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キリヴィラ語


キリヴィラ語


キリヴィラ語(キリヴィラご、英: Kilivila)もしくはキリウィナ語(キリウィナご、英: Kiriwina)とはパプアニューギニアのトロブリアンド諸島にて話されている大洋州諸語の言語の一つである。

分類

他言語との関係

キリヴィラ語はトロブリアンド諸島の東南東に位置するウッドラーク島で話されているムユウ語やさらにその東のラフラン諸島(Lachlan)のブディブド語と近い関係にあるとされる。

下位区分

キリヴィラ語にはBiga galagoki(またはBiga galagola)、Biga besagalaBiga galananiBiga galawalaの大きく分けて四種類の言語変種が存在する。グンター・ゼンフト(Gunter Senft)による本言語の解説書(1986年)の内容は基本的にBiga galawalaに準拠している。また明確に方言と認められるものとしては、キタヴァ方言(Kitava)などが存在する。

音韻論

音素

母音

また、二重母音として[ai], [au], [ei], [eu], [oi], [ou]の6種類が存在する。

子音

なお/l//r/、また/l//n/との区別が曖昧で両者が交代する場合がある。

アクセント

強勢は基本的にはポーランド語の様に最後から二番目の音節に置かれるが、以下の様にいくつかの例外も存在する。

  1. 最後の音節に強勢が置かれる場合。
    1. 最後の音節が「子音+母音+/m/」の組み合わせであるとき。
    2. 最後の音節の母音が二重母音であるとき。
  2. 最後から三番目の音節に強勢が置かれる場合。
    1. 語が「子音+母音+子音+[/i//u/]+子音+/a/」の組み合わせで終わるとき。但し、人称代名詞が要素に含まれる語はこの限りではない。
    2. 語が「子音+母音+/k/+/a/+[/l//n/]+/a/」の組み合わせで終わるとき。但しこちらも、人称代名詞が要素に含まれる語はこの限りではない。
  3. 特定の箇所を強調する場合。

文法

数および人称

数は単数・双数・複数の三種類の概念が存在する。また人称の概念が代名詞や接辞に影響を与え、一人称の双数および複数〈私たち〉には聞き手を含めるか否か(包括と除外)の区別が存在する。

動詞

動詞は基本的に人称や数を表す接辞を伴って表される。接辞が表す相は以下の四種類が存在する。

  1. 時制がない相。現在の動作を表す際に用いられる。
  2. 未来に起こる、あるいは起こりえる動作などを表す相。
  3. 主に完了した動作を表す相。
  4. 習慣的な動作や願望、反実仮想を表す相。

代名詞

近親者や人体の一部、また人体に付着しているものを表す名詞は接辞の形をした所有代名詞を伴って表される(例: kada- 〈母方のおじ〉 + -la 〈親密な度合いを表す三人称単数の所有代名詞〉 → kadala 〈彼の母方のおじ〉)。

この体系を含めて、キリヴィラ語には4種類の所有代名詞体系が存在する。

語順

SVO型とVOS型が優勢である。主語と動詞では「動詞-主語(VS)」、動詞と目的語では「動詞-目的語(VO)」の順が優勢である。

脚注

参考文献

  • R. E. アシャー、クリストファー・マーズレイ 編、土田滋、福井勝義 日本語版監修、福井正子 翻訳『世界民族言語地図』東洋書林、2000年。ISBN 4-88721-399-9
  • Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Kilivila”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/kili1267 
  • "Kilivila." In Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
  • マリノウスキー 著、高橋渉 訳『バロマ トロブリアンド諸島の呪術と死霊信仰』未来社、1981年。  (原論文: Baloma; the Spirits of the Dead in the Trobriand Islands, in Magic, Science and Religion. (1948) 
  • 崎山理「マライ・ポリネシア語族におけるブリ語(ハルマヘラ島)の系統」 『東南アジア研究』第7巻第3号、1969年、274-292頁。
  • Senft, Gunter (1986). The Language of the Trobriand Islanders. Berlin; New York; Amsterdam: Mouton de Gruyter. ISBN 0-88925-142-8. https://books.google.co.jp/books?id=_F9NDQvnXu0C&dq=Senft+Kilivila&hl=ja&source=gbs_navlinks_s 

関連書籍

  • Malinowski, Bronisław (1966). Coral Gardens and Their Magic, Vol. II. The Language of Magic and Gardening, 2nd ed. London.

外部リンク

  • ASJP - Wordlist Kilivila (英語) 2016年10月5日閲覧。
  • Ethnologue report for Kilivila (英語) - エスノローグ 2015年4月16日閲覧。
  • WALS Online - Language Kilivila (英語) 2016年10月5日閲覧。
  • キリヴィラ語のダイクシスにちょっと言及 指示代名詞は意外に奥深いーダイクシスの豊かな世界・語用論の展開 - YouTube【井上逸兵・堀田隆一英語学言語学チャンネル #93 】



Text submitted to CC-BY-SA license. Source: キリヴィラ語 by Wikipedia (Historical)


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