プライズゲームは、景品(プライズ)を獲得することをゲームの主目的としたアーケードゲーム。
後述の通り、必ず景品がもらえるゲームや、結果によって景品はもらえるが、景品獲得がゲームの主目的ではない物はプライズゲームとは呼ばれない。
プライズゲームは1960年代から様々な形態のものが存在していたが、1980年代後半に登場したセガの「UFOキャッチャー」の景品としてぬいぐるみが多く使われるようになってからブームとなり、ゲームセンターの収益源として重要な一ジャンルとなった。
なお、『プリント倶楽部』やカプセルトイ(ガシャポン、ガシャガシャ)、『甲虫王者ムシキング』等のように、必ず商品が出て来るものは、プライズゲームではなく自動販売機と定義される。
パチンコやスポーツの試合などの成果によって景品がもらえるゲームもプライズゲームとは呼ばれない。
筐体の製造・販売を行っているメーカーは、セガ フェイブ、バンダイナムコアミューズメント、ユー・エス産業、ユウビス、マーベラス、北日本通信工業、タイトー、コナミアミューズメントがある。バンプレスト、アトラスもかつては筐体の製造・販売を行っていたが、いずれも撤退している。、カプコン、バンプレストは景品の供給のみ継続している。
タイプとしては、おおよそ次のようなものがある。
このうち、2004年以降のゲームセンター業界のガイドライン(自主規制)で問題なく製造・運用が可能なのは「景品を直接獲得する」タイプのみであり、抽選機構などを設けることは出来なくなっている。
プライズゲーム機には、投入金額が設定された額に達するまで景品の獲得を不可能とするプログラムが組み込まれているものがあり、これらは俗に「確率機」と呼ばれている。「すぐに景品を取られると利益が出ないし、全く取れないと客足が遠のく。バランスに気を配っている」と、少なくとも数千円を使わない限り景品を得られない設定にしている設置店舗が存在する。
ゲームメーカーは「(プライズゲーム機は)景品を取れるかとれないかのドキドキ、ワクワク感を楽しむもので、景品の獲得を前提としていない」との見解を示し、この設定自体を規制する法令も存在しない。ただ、国・州によってはギャンブル関係の法規制に抵触する可能性がある。
なお、2017年に大阪の業者が、景品獲得が不可能な設定にした機器を使いながら、「絶対に取れる」と言って客から高額なプレイ料金を騙し取り詐欺容疑で摘発された際には、この機能も利用されていた。
日本国外でも所謂『確率機』は問題となっており、アメリカでは『KEY MASTER』に巡って開発元のKOMUSE、販売元のセガ、それぞれの現地法人を相手取った集団訴訟が起きている。
プライズゲーム機の多様化に伴い、現在では様々な品目が景品として使用されるようになっているが、プライズゲーム機が主に設置される場所であるゲームセンターでは、関連する業界団体である日本アミューズメント産業協会(JAIA)が独自に定めたガイドライン(自主規制)に従って、提供する景品1個の市販価額の上限を1000円とし、景品の種類にも制限を設けた営業を行っている。
一方で、営業を行うに当たって警察の許可を必要としないシングルロケの事業者は、前記業界団体に所属していない場合が多く、業界のガイドラインの趣旨が行き渡っていない。そのため、その一部では、家庭用ゲーム機などの高額景品や、喫煙具や性的な商品など道徳的に問題のある景品、あるいは高額景品が当たると標榜するくじや引換券を提供するなど、ガイドラインに沿わない運営が行われている例がある。しかし、そのような事業所に対する警察の態度は、「当面問題を生じないかどうかの推移を見守る」という程度に留まっている。ただし、その気になれば即座に摘発する事も可能であり、何らかのきっかけで突然摘発される可能性もある。
以下のような景品の提供スタイルは、全て業界団体のガイドラインを逸脱するものである。
また、このガイドラインで、ゲームセンターでの使用が禁止されている景品の種類としては以下のものがある。
風俗第五号営業であるゲームセンターは、一定の条件のもとで遊技の結果で賞品の提供が許容されているパチンコ店などの風俗第四号営業とは異なり、ゲームの結果に応じて賞品を提供することは、風適法第23条第2項にて本来は禁じられている。
ゲームセンターにおけるプライズゲームの扱いは、ゲームセンターが風俗営業とされる1985年以前から議論されている。1970年代には、プライズゲームが風俗第四号営業とされていた時期もあったが、風俗営業としてのクレーンゲームは人気が出なかった。その後、「1回の遊技料金が10~30円位で、かつ、その3倍以下の価格の菓子類を賞品として提供するようなものについては、善良な風俗保持上支障がないと認められる(昭和50年(1975年)10月3日付けの警察庁通達)」として、射幸心をそそる恐れのない運営方法で、遊技に参加した子どもに景品を提供する程度のものという趣旨で、一定のプライズゲームが放任されてきた。
しかし、1986年に、この解釈では世情に合わないとして、ゲーム場を営む業者の業界団体により警察庁に陳情が行われ、提供する景品の上限価格を200円に値上げすることが認められ、さらに300円、500円となり、1997年には800円に、それぞれ上限価格の値上げが認められてきた。しかし、それらで示された金額については、当局から明文化した説明はなかったため、この景品の上限価格は、ゲームセンターを営む業者の業界団体が策定した、プライズゲームを運営する上での自主規制という形で実施されてきた。
2001年、警察庁は「風適法の解釈運用基準」で、遊技場営業者の禁止行為について「クレーンで釣り上げるなどした物品で、小売価格がおおむね800円以下のものを提供する場合については風適法第23条第2項に規定する禁止行為には当たらないものとして取り扱う」との行政解釈が明文化し、これが現在の風俗第五号営業においてプライズゲームが許容される根拠となっている。なお、2022年にこの通達が改正され、景品は「小売価格がおおむね1000円以下のもの」となった。
市販品の菓子・食品を除く「アミューズメント向け景品専用」として発売されるものは原則として受注生産で、人気のある景品でも再生産されないことが多い。
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