![ランドローバー・ディスカバリー ランドローバー・ディスカバリー](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
ディスカバリー(DISCOVERY)は、イギリス・ランドローバー社が発売しているSUVの一車種。レンジローバーの下に位置するランドローバーの中核車である。
1990年代、世界で最も過酷なオフロードイベントとして有名だった“キャメルトロフィー”のオフィシャルカーとして使用され、世界的に知られるオフロードカーの一つである。
1989年、ランドローバー社の第三のモデルとしてデビュー。
北米市場での拡販を担い、レンジローバーの持つ高いオフロード性能はそのままに、量産効果が上がらなかった設計を見直し、パネル割りや組み立ての合理化で、コストダウンと利益率の向上が図られている。ランドローバーとしては異例の大量のテレビCMや、ハリウッド映画とのタイアップも目立った。
フレームをはじめ、ドライブトレイン、サスペンション、フロントウインドシールド、ドアガラスなど、可能な限り初代レンジローバーのものが流用されており、ホイールベースも100インチとまったく同じである。ただし、BOGEのダンパーを使ったセルフレベリング機構の採用は見送られた。また、ニュートラル検出スイッチの不良でスターターモーターが回らないトラブルや、エアミックス式のエアコンの設定がなく、梅雨時などはクーラーとヒーターの塩梅が非常に難しいことなど、不満点もそのまま受け継がれていた。
1991年10月、日本正規輸入開始。販売初期にはエンジンは3.5Lローバー・V8エンジン(150ps/26.3kgm)と4気筒2.5Lの直噴ターボディーゼル(Tdi110ps/27.0kgm)の2本立てで、ボディタイプも3ドア(ディーゼル、乗車定員5名)、5ドア(ディーゼル/V8、乗車定員7名)が選択可能であったが、いずれもトランスミッションはMTのみだった。その後、トランスミッションは4速ATと5速MTが選べるようになった。1993年10月、ガソリンエンジンは3.9L V8(最高出力180ps/最大トルク31.8kgm)となったが、MT車の輸入が終了し、ディーゼルも選択肢はATのみとなった。
当初、日本での車両本体価格は400万円を超えていたが、1994年頃から始まったローバージャパンのフェアプレー政策の一環で、299万円 (税抜き) のグレードSが用意され、日本でも手軽に買える輸入SUVといわれるようになり「ディスコ(Disco)」の愛称も生まれた。
また、その当時ローバーグループと合弁関係にあり、株主でもあったホンダのベルノ店からも、クロスロードの名称で販売された。
1994年、フェイスリフト実施(フェイズⅡ)
95年型のマイナーチェンジではフロントマスクの意匠変更と共にSRSデュアルエアバッグシステムとABSが装備された。ディーゼルエンジンはそれまでの200Tdiと呼ばれる機械式噴射ポンプの物から電子制御式の300Tdiと呼ばれる物に変わった。異型ヘッドランプの採用で、フロントフェイスがやや丸みを帯びた滑らかなデザインに変わり、評判の悪かったクーラーもエアミックス式のエアコンへ変更された。
1996年、グレードS発売。
1998年、ランドローバー50周年記念モデル発売。499万円。幅広タイヤとレートの上がったスタビライザーの組み合わせている。
1998年デビュー。日本導入は1999年6月。基本性能やスタイルはキープコンセプトながら、装備、内装などは大幅にレベルアップした。
基本メカニズムは前後リジッドサスにセンターデフロックを備えた副変速機付きフルタイム4WDと前代を継承しつつ、コーナリングのロールを抑制するACE(アクティブ・コーナリング・エンハンスト)を装備してオンロードでの快適性を向上させた。
他にも多数の新技術を取り入れ、4輪エレクトロニック・トラクション・コントロールや、急勾配でも自動的に低速で安定させるヒルディセント・コントロール、EBD(電子制御ブレーキ配分)などを装備、リアはセルフレベリング機構を備えたエアサスなどを搭載して、オン/オフを問わない快適性と走破性を両立させた。一方、ウインドシールドとドアガラスは再び流用された。
パワートレインは前モデルから継続のローバーV8エンジン。他にディーゼルターボも設定。
リアアクスルの横方向の位置決めに、スカッフの発生がない、ワッツリンクを使っている点が話題になった。
テレインスポレンスやエアサスなどハイテク装備を多くしているため、従来より50万円以上も高額となり手軽とは言えなくなったが、そのレベルはレンジローバー並といわれている。
北米では「LR3」、それ以外の地域では「ディスカバリースリー」を名乗る。
特徴(ビルトインフレームと独立懸架)
フォード傘下での初めてのモデルチェンジ車として2004年(日本市場は2005年5月)にデビュー。当初はエクスプローラーがベースになると思われたが、ランドローバーのオフロード性能に耐え得る「インテグレーテッド・ボディ・フレーム」という独自のシャシーが開発されることとなった。ランドローバー社では、ラダーフレームとモノコックを複合した強靭な車体であるとしている。
階段状のルーフラインや急勾配のフロントガラスなど先代までの特徴を継承しつつ、モダンで洗練されたスタイルに生まれ変わった。
サスペンションは前後輪とも独立懸架となり、全てにクロスリンク式エアスプリングを装備。同時に様々な電子制御システムを組み入れた。急勾配の下り坂で車両を制御するヒル・ディセント・コントロール(HDC)、低トラクション状態でのスピンを防ぐ4輪電動トラクションコントロール(4ETC)、制動時の横滑りを防ぐDynamic Stability Control(DSC)などで、他にもABS・EBD・CBC・EBA・ARMなどを備えている。さらにエンジン・トランスミッション、デフェレンシャルなどに複数搭載されている車両コントロールシステムとエアサスを統合して制御し、あらゆる路面状況に最適な状態に合わせる「テレイン・レスポンス」と呼ばれるシステムを搭載。これはダイヤル一つで地形にあった走行モードを選択し、安全に走行できるというランドローバー社の最新システムで、オフロード性能の向上が図られた。最大渡河深度は700mm。
