており、ベスト必殺技の第1位に選ばれている。
お笑いタレント・ゲームクリエイターの野田クリスタルは、プレイヤーが使用できるようになった当時の「瞬獄殺」について、「コマンド入力がすごく難しいけど、これを出すためにみんなグニャグニャしていた」との旨を述懐しており、その光景をずっと思い描いていたことから、「技を出すためのコマンドが長すぎる」対戦型格闘ゲーム『コマンド長すぎだぜ!技 出なさすぎ君』を開発したという。
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