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AIR-EDGE(エアーエッジ、旧表記AirH") は、DDIポケットが2001年6月1日から提供した、PHSのパケット通信を活用したデータ通信サービスである。サービス開始時の通信速度は32もしくは64kbpsであったが、最終的には約800kbpsとなった。
多くの場合はインターネット・サービス・プロバイダ (ISP) への無線アクセスとして利用されたほか、法人向けに企業LANへのインターネットを介さない閉域サービスを提供することもできた。常時接続ではなく、従来のダイアルアップ同様、オンデマンド接続であった。
2018年3月31日、ソフトバンクとウィルコム沖縄が、PHS事業の新規契約受付を終了、2021年1月31日にPHSの音声通話・データ通信サービスは法人向けテレメタリングプランを除いて全て終了し、それと共に本サービスも一般向けの提供を終了した。なお後述のとおり、2023年3月31日に終了した法人向けテレメタリングサービスの一部でAIR-EDGEサービスを使用していた。
このサービスを開始するにあたり、当時PHSサービスを提供していた他の事業者 (ドコモPHS、アステル) とは異なり、基地局のソフトウェアアップデートで済んだだけでなく、全国均一なサービスを提供していたため、サービス開始当初から現ワイモバイルのPHS (H") が利用できるほぼ全国のエリアで利用できた。移動体通信での定額データ通信サービスに先鞭をつけ、2004年に当時のウィルコムが世界に先駆けて導入した音声通話用端末でのフルブラウザ定額制も本サービス無くしては実現し得なかったものであり、2005年の音声通話定額制の導入と共に音声端末での契約が激減していた同社が復権する原動力となった。他方、基地局への新プログラムを追加していく過程で、メモリ容量を確保するため、需要のなくなった古いサービスのプログラムは一部、削除された。
エアーエッジが利用できる端末には、PCカードやCFカードなどの形状をしたデータ通信専用の端末と、音声通話用の端末でエアーエッジに対応したものがある。前者には、PC・PDAによる音声通話可能なものもある。後者は、当初の機種は専用ケーブルでPC等と接続した場合にしかエアーエッジは利用できなかったが、2003年4月に端末でのメールやネット閲覧による通信もエアーエッジで行うようにした「AIR-EDGE PHONE (エアーエッジフォン)」が登場した。また、エアーエッジをモジュールとしてPCなどに内蔵した「AIR-EDGE IN (エアーエッジイン)」というものも存在するほか、法人向けのテレメトリングにも用いられている。
基本的なターゲットは屋外でノートパソコンやPDAなどを用いたモバイル通信を行なうユーザーで、人口カバー率99%以上というウィルコムの完成されたエリアを重視する層であった。他方、エリアの面展開は出来ないがより高速な通信が必要で、スポット的に喫茶店などで使えればよいという当時のユーザーには公衆無線LAN (Wi-Fi) という別の選択肢があり、ウィルコム自身が無線LANサービスのオプションを提供していた。
2005年2月2日にDDIポケットがウィルコムへ社名変更した際、エアーエッジの表記も「AirH"」から「AIR-EDGE」へ変更された。
エアーエッジは、従来PHSで利用されていたデータ通信方式のPIAFS等と異なり、パケット通信を行っている。このパケット通信のみを利用する通信方式である パケット方式 と、従来型の回線交換通信を用いたPIAFSとパケット通信とを自動切換えすることにより併用する通信方式の フレックスチェンジ方式 とがある。通信端末および料金コースによって各通信方式に対応・非対応が異なるので、利用したい通信方式に応じて機種と料金コースとを選ぶ必要がある。下記の料金コースはデータ通信向けの料金コースのみを記し、音声通話向けコースのオプションサービスは省略する。
エアーエッジのサービス開始当初から32kbpsを超える速度が利用可能だった通信方式である。パケット通信とPIAFSによる回線交換通信を自動切替する通信方式は「フレックスチェンジ方式」と呼ばれ、これは「ネット25」でのみ利用できた。この方式では、通信負荷に応じて、後述の1xパケット通信と最大64kbpsの回線交換通信とを自動的に切り替えるというものである。なお、回線交換通信もベストエフォート (PIAFS 2.1ないし2.2) なので、基地局の混雑によって32kbpsで通信している場合もあった。フレックスチェンジ方式対応の通信端末が必要。
