株式会社アイビーシー岩手放送(アイビーシーいわてほうそう、英: Iwate Broadcasting Co., Ltd.)は、岩手県を放送対象地域とした中波放送(AMラジオ)事業とテレビジョン放送事業を兼営している特定地上基幹放送事業者である。略称はIBCで、対外的にはIBC岩手放送の表記で通している。
岩手県や岩手日報社などが出資し、設立された。
全国紙・地方紙問わず、県内で購読されている全ての新聞ラテ欄では「IBC岩手放送」 ではなく「IBCラジオ」「IBCテレビ」という表記である(地元の岩手日報では、テレビ欄は当初「IBCテレビ」と表記していたが、リモコンキーID掲載時から「IBC」と略称のみで表記する形になった、なお、岩手日報ラジオ欄は従来通り「IBCラジオ」と表記。また、隣県青森のデーリー東北は「IBCラジオ・IBCテレビ」、東奥日報はラジオ欄のみ「IBCラジオ」)。なお秋田魁新報は「IBC岩手放送」、読売新聞岩手・青森・秋田・宮城版は「岩手放送 IBCテレビ」、スポーツ報知北東北版と東奥日報 第2TV面は「岩手放送」)。
出典:
企業・団体は当時の名称。出典:
月曜未明1:00 - 4:00を除く24時間。放送上の1日の基点は5:00だが、日曜日と月曜日は新聞の番組表等では5:00、IBCの公式サイトの番組表 や、IBCが発行するタイムテーブルでは4:00となっている(日曜日は局名告知を3:59、月曜日は日曜付放送終了の0:59と、月曜付放送開始時の3:58、その他の曜日は4:59に行う)。
なお、12月25日(ラジソン放送日)が月曜日にあたる場合は放送を休止しない。1月1日(元日)が月曜日となる場合も、2018年までは同様の対応を取ったが、2024年は放送休止時間を設けた。
放送休止時間にはクラシック音楽のフィラーが流れていたが、過去に『おしゃべり技術くん』で「休止中に流されているクラシック音楽が怖い」という意見があったことを踏まえ、2023年8月7日未明(8月6日深夜)からはリスナーから事前にリクエストを募った1時間ほどのプレイリストをリピートして流している。
これを発展する形で、2023年8月28日未明(8月27日深夜) と10月23日未明(10月22日深夜) の番組休止時間帯には、IBCアナウンサー・長谷川拳杜の企画・進行で「番組休止中にリアルタイムでIBC岩手放送を聴取しているリスナーからリクエスト曲を募集して流す」という企画を生放送で行った。楽曲をかけ、流れている最中に寄せられたリスナーからのリクエストをチェックし、レコード室から楽曲を探して楽曲をセットする一通りの流れを長谷川がワンオペで進行する新たな試みであった。2023年8月28日未明(8月27日深夜)放送回は日曜深夜にもかかわらず、リクエストが270件ほど岩手県内外から寄せられ、7割が岩手県外からのリスナーだった。
岩手県内に競合局は少ないが(エフエム岩手とNHKのみ)、IBCラジオは岩手県内ラジオ局の中で常に全放送時間帯トップの聴取率を維持している。かつてIBCラジオではレーティング期間になると「エネルギッシュウィーク」と題して各番組から豪華プレゼント等が用意されていたが、近年岩手県内ラジオ局はレーティング対象から外されたため「エネルギッシュウィーク」は実施されなくなった。
岩手県は山岳地帯で、先述の通り親局・中継局の出力が弱いことから、主に沿岸部で難聴地域が多い。
総務省が「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針」を公表した2014年以降、全国的にFM補完中継局が開局されており、2015年の山田FM中継局開局以降、難聴地域へのFM中継局開局を行っている。
IBCのホームページでは、90MHz以上の周波数で送信している盛岡FM中継局を「ワイドFM」、89.9MHz以下の周波数で送信している他のFM中継局を「FM補完局」として使い分けを行っている。
釜石放送局の送信アンテナは元々漁業無線局だったため、日本国内の放送局としては珍しいT型を使用していたが、新しいラジオ送信所が日本製鐵・釜石製鐵所の敷地内に完成したため、旧送信所は2006年6月末にその役割を終えた。
2006年1月23日より、二戸地域難聴取対策として一部番組がカシオペアFMを通じて再送信されている。ただし、番組内に内包されているJRN及びNRNのライン・テープネット番組は著作権法・放送法の規定上再送信ができず、それらが入る時間帯はフィラー音楽を流している。なお、IBCが二戸地区にFM中継局を設置してからはカシオペアFMで再送信される番組は夕方の1番組のみとなり、現在は「朝からRADIO」の6時台のみである。
