サッポロファクトリー (SAPPORO FACTORY) は、札幌市中央区にある複合商業施設。
1876年(明治9年)創業の「開拓使麦酒醸造所」跡地であり、サッポロビールの「札幌第一工場」(札幌第1製造所)として1989年(平成元年)までビールを生産していたエリアを再開発して複合商業施設にした。高さ39 m、幅34 m、全長84 mある全天候型のアトリウムを中心にショッピングモール、アミューズメント施設、レストラン、フィットネスクラブ、ホテルなどの施設があり、それぞれの建物は連絡通路で接続している。アトリウム東側には企業神社の「構内札幌神社」がある。また、屋内外にイベントスペースを設けており、様々なイベントを開催している。11月上旬から12月下旬までアトリウムに十勝の広尾町から運んできた巨大なクリスマスツリーを飾っている。
冬の長い北国での巨大空間施設として省エネルギー対策を導入した建築になっており、天然ガスを利用したコジェネレーションによって館内で使用する電気を発電し、その際に発生する排熱を冷暖房や給湯、ロードヒーティングに有効利用している。『第6回札幌市都市景観賞』、「サッポロフロンティアタウンズ/サッポロファクトリー&ポプラ館」として『第35回BCS賞』、「サッポロファクトリーアトリウム」が『第6回省エネルギー建築賞』を受賞している。
第3駐車場を閉鎖して新たな商業施設を建設しているほか、創成川東での再開発事業の1つ「北4東6周辺地区」では地区内のマンション「ザ・タワーズフロンティア札幌」や札幌市中央体育館(北ガスアリーナ札幌46(ヨンロク))などと3条館を空中歩廊で結ぶ計画になっている。
サッポロファクトリーは、開業当初、廃部品を床に埋め込むなど全体が工場をイメージした内装になっていた。しかし、度重なる改装によって当初のテーマ性は薄れていき、現在では改装されていない吹き抜けや階段などを除いてごく普通のショッピングモールと変わらない内装となっている。
開業当初は、現在の「ユナイテッド・シネマ札幌」が入居している建物のみを一条館、「ペットランドプラス」などが入居している建物を二条南館、現在の2条館を二条北館と呼称していた。
キッチンライフを提案するショールーム、ペットショップのペットランド(1階)、クライミングジム、シネマコンプレックス(後述・2階)、ゲームセンターのナムコ(2階)、100円ショップのセリア(2階)、複合カフェなどが集まっており、芸能事務所の「吉本興業札幌支社」が入居している。かつては日産自動車のショールーム、北海道電力(ほくでん)の省エネルギーや節電に関する情報館があった。
1993年(平成5年)に1スクリーンの「サッポロアイマックスシアター」(IMAX 15/70導入)としてオープンし、1998年(平成10年)に11スクリーンのシネマコンプレックス「パラマウント・ユニバーサルシネマ11」になった。2004年(平成16年)に「ユナイテッド・シネマ札幌」と改称した。
札幌市内随一のアウトドア&スポーツのショップはじめ、ファッション、生活雑貨、レストランなどの店舗が並ぶファッション館。4階にはショールーム、医療モール、市税事務所(札幌市中央市税事務所)がある。
かつては温泉施設の「サッポロスプリングス」があり、ガラス越しにアトリウムを見下ろせる部分もあった。運営会社の変更に伴い「ワンデイスパサッポロファクトリー店」、「温泉リゾート サリア」と改称していったが、2009年(平成21年)2月1日に営業終了した。また、マイセンの名品を集めた「札幌マイセン美術館」があった。
開業当初はマイカル北海道が運営する雑貨店「サッポロファクトリーサティ住まいと暮らし館」、丸井今井の飲食街、三越の飲食街もあったが、早々に撤退している。
インテリア、生活雑貨、ファッションなどのショップやレストランを展開しているほか、銀行、郵便局、オフィスなどもある。
スーパーマーケットの東光ストア(1階)やドラッグストアのサツドラ(2階)など生活に密着した店舗をはじめ、インテリアや雑貨ショップ、カフェなどがある。また、「サッポロビール北海道本社・北海道本部」、「在札ドイツ連邦共和国名誉領事事務所」が入居している。
2条館と3条館を繋いでいるアトリウムは、サッポロファクトリーのシンボル的存在になっている。アトリウム内には1年中緑に包まれた開放感のある屋内庭園が広がって憩いの場になっているほか、様々なイベントの会場に利用している。アトリウムの地下一階部分にはかつて月の池や水路、花壇、木などが存在したが、数度の改装を経て撤去された。
北海道内の作家が手がけるアート・クラフトの店舗や工芸品、工芸雑貨の店舗などがあったほか、サッポロビールの歴史を知ることができる施設、地ビールの販売施設や貯酒タンクを配置していたトンネルを改修したビアホールもある。また、芸能事務所の「テアトルアカデミー札幌校」が入居していた。「旧札幌麦酒会社工場」として『さっぽろ・ふるさと文化百選』に選定されている。かつては天体博物館の「天体工場」、「ミニワールドミュージアム」、「札幌市写真ライブラリー」があった。なおレンガ館は耐震工事のため2021年(令和3年)10月1日から閉鎖中。ただし札幌開拓使麦酒醸造所については賣捌所を除き見学できる。
ホテル、レストラン、多目的ホールがある。
かつては会員制フィットネスクラブもあったが、2023年3月に閉館。これにより、サッポロファクトリーから温浴施設が消滅した。スタッフの一部は札幌市東区のダンロップスポーツクラブ札幌に移籍した他、リニューアル後のホテル創成札幌 Mギャラリー内には宿泊者専用のフィットネスジムが設けられている。
ホテルクラビーサッポロとして開業、クラビーとは「愛想のいい、人付き合いのいい」といった意味がある。
2023年2月15日、サッポロ不動産開発はホテルクラビーサッポロを2023年4月10日に閉館し、改装後、2024年からフランスのアコーホテルズが運営するホテル創成札幌Mギャラリーとして開業することを発表、2024年1月30日に開業した。
永山記念公園(旧永山武四郎邸)が隣にある。
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