パケット通信のみ利用する通信方式は「パケット方式」と呼ばれ、サービス終了時における「1xパケット方式」からサービスが開始した。次いで本多エレクトロン (当時) が提案した同「4xパケット方式」を開始したのちに、2005年2月18日には「AIR-EDGE[PRO]」として「8xパケット方式」を開始した。通信速度は下り最大で32kbps・128kbps・256kbpsとなっており、この時点まではW-OAMのような通信方式の高度化は行わず、PIAFS 64kbpsのように単純に基地局の利用リソースを多く消費することによって速度を向上させていた。各方式ごとに加入が必要な料金コースが異なり、8xパケット方式の利用には「新つなぎ放題」もしくは「つなぎ放題[PRO]」「ネット25[PRO]」「パケコミネット[PRO]」、4xパケット方式の利用には「つなぎ放題[4x]」もしくは「パケコミネット」「ネット25」、1xパケット方式の利用には「つなぎ放題[1x]」の加入が必要だった。なお「x」と言うのは束ねるリンク数の最大値の事であり、利用者からアクセス可能な基地局や混雑状態に応じて通信速度が変化する「ベストエフォート方式」である。
2006年2月1日には、高度化PHSであるW-OAMの導入により、各パケット方式はそれぞれ51kbps・204kbps・408kbpsに高速化されたが、それと同時に64kbbps (W-OAM非対応の場合) ないしは102kbpsで通信が可能な2xパケット方式の導入と1xパケット方式に対応した料金コースで2xパケット方式の利用を可能とした (料金コースの改名も含む) ため、「料金そのまま、速度3倍」としていた。更なる高度化を実施したW-OAM typeGを2007年春に開始するとアナウンスされ、対応したAX530INが4月5日に発売されたが、基地局回線の光IP化が未了であり、ISDNのままであったのため8xパケット方式であっても512kbpsどまりとなっていた。京セラでは11月9日に光IP化対応基地局の量産を開始しており、2008年2月16日にサービス開始の山形県新庄市の本合海地区の基地局では、当初より光IP化された基地局が設置された。
DDIポケット (当時) がエアーエッジのサービス開始に向けて開発したPHSパケット通信は、PHSの1チャンネル (搬送波) に4スロットあるタイムスロットのうちの制御スロットを活用するという物だった。この制御スロットは5%くらいしか使用されておらず、この制御スロットに関連付けていたISDN回線も結果的に利用率が悪いものとなっていた。これらを有効活用すべく開発された。
多くのパケット通信では通信量に応じた課金となるが、料金コース「ネット25」および「ネット25[PRO]」ではパケット方式の通信であっても接続時間に応じた課金となる。ネット25は法人契約の場合、全社員の利用分を合計した後の課金となるため、ごく一部のユーザが1月に25時間以上つないでも全体としては基本料金以上の課金がされないことが多かった。ウィルコムは、エアーエッジが簡単には切断されない一方で、強制切断や切断認識のサイクルが複雑化していることから、端末側での体感と課金システム上の接続時間は精密には一致しないことを注意喚起していた。
各通信方式の間の切替は、PPPダイヤルアップ先の手動切替による。プロバイダのアクセスポイント電話番号の最後に、下記の記述子をつけて電話機より発呼する。##で始まる番号を含めてアクセスポイント番号だと思っているユーザが多いが、実は##以降は電話番号の一部ではなく、電話機に対して通信方式を指定するATコマンドである。通信方式については、次のような規則により切替えられる。なお、実際の電話番号やダイヤルアップ記述子については、ウィルコムや接続先プロバイダのウェブサイト等を参照のこと。
なお、多くの機種はPIAFS通信にも対応しており、##4でコールするが、エアーエッジサービスの定額料金制の範疇外となってしまうため、パケット・オンリーの設定を依頼すると、PIAFSではつながらなくなり、誤用を防止できた。エアーエッジがIPにしか対応していないのと異なり、PIAFSであればX.25を含む、その他のデータ通信形式も利用できた。
エアーエッジはパケット通信を行っており、データ通信中にエリア外 (圏外) になり物理的なPHS無線回線が切断されても、ダイヤルアップPPPは仮想的に接続状態が保持 (ドーマント状態) される。これにより、一定時間後にエリア内 (圏内) に戻れば、ユーザから見てダイヤルアップPPPが切断されることなく、データ通信を継続することができるという特徴があった。これにより、通信中のセッションが切断されにくいという意味で安定したデータ通信が可能であった。
(通則)
各コースで利用できる最大通信速度および料金は、それぞれ次の表のとおりである。
(表注)
(料金コース)
基本的にAIR-EDGEの使用時 (後述のAIR-EDGE PHONE等については別途後述する) は、AIR-EDGEの回線契約 (および通信料) とは別に、ISPとの契約 (および接続料) が必要だった。
このISPについては、WILLCOMの公式ISPサービスであるPRINや、それ以外のISPも別途プロバイダ契約が必要となるが利用可能である。なお、既に自宅などで固定回線にISPを利用している場合には、当該ISPが提供するAIR-EDGE接続サービスを利用すると、場合によっては割安または無料となる場合があった。
エアーエッジでは、高速化サービス「MEGA PLUS」を利用することで、専用サーバを介し、画像を含むデータを圧縮し通信容量を低減した形で通信が可能になった。パソコンに専用クライアントソフトをインストールする必要があった。対応OSはWindows/Mac。圧縮対応プロトコルはHTTP/HTTPS/POP3/IMAP/SMTP/FTP/RTSP (一部OSでは非対応プロトコルあり)。月額利用料は500円・税込で、[PRO]の付く料金コースは無料となった。
なお以前は「トルネードweb」(Venturi Client for AirH") として無料提供されており、その改良版として有料提供されたもの。また、2005年1月当初、つなぎ放題/[4x]での月額利用料は1050円・税込に設定されていたが、ユーザからの不評などにより、同年9月に500円・税込に統一されたうえ、開始当初から価格改定の間まで無料キャンペーンが継続されたため、幻の料金となった。
このサービスは利用者数の減少により、2010年12月31日をもってサービスを終了することが発表されている。現在利用中のユーザーには他社の類似サービスへの案内を行っていた。
この項では2000年代後半の競争環境における課題と展望を記す。
2006年2月23日、高度化PHS規格「W-OAM」の導入により、W-OAM対応通信時に最大408kbpsを、また、2007年4月5日の「W-OAM typeG」の導入により、最大512~800kpsを実現していた。通信速度に係るその他の詳細は前述を参照。
よってW-CDMA方式による第3世代移動通信システムの標準的な1ユーザ当たり速度 (ユーザレート) 384kbpsを上回る数値を、理論値ではあるが達成していた。
AIR-EDGEは一時期、理論値と比べ遅いという評判が立ったが、これは主として、通信パイプの太さの示す「帯域」が足りないことではなく、一瞬、体感できるほどの反応の遅れ (遅延) があることが理由だった。遅延は、網内のアルゴリズムの改善で、大幅に解消された。また、Venturiを用いた高速化サービスは、PCにプロキシ設定を施すものであるためIPsecクライアントソフトとの相性が悪く、最悪のケースでは社外からLANへの接続ができなくなる場合があった。
一方、第3世代移動通信システムでも、第3.5世代移動通信システムと称する2Mbpsや、それ以上の下り通信速度となるものが、一部でサービス提供中である。これらは、1つの携帯電話基地局にアクセスが集中すると速度が落ちるという欠点がある。というのも、この「2Mbpsやそれ以上の通信速度」というのは、通常、「1つの基地局が通信できる最高速度」 (セルスループット) または、「基地局のセル中の一定角度方向のセル内の部分である1セクタ内で通信できる最高速度」 (セクタスループット) であり、それをこの基地局を利用するユーザーで共用するためである。また、携帯電話では、通常、1基地局あたりのカバーエリア (セル半径) が広く (マクロセル)、結果的に収容ユーザ数が多くなるため、セル半径の小さい (マイクロセル) PHSによるエアーエッジと比較して、混雑時のユーザレートの速度低下が顕著になりうる、と言う事をウィルコムでは広告のアピールポイントとして謳っていた。
