『恋のウォータールー』 (Waterloo)は、スウェーデンのポップグループ、ABBAの2枚目のスタジオアルバムである。国際的にリリースされたアルバムとしてはグループ初である。スウェーデンでは、1974年3月にポーラーミュージックからリリースされた。アルバムには、ユーロビジョン・ソング・コンテスト1974の優勝曲となり、世界的なヒットを獲得してABBAの地位を確立させた「恋のウォータールー」が収録されている。
収録は、「恋のウォータールー」と「皆なで踊ろう」から1973年9月24日に始まった。「恋のウォータールー」は、キーボードをベニー・アンデションが担当していない珍しい曲で、代わりに当時スウェーデンで活動していたアメリカ人ピアニスト、ジョン・ラビット・バンドリックを起用している。彼が参加しているのはこの1曲のみである。3週間後、さらに2曲(「スージー・ハング・アラウンド」、「ママのことづけ」)が収録された。この日の記録用紙には、書面上初めて「ABBA」のグループ名がクレジットされている。これまでもマネージャーのスティグ・アンダーソンがメディア等で非公式にABBAの名前を使用することはあったものの、名義は「ビョルン&ベニー、アグネタ&アンニ=フリッド」とされていた。「スージー・ハング・アラウンド」は、ベニー・アンデションがリードヴォーカルをとる唯一の曲となっている。10月17日には、「ホワット・アバウト・リヴィングストーン」と「ハニー、ハニー」が収録された。「ハニー、ハニー」は、後に多くの国でセカンドシングルとしてリリースされている。続いて11月14日に収録された「キング・コングの歌」は、ベニー・アンデションとビョルン・ウルヴァースが、後に最もおもしろみに欠ける曲として選出していている。また、この日は、ABBAがユーロビジョン・ソング・コンテスト1974のスウェーデン予選に出場することが発表された日でもある。この日から収録のスピードが上がり、残りの曲が録音された。ユーロビジョンのエントリーには、「恋のウォータールー」と「落葉のメロディ」が検討されており、後者の方が安全だと考えられたが、メンバーは前者を好み、最終的にはグループの目指す方向性とも合致する「恋のウォータールー」が選ばれた。「恋のウォータールー」の録り直しと「ウォッチ・アウト」の収録は同時に行われ、リードシングルとしてリリースされるに至っている。
「恋のウォータールー」は、国内予選を勝ち抜き、ブライトンで行われたユーロビジョン・ソング・コンテスト1974にスウェーデン代表として出場することになった。ABBAはこのコンテストで優勝を獲得し、「恋のウォータールー」はヨーロッパのみならず、全米6位を獲得するなど世界中でヒットした。スウェーデンでは、アルバムは既にリリース済みであったが、12週にわたってチャートのトップに立ち続け、国内で最も売れたアルバムの1つに数え上げられる。イギリスではアルバムが28位となり、外国のユーロビジョン出場曲を収録したものとしては、はじめてチャートインする結果となった。ほかのヨーロッパ各国でも好成績を収めている。
特筆しない限り、作詞・作曲は、ベニー・アンデションとビョルン・ウルヴァースによる。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou