![ダイ・ハード/ラスト・デイ ダイ・ハード/ラスト・デイ](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/46/A_Good_Day_to_Die_Hard_-_TruSpeed_Porsche_997_GT3_Cup_1500x1000.jpg/400px-A_Good_Day_to_Die_Hard_-_TruSpeed_Porsche_997_GT3_Cup_1500x1000.jpg)
『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(北米題:A Good Day to Die Hard)は、ジョン・ムーア監督、ブルース・ウィリス主演による2013年のアメリカ映画。
初作から25年目、前作から6年ぶりに制作された、シリーズ5作目である。原題は、インディアンの言葉である「死ぬにはいい日だ(="It's a good day to die.")」をもじったもの。2013年2月7日には香港・シンガポール、そして2013年2月14日には全米・日本などで公開された。
なお、日本ではPG12指定を受けている。
モスクワで殺人を犯し逮捕された息子のジャックに会いに行ったマクレーン刑事が、ロシアの政治家の陰謀に巻き込まれ、父子で活躍する、というストーリーである。ジョン・マクレーンの息子、ジャックが登場する。わずかではあるが前作に引き続いて娘のルーシーも登場する。親子の絆を前面に打ち出した作品となっている。
前作で娘のルーシー役で出演したメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、当初は「自分は出演しないと思う」と語っていたものの、のちに出演する事が発表された。また、当初はコール・ハウザー演じるコリンズが悪役であるという報道もされていたが、実際はジャックの相棒役である。
キャッチコピーは、「運の悪さは、遺伝する。」。
なお、マクレーンがアメリカ国外での活躍を見せるのはシリーズ初である。
ニューヨーク市警察のジョン・マクレーンは、音信不通だった息子ジャックが、モスクワで殺人事件を起こして身柄を拘束されたことを知る。マクレーンは娘ルーシーに見送られ、モスクワへと渡る。
ジャックが出廷する裁判所にやってきたマクレーンだったが、裁判所は突如爆破され、混乱の中、逃げ出してきたジャックと再会する。だが、ジャックはマクレーンを突き離し、裁判の証人として出廷していた政治犯コマロフを連れて車で逃走する。実はジャックは『CIAのスパイ』であり、コマロフを救出、そして護衛する任務を負っていたのだった。
コマロフはロシアの大物政治家チャガーリンの犯罪の証拠を握っており、チャガーリンの謀略によって政治犯として捕らえられていた。ジャックから、チャガーリンの犯罪の証拠となるファイルと引き換えにアメリカへの逃亡を持ちかけられたコマロフは、娘イリーナも同行させるよう求める。コマロフを連れ、イリーナと待ち合わせしたホテルに赴いたジャックとマクレーンだったが、イリーナはコマロフを裏切り、チャガーリンの部下アリクとともにコマロフを拉致し、ヘリコプターで逃げ去った。
ジャックとマクレーンは、コマロフの持つファイルが保管されているチェルノブイリへと向かう。チャガーリンの過去の犯罪とは、核燃料である濃縮ウランの横流しであり、チェルノブイリ原子力発電所事故はそれが原因で起こったのだという。チェルノブイリで金庫を開いたコマロフだったが、そこにあったのはファイルではなく、大量の濃縮ウランだった。コマロフ父娘の目的は、この濃縮ウランを転売して大金を得ることであり、一連の出来事は全てコマロフの筋書きだったのである。
用済みとなったアリクを射殺しチャガーリンも送り込んだ暗殺者によって始末したコマロフは、イリーナとともに逃亡を企てるが、駆けつけたジャックとマクレーンによって阻止される。そしてコマロフはジャックに屋上から突き飛ばされ、下にあったイリーナの操縦するヘリコプターのテールローターに巻き込まれ、イリーナはヘリコプターもろとも墜落し、ともに死亡する。無事にアメリカに帰国したマクレーンとジャックは、ルーシーに暖かく迎えられた。
日米共に2013年の2月14日の公開を予定していた中、撮影に使用する予定だったセットが火災で全焼したことなどから、製作に遅れが発生。公開前月の1月まで撮影が行われていた。そのためアジア圏におけるプロモーションが全てキャンセルとなった。カーチェイスの撮影で使われた車の総額は1100万ドル(約10億円)。使った車は650台。その内132台は廃車処分となり、残り518台も廃車こそ免れたものの相当な修理が必要となった。撮影に使われたメルセデス・ベンツはメルセデス社から撮影用に無償で提供されたものである。
邦題はラスト・デイではあるがシリーズ最終作ではない。脚本家ベン・トレビルクックはすでに6作目の脚本の構想があることを発表している。
9200万ドルの制作費に対し、アメリカ国内での興行収入は6700万ドルとなり、全米記録としてはシリーズ最低となった。しかし海外では成功し、最終的に3億ドルを越える興行収入となり、これはシリーズ第3位の記録である。
全体的に評価は低く、Rotten Tomatoesでは199のレビューの中でわずか16%という評価であり、Rotten Tomatoesの数値としてはシリーズ最低の記録である。
日本の映画雑誌『映画秘宝』が発表した2013年度の映画に対するワーストランキング「HIHOはくさいアワード」では3位と評価された。
ウィリスは最終作となる第6作目の製作に興味を示しており、こちらも実際に企画されたものの、後にキャンセルされたことが発表された。ウィリスは、失語症と診断されたため2022年に俳優業を引退し、将来マクレーン役として復帰する可能性はなくなった。
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