対して、PHSは通信チャネルがFDMとされ、日本ではPHS用の帯域内で数10チャンネル (公衆用) の割り当てが可能である。基地局はDCA (Dynamic Cell Assign) により自律分散型で通信チャネルの周波数割り当てを行う。よって通信チャネルの周波数が異なれば、基地局のセルを干渉を起こさずにオーバーラップさせる事は容易である。以上から、単位面積当たりの総スループットについては、マイクロセルによるPHSと、典型的なマクロセルによる3G・3.5G携帯電話とを比較すると、理論上は最大で2桁程度、前者が高くする事が可能である。 (実際に、高トラフィックな大都市中心部では、それに近いようなレベルで高密度な基地局設置がなされている。
これに対して、携帯電話事業者では3.5G等のさらなる高速化や、周波数利用効率の向上を目指して開発を続けている。また、定額制サービスの提供にあたっては、輻輳対策として、一部のネットワークアプリケーションの制限や、転送量により速度制御を掛けるなどの対策を取る事業者もある。
通信端末をパーソナルコンピュータ (PC) に接続または内蔵して利用したような場合には、音声端末などによる場合と比較して、通信する総データ量が著しく大きくなる (1桁以上) ことが知られていた。
2009年1月時点の日本国内で、PCに接続した場合にも料金定額制となるのは、以下のサービスのみであった。
ただし、2005年7月25日より、MVNOによる法人向けVPNアクセス回線限定ながら、ボーダフォン (現ソフトバンクモバイル) の第3世代携帯電話 (3G) 回線でのPC等外部接続の定額制が日本通信より提供開始された。
典型的な第3世代携帯電話やその事業者 (NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイル) では、1000万人単位の端末単体通信ユーザを抱えているため、混雑時の速度低下や電波帯域の不足、投下設備資本の回収上など問題から、PC定額制の導入が大幅に遅れたと見られている。各社とも、2007年春前後、PDA限定の定額制を一部導入し、 (Biz・ホーダイ、PCサイトダイレクト等)、さらに3.5Gインフラの拡大や、プロトコル制限・転送量制御などの適用により、導入に踏み切っている。
PHSが早期にPC定額制を実現できているのは、設備投資の点でも携帯電話より安価な上、マイクロセル方式によりトラフィックを分散できるためである。
2007年末までに、イー・モバイル、NTTドコモに続いてKDDIが、PC接続での定額制データ通信サービスへ参入し、この分野での競争激化の本格化が予想されている。他方で、スマートフォンのデータ通信量の負担に耐えかね、定額料金制を本音ではやめたがっている携帯電話事業者は少なくないと見られる (実際に、各社のLTEサービスでは、一定のパケット容量を超えた場合は、速度制限がかけられるケースがほとんど)。
なお料金制度に関しての詳細はパケット定額制、モバイルデータ通信定額制の各項目も参照のこと。
2005年より、主要電話局にITX (IP Transit Exchange、IP中継交換機。NTT東西回線をバイパスする装置。) の導入が進められており、高トラフィックの都市部に概ね導入されていると言う。ITXにより、バックボーン回線をウィルコムが構築したIP網に切り替えた上で、将来的に各基地局に光ファイバーを接続。現在は1チャンネルあたり51kbpsの通信が可能で、変調方式の高度化 (QAM) により、これを最大96~100kbpsまでに高速化。これを最大16本束ねることで1.5Mbpsのサービスを提供する計画とされていた。 (W-OAMの項目も参照)
参考:ウィルコムインタビュー「2つのアプローチで体感数Mbpsを目指す」
2007年以降、次世代PHS等の試験や免許取得に向かうが、モバイルブロードバンドであるイー・モバイルやUQコミュニケーションズの参入が相次ぎ、また2009年には経営破綻、経営再建となり、以降は3.9G、4GやLTEの普及により、急速に競争力を喪失した。
エアーエッジサービスの一つとして、また音声端末の一種別として、2003年4月1日からウィルコム (旧DDIポケット) が開始したもの。旧表記:AirH"PHONE。
なお、2005年~2006年冬モデル以降の、WXシリーズ端末は、「AIR-EDGE PHONE」を名乗っておらず、音声端末によるウェブブラウズサービスについても「公式サイト」 (WXシリーズや、WS009KE,WS018KE,WS023Tなど) ないしは「ウィルコム公式サイト」 (主に、スマートフォン) と名乗っているが、その直接のかつ事実上の後継機種である。よって、本項目では便宜上、AIR-EDGE PHONEに含めて取り扱う。
従来の端末はPCカードやCFカードタイプのものか、対応音声端末にPCやPDAなどをケーブルで接続した場合のみ通信回線としてエアーエッジが利用できるというもので、これをエアーエッジ端末単体で音声通話・Eメール・ウェブブラウザが利用できるようにしたものである。
端末単体で通信 (ウェブ・メール等) する場合も、「つなぎ放題コース」の契約でPCとケーブル (USB) で接続し、エアーエッジ対応ISPに接続して通信した場合も、いずれも同じく完全定額制となった。このような利用方法が可能な端末は現在のところエアーエッジフォンとイー・モバイルの電話端末のみである。携帯電話のパケット定額制は前述のサービスを除き、端末単体でのみ有効で、PC等と接続した場合は、通常は従量課金対象となった。
AIR-EDGE PHONEによる通信は、 (リンク数が) 最大4xパケット方式となり、最大通信速度は標準で128kbps、W-OAM時は204kbpsとなった。1xパケット方式のみ対応の端末では32kbpsまで。対応端末ではフレックスチェンジ方式による通信も可能。2007年現在、8xパケット方式による通信は利用できなかった。
なおAIR-EDGE PHONEの基本仕様としては次のものがあり、全てのAIR-EDGE PHONE (および後継機種) に共通して搭載されていた。
サービス開始時に発売されたのは、日本無線の端末「AH-J3001V」「AH-J3002V」の2機種である。この端末では、一部のiモード用ウェブサイトの閲覧も可能な「cHTML」に対応したブラウザ (Compact NetFront) や、POP3/SMTP対応のEメール送受信機能等を搭載する。端末単体およびPC接続等のいずれのデータ通信についても「完全定額制」の選択が可能なことから、発売開始から一部では高い人気を博した。
2004年5月14日には京セラの端末「AH-K3001V」がラインナップに追加された。この端末ではデジタルカメラや、PC向けのウェブブラウザ「Opera (オペラ)」を携帯電話・PHS用にチューニングした物が搭載された。5月の発売後は3日間で2万台以上を販売し、その後数ヶ月にわたって品不足が続くなどPHSでは近年まれに見るヒット商品となった。日本無線製端末と同様、内蔵ソフトウェアをユーザーがアップデートすることも可能となっていた。
2005年9月1日、AH-K3002Vが発売された。これはAH-K3001Vのカメラ機能を省き、代わりにセキュリティ対策として、リモートロック機能を搭載したものである。
AH-K3002Vまでの機種は、1xパケット方式のみ対応 (最大32kbps)。AH-J3003Sでは2005年2月以降のファームウェアの更新により、PC/PDAへの外部接続時の4xパケット方式通信 (最大128kbps) に対応した。
2005年~2006年冬モデルとしてWX310K、WX300K、WX310SA、WX310J、2006年~2007年冬モデルではWX220J、WX320K、WX321Jが発売。これらの機種は「AIR-EDGE PHONE」を名乗っていないが、事実上の後継シリーズであった。
WX300Kは2006年6月以降のファームウェアの更新により、4xパケット方式通信 (最大128kbps) に対応している(それまでは1xパケット方式のみ対応)。WX310シリーズでは、当初から4xパケット方式通信 (最大128kbps) に標準で対応していた。
WX220J/WX320K/WX321Jでは、4xパケット方式通信の他、W-OAMによる通信に標準で対応し、最大通信速度は標準で128kbps、W-OAM時は204kbpsとなった。
その他、2006年以降、WILLCOM SIM STYLEというW-SIM対応の各種端末もリリースされた。機種によって仕様は大きく異なるものの、AIR-EDGE PHONEの基本的な機能仕様については、各端末に概ね踏襲されている。
