『テナント/恐怖を借りた男』(テナント きょうふをかりたおとこ、The Tenant、仏吹替え版はLe Locataire)は、1976年のフランスのサイコホラー映画。ロマン・ポランスキー監督、脚本、主演。ロラン・トポールの小説『幻の下宿人』を原作としている。
1976年5月に開催された第29回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映された。日本での劇場はお蔵入りとなり、1986年10月21日にビデオスルーとなった。2015年5月13日にDVDでもリリース。
ポーランド系の青年トレルコフスキーは、パリの古ぼけたアパートの一室を借りた。無愛想な管理人の婦人や貸主の老爺によれば、そこではつい最近シモーヌという女が投身自殺を行なったという。提示された礼金の高さに納得しないトレルコフスキーは、いまだ入院しているシモーヌの病室を訪れるが、彼女は恐怖にとらわれてトレルコフスキーの話すら意に介さない。シモーヌの友人として彼女を見舞ったステラとともに帰宅した彼は、アパートに一室しかないトイレからこちらを凝視する視線を感じる。そして転居祝いに訪れた友人たちの馬鹿騒ぎや、その後の空き巣騒ぎなどに敏感に反応する隣人たちに辟易する。ついにシモーヌの死を告げられたトレルコフスキーはそこから言い知れぬ悪意を読み取り、シモーヌもまた隣人の視線によって殺されたのだ、との妄想から逃れられなくなった。ステラすら信じられなくなった彼は女装してシモーヌの死への足跡をたどる。もはや彼には、この世のすべてが敵に見えるようになったのだ。
Rotten Tomatoesでは29個のレビューで支持率90%となった。
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