エンジンはS、SEがフォード製 4リッターV6ガソリンエンジン(エクスプローラーで使われているものと同じ) に替わり(排気量は4009ccとなったため、日本での自動車税の区分は4500ccと同等)、HSEについてはジャガーの4.4リッターAJ-V8エンジンが搭載された。ジャガーエンジンはディスカバリー3登場以降のレンジローバー、レンジローバースポーツに採用されているものと同等であり、300 hp(224 kW)、315 lb·ft(427 Nm)を誇る(レンジローバー、レンジローバースポーツにはスーパーチャージャー搭載の4.2リッターモデルも用意されている)。トランスミッションはZF製インテリジェントシフト付6ATを搭載。
SUVでは、3列目シート乗員はいわゆる体育座りになりがちだが、ディスカバリー3はワンボックス車と変わらぬ3列目シートの居住性を有しているとする。高級SUVとして生まれ変わったため価格が大幅に上昇した。
2009年9月に英国で発売。先代にならって北米では「LR4」、それ以外の地域では「ディスカバリーフォー」を名乗る。
ランドローバー社がタタの傘下になってから初めてのモデルチェンジ車。3代目とよく似ているが、中身は大きく変貌、進化を遂げた。
特徴(パワートレイン強化とプレミアム化)
V型8気筒エンジンは従来の448PN型4.4リッターから、直噴のAJ-V8 Gen IIIエンジン5.0リッターに変更され、276kW/510N・mの圧倒的なパワー&トルクを発生する。新たな燃料直噴メカニズムや可変カムシャフトダイミング機構を得て、出力アップと環境性能向上を両立させた。欧州向けのディーゼルエンジンは3.0リットルV6ツインターボディーゼル(245ps、61.2kgm)に変更。商用車向けや北米では2.7 L TDV6も継続された。またトランスファーはZFの副変速機付き6速ギアボックスに改良が施された。
ブレーキはレンジローバースポーツと同じ機構を導入。そのためホイールは19インチにサイズアップした。さらにサスペンションナックルを変更することで、車両の重心とサスペンションのロールセンターを一致させ、コーナリング時の車体のロールを大幅に改善した。さらにフロントアンチロールバーとダンパーの採用などにより乗り心地も大幅に向上したとする。悪路走行面でもテレイン・レスポンスやヒル・ディセント・コントロールに新機能が追加された。
内外装は前モデル以上にプレミアム化が図られた。フロマスクも高級感を醸す新型レンジローバーと同等のものが、ライトはヘッド・テール共に円を描くLEDランプが装着されており、HSEではカーブ状況によって自動でビームを調節する「AFS(アダプティブ・フロントライトシステム)装備されていた。
2014年モデルで大幅改良・マイナーチェンジ
2013年9月、2014年モデル発表。従来の5.0L V8に替えて、レンジローバーなどに搭載された新開発の3.0L V6 スーパーチャージャー付きエンジンが採用されたほか、トランスミッションも全車に8段ATが搭載された。合わせてエクステリアも刷新。フロントマスクを中心にグリルやバンパー、ランプなどを一新したほか、初代から続いていたボンネット前部の文字“LANDROVER”も“DISCOVERY”へ変更されるなどフェイスリフトが施された。
100万台達成と「ジャーニー・オブ・ディスカバリー」
ディスカバリーの歴史における大きなマイルストーンは、2012年3月に通算100万台目の車両がソリハルの生産ラインからロールオフされたときだった。 記念すべきこの車両については、1950年代の遠征に倣って、ソリハル〜中国北京まで走破するエクスペディションが企画され、実際に50日間で8000マイル、13カ国を巡り、同年4月の北京モーターショーでゴールを迎えた。
その後、車両は英国にある自動車産業遺産トラストセンターに常設展示されている。
2016年9月28日、パリモーターショーで5代目であるディスカバリー5を発表した。
特徴(アルミモノコック化とラグジュアリー化)
LR3,LR4と継続されたプラットフォームを13年ぶりに刷新。レンジローバーと共用し、ボディは初のアルミモノコックを採用、大幅な軽量化を実現した。
デザインはフロントエンドをスラントさせるなど、初代から継承されていた角ばったスタイルを一新し、大胆なイメージチェンジを遂げた。ディサイズは全長4970×全幅2073×全高1888mmととスリーサイズすべてが拡大された。テールゲートは前モデルで好評だった上下2分割から上ヒンジ一体型に変更。インテリアもレンジローバーばりの高級仕立てになり、3列7席シートはフル電動折りたたみ機能が搭載された。
パワートレインは先代からのスーパーチャージャー付きの3リッターV6ガソリン306PS、および3リッターV6ディーゼルターボ306DT、そしてエントリークラスには「インジニウム」の直列4気筒2リッターツインターボエンジンを導入した。
また悪路走行については目玉は「ATPC」(オート・テレイン・プログレス・コントロール)の搭載。ATPCはいわばオフロードや雪道でのオートクルーズコントロールで、時速2キロ~30キロの間で車速を決定すると、マシン側がトラクションを確保しながら悪路を走り、ドライバーはステアリングの操作に集中ができる。また「テレインレ・スポンス2」を装備したほか、最大渡河深度は900mmとレンジローバー同等となり、同社では新型を「King of the Hill」と表現している。
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