ウィルコム#通信端末の項目も参照。
基本的に、AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信 (ウェブ・メール等) をする場合には、ウィルコムが用意する端末単体専用のアクセスポイントを利用した。このセンターは、AIR-EDGE PHONEの名称使用時期には「AIR-EDGE PHONEセンター」と呼ばれていたが、AIR-EDGE PHONEの名称使用が控えられるとともに、単に「ウィルコム経由のパケット通信時」などと表現され、正式な名称は付かなくなった。なお、AIR-EDGE PHONE等で接続時に「CLUB AIR-EDGE」等と表示されるが、CLUB AIR-EDGEは正式には端末単体アクセス専用のポータルサイトの名称であった。#CLUB AIR-EDGE参照。
本項目では便宜上、この端末単体アクセス専用のアクセスポイントを「AIR-EDGE PHONEセンター」と呼ぶ。
AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信 (ウェブ・メール等) をする場合に、公式のAIR-EDGE PHONEセンターだけでなく、前述のAIR-EDGEで使用されるような一般のISPと接続して使用することも可能であった (別途、契約および接続料等が必要となった。例えば、Java VM搭載の機種では、公式以外のJavaアプリがAIR-EDGE PHONEセンター経由での通信を利用する事ができず、一般のAIR-EDGE接続用ISPとの接続・通信が必要となる。さらには、AIR-EDGEの範疇からは外れるが、PIAFS方式による回線交換接続すら可能であった。ISPのAPや、PIAFS対応の任意のAPに接続し、ウェブ・メール等のIP通信が可能。
さらに、AIR-EDGE PHONEを外部のPC/PDA等に接続して通信する場合には、前述のAIR-EDGEと同様の使用方法で、AIR-EDGE接続ISP等が必要となった。
これらの端末単体・外部接続の別や、アクセスポイントの別により、通信料等の課金体系が異なる場合があり、複雑である。もっとも、AIR-EDGE PHONEの端末単体の通信 (ウェブ・メール等) のみを利用するユーザは、何ら設定をしなくとも、ウィルコムが用意する「AIR-EDGE PHONEセンター」に接続するものであるから、その限りではなかった。
端末上でAIR-EDGE PHONEセンターに接続して使う場合、「高速化サービス」を利用することで専用サーバを介し、画像データ等を圧縮し通信容量を低減した形で通信が可能になるため、Webやメールでの体感速度が速くなった (月額利用料315円・税込)。なお、AIR-EDGE PHONEの名称を使用していた時期にはこのサービスの呼称も「AIR-EDGE PHONE高速化サービス」としていたが、その後、AIR-EDGE PHONE名称使用が控えられるとともに、この呼称も単に「高速化サービス」となった。
CLUB AIR-EDGE (くらぶえあえっじ) は、AIR-EDGEおよびAIR-EDGE PHONE利用者向けの、ウィルコムの公式ポータルサイトであった。
概略
なお、AIR-EDGE PHONE等では、アクセスポイントへの接続時に「CLUB AIR-EDGE」等と表示されることがあるため、CLUB AIR-EDGEが公式アクセスポイント (#AIR-EDGE PHONEセンターのように解釈されることも、公式・一般と問わず見られた。
intelligent H"とは、AIR-EDGE対応 (PC等に接続しAIR-EDGEとして使用可能) のfeelH"端末を、一時期そう呼称したもの。
なお、公式にはWXシリーズであり、AIR-EDGE PHONEのブランドは伴わない。
AIR-EDGEの通信機能も網羅する。
WILLCOM SIM STYLE端末については、W-SIMの項目を参照のこと。
プロバイダには、ADSLや光回線に加入しているとPHSの通信料金だけで使えるところと、ADSLや光回線の利用料金とは別にプロバイダ指定のAIR-EDGEコース等に加入してオプション料金を払わないと使えないところの2種類があった。全てサービス終了している。
など
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