![文田健一郎 文田健一郎](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
文田 健一郎(ふみた けんいちろう、1995年12月18日 - )は、山梨県韮崎市出身のレスリンググレコローマンスタイルの選手。階級は60kg級。身長168cm。背骨が柔らかく、反り投げを得意にしていることから、「猫レスラー」「ニャンコローマンレスラー」との異名を持つ。
小学校5年の時に一つ年上である女子選手の練習相手を務めるためにレスリングを始めた。当初は乗り気でなかったが、韮崎西中学に入学すると父親に「レスリングをやれば遠征で全国各地へ行けるぞ」と言われて、本格的に取り組み始めるようになった。中学3年の時に全国中学生選手権のフリースタイル47kg級で優勝すると、ジュニアオリンピックカデットの部グレコローマンの46kg級でも優勝した。ロンドンオリンピックフリースタイル66kg級金メダリストの米満達弘を指導した父親がレスリング部監督を務める韮崎工業高校へ進むと、グレコローマンの選手として国体少年の部及び全国高校生グレコローマン選手権で、高校1年から3年にかけてそれぞれ3階級制覇を達成した。ジュニアオリンピックカデットの部でも1年と2年の時に優勝した。シニアの全日本レスリング選手権大会では2年と3年の時に55kg級で3位となった。その一方で、3年の時にはインターハイのフリースタイル60kg級で優勝した。
2014年に日体大へ進むと、2年の時に全日本学生選手権のグレコローマン59kg級で優勝した。さらにはスペイン・グランプリでシニアの国際大会初優勝を飾ったが、全日本レスリング選手権大会で5位に終わったためにリオデジャネイロオリンピック代表候補から外れた。3年の時には全日本選抜選手権決勝で2015年の世界選手権代表だった田野倉翔太を破って優勝すると、ピトラシンスキ国際大会及びFILAゴールデングランプリでも優勝した。全日本レスリング選手権大会では、決勝でリオデジャネイロオリンピック銀メダリストとなった大学の2年先輩にあたる太田忍を破って初優勝を果たした。4年の時にはアジア選手権で優勝すると、全日本選抜選手権では決勝で太田を再び破って2連覇を飾り、世界選手権代表に選ばれた。世界選手権では初出場ながら決勝まで進むと、アジア選手権に続いてカザフスタンのミランベク・アイナグロフを2-1で破り、世界選手権のグレコローマンスタイルでは日本選手として1983年に57キロ級で優勝した江藤正基以来34年ぶりの優勝を成し遂げた。また、オリンピックを含めたグレコローマンスタイルの世界大会では日本選手史上最年少の21歳8ヶ月での優勝ともなった。全日本レスリング選手権大会では新階級の60kg級に出場するも、決勝で太田に4-5の逆転負けを喫した。
2018年からはミキハウス所属となるも、5月に左膝の靱帯を損傷した影響で6月の全日本選抜選手権には出場できず、世界選手権代表になれなかった。復帰後の11月にはU-23世界選手権に出場すると、決勝でアゼルバイジャンのムラド・ママドフをそり投げからのフォール勝ちで破って優勝した。12月の全日本選手権では決勝で太田を破って優勝した。
2019年4月のアジア選手権では3位にとどまった。6月の全日本選抜選手権では決勝で太田を4-1で破って世界選手権代表に選ばれた。世界選手権では決勝に進出し東京五輪の出場を決めると、世界チャンピオンであるロシアのセルゲイ・エメリンとの決勝では5ポイントを先取されたが、得意の投げ技で10ポイントを取って逆転し、優勝を決めた。
2020年2月のアジア選手権では3年ぶり2度目の優勝を飾った。12月の全日本選手権でも優勝した。
2021年の東京オリンピックでは男子グレコローマン60㎏級に出場し、銀メダルを獲得した。
2022年6月の全日本選抜選手権では優勝して世界選手権代表に選ばれた。9月の世界選手権では準決勝でブルガリアの選手に僅差で敗れるも、3位決定戦でアゼルバイジャンの選手を破って銅メダルを獲得した。12月の全日本選手権では優勝した。
2023年7月の世界選手権代表決定プレーオフでは勝利した。9月の世界選手権では決勝まで進むも、世界チャンピオンであるキルギスのジョラマン・シャルシェンベコフに敗れて2位だった。しかし、今大会でメダルを獲得したため、規定によりパリオリンピック代表に内定した。
59kg級での戦績
60kg級での戦績
(出典)
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