五郎丸 歩(ごろうまる あゆむ、1986年〈昭和61年〉3月1日 - )は、日本の元ラグビーユニオン選手、スポーツ科学者。学位は修士(スポーツ科学)(早稲田大学・2023年)。
2歳年上(学年度では一つ違い)の兄、五郎丸亮もコカコーラレッドスパークスで活躍したラグビー選手である。
1986年3月1日、福岡県福岡市出身、身長185cm、体重100kg。ポジションはフルバック(FB)、日本代表通算キャップ数は57。ニックネームはGoro(ゴロウ)、血液型B型。
3歳でラグビーを始める。福岡市南区鶴田小学校出身。小学校4年から6年まではサッカーに専念し、福岡市選抜に選ばれたこともある。同市南区老司中学校時代はサッカー部とラグビークラブに所属。佐賀工業高校時代には3年連続で花園に出場(いずれもベスト8)。U17日本代表にも選ばれる。早稲田大学スポーツ科学部スポーツ文化学科に進学し、1年時よりフルバックのレギュラーとして活躍。全国大学選手権優勝を経験。
2002年に行われた高知国体では、兄の亮と共に出場し、優勝。
2005年3月、大学生で日本代表に選出。2005年4月16日、対ウルグアイ戦で日本代表デビュー。
2008年4月、トップリーグのヤマハ発動機ジュビロにプロ契約で入団したが、2010年度からヤマハ発動機の社員選手となる。2010年9月4日の対NECグリーンロケッツ戦で、1試合でのトップリーグ新記録となる8ペナルティゴールを記録。2011年2月5日、2011-2012シーズンの得点王(182得点)およびベストキッカー(38G/32PG)を初受賞した。2012年1月6日、2012-2013シーズンの得点王(160得点)およびベストキッカー(40G/25PG)を2年連続2回目の受賞。
2015年、ラグビーワールドカップ2015の日本代表に選ばれ、本大会ではグループリーグ4試合に出場し1T/7G/13PGの合計58得点を記録、第3戦のサモア戦と最終戦のアメリカ戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選出。敗れはしたもののスコットランド戦前半終了間際に見せた、執念のタックルによって相手のトライを阻止したシーンも世界を驚嘆させた。大会終了後には大会ベストフィフティーンにも選ばれた。同年11月4日、2016年シーズンよりオーストラリアのスーパーラグビー所属のレッズに加入することが発表された(ただし、現所属のヤマハ発動機には属したままでの加入となる)。
2016年1月25日、2015-2016シーズンの得点王(83得点)を3季ぶり3回目の受賞、リーグ戦通算1000得点今季達成選手として特別賞を受賞した。2016年3月末にヤマハ発動機を退社。その後2016年シーズンはフランスのRCトゥーロンに所属、11月に初出場し先発も経験したが、2017年4月、契約更新をしない方針を明らかにした。2017年7月にヤマハ発動機にプロ契約で復帰。
2020年12月9日、2021年シーズン終了をもって、現役引退する事を表明した。
2021年の現役引退後、ジャパンラグビーリーグワンおよび静岡ブルーレヴズ創設にあたって同チームの「クラブ・リレーションズ・オフィサー」として広報活動などを開始した。また、アサヒビール(アサヒスーパードライ)、日本財団のスポーツ貢献事業(HEROs)、佐賀県(SAGAスポーツピラミッド構想)のアンバサダーを務めている。
2023年5月20日から11月20日まで、同年秋開催のラグビーワールドカップ2023において、日本ラグビーフットボール協会から「ラグビー日本代表応援サポーター」の1人に任命された。
2024年6月30日をもって、静岡ブルーレヴズ「クラブ・リレーションズ・オフィサー」を退任。
ラグビー日本代表
ジャパンラグビートップリーグ
プレースキックを蹴る前のルーティンの1つに両手を組み精神統一を図るものがあるが、これは元イングランド代表のスタンドオフジョニー・ウィルキンソン(2003年ワールドカップ優勝メンバー及び大会得点王)に倣っている。五郎丸の場合は伸ばした左右の人差し指の先を合わせ、右手の中指、薬指も立てて拳に被せ気味にする独自の物となっている。キックする時にはボールを2回回して芝に2回軽く叩いてセット。3歩下がって2歩左に移動、ポーズをした後に右足でキックする。このポーズが「五郎丸ポーズ」と呼ばれるようになり、2015年の新語・流行語大賞にもノミネートされ、「五郎丸(ポーズ)」としてトップテンに選出され、「五郎丸」として2015年度ネット流行語大賞金賞(第1位)を受賞した。また、このポーズが日本古来の忍者のイメージを思い起こさせるとして、同年12月16日には日本忍者協議会から「マスター・オブ・ニンジャ」に認定された。
なお、2017年7月の時点でルーティンを変更し、五郎丸ポーズは省略されるようになった。これは五郎丸が移籍したRCトゥーロンに所属するキッカーを見た際に、全員すごくシンプルに蹴っていると感じ、必要ない動作とかをどんどん削ってよりシンプルにしようと思い、今までのルーティーンをあえて変えたそうである。その後キックの成功率は80%であったが、新たなルーティーンを採用してからは成功率が83%に向上した。尚、2014年のゴール成功率81.4%を記録しているが、2015年のワールドカップでは、85%の成功率を目標に掲げていた。
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