東日本大震災復興支援の一環として2011年5月16日より岩手県でもIBCラジオとエフエム岩手のradiko試験配信開始。2012年3月31日まで全国配信されていた。 IBCラジオは2012年4月2日より岩手県内限定でradiko配信再開。2014年4月1日より有料プレミアムサービスとして岩手県外にも全国配信されている。なお、エフエム岩手は復興支援のradiko配信終了後はLISMO WAVEやドコデモFMによるネット配信を継続し、radikoによる配信は2015年9月30日に再開している。
IBCが加盟する日本民間放送連盟では、FM補完中継局制度を見直す方針を2019年に公表。連盟に参加するAM放送事業者(民放AM局)が2028年までにAM放送免許の更新時期を迎えることを踏まえて、民放AM局独自の経営判断によってAM放送からFM放送への転換(またはAM・FM放送の併用)が可能になるような制度の整備を求める要望書を、総務省が設置する「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」に提出した。総務省も2020年10月に『民間ラジオ放送事業者のAM放送のFM放送への転換等に関する「実証実験」の考え方』を公表したことから、民放AM47局で組織する「ワイドFM(FM補完放送)対応端末普及を目指す連絡会」では、44局が2028年秋までにFM局への転換を目指していることを2021年6月15日に発表した。この発表の時点では、AM局からFM局への転換(従来のFM補完中継局の親局化)において「従来のAM放送を停波する」というパターンや「従来のAM放送を補完的に活用する(FM・AM併用)」というパターンが想定されているが、IBCは「影響を慎重に判断してFM転換を進めていく。現時点では2028年以降も矢巾町のAM局を補完局として当面の間放送を継続する方針」を示している。
2024年4月時点。
自社制作番組は太字。
『ラジソン』(12月24日正午 - 25日正午)及び、箱根駅伝実況中継(1月2日・3日両日の8:30 - 14:00)他、特別番組を放送する場合は、それぞれ該当時間と重複する番組は休止又は時間移動する場合がある。
地震発生時はワイドステーションの放送中(厳密にはワイドステーションのCM中)だったため、そのまま報道特番に移った。番組を担当中だった神山浩樹、風見好栄の両アナによる緊急アナウンスが数分続けられた後、報道部内のスタジオへと放送が切り替わり、以後照井健アナと第2スタジオから移動した風見アナが中心となって情報を発信した。神山アナ(防災士の資格を持っている)は直後に局を離れ、津波により甚大な被害を被った沿岸部へ渡り、その晩から現地の情報を伝え続けた。JRNの報道特番を一旦挟んだ後、加藤久智、瀬谷佳子の両アナによる第二スタジオからの放送となり、以降は全アナウンサーが入れ替わりでスタジオに入り(途中からフリーアナウンサー・後藤のりこが加わる)、JRNの報道特番を除く全時間帯で毎正時ごとに岩手日報IBCニュースを挿入しながら被害状況、安否情報を放送し続けた。各地の被害状況は神山や684レポーターが被災地に赴いて伝えられたほか、東部支社長で地震発生時は宮古市に滞在していた江幡平三郎、県南支社長で一関市に滞在していた田中康男(以上2名は元アナウンサー、江幡は後にアナウンサー職に復帰)も盛岡本局に入って現地の状況を伝え、通信網や交通が遮断されていた場所に関しては、その地から盛岡市に避難していた一般市民をスタジオに迎えて状況を伝える形がとられた。この編成は3月16日早朝まで続けられた。また、通常編成に戻ってからも、ローカル枠はすべて番組名はそのままだが、ネット番組を除き内容のほとんどを安否情報や生活情報に割いた。3月21日からは特別番組『震災情報いわて〜ふるさとは負けない〜』を編成し、10:00 - 11:00(テレビとのサイマル放送。ラジオは『朝からRADIO』内の枠を転用)と20:00 - 22:00(『Kakiiin』『ラジオアミューズメントパーク』は放送休止、25日は『Feat.i』を1時間短縮)に集中的に安否情報・生活情報を放送した。夜の枠における放送は25日で終了したが、朝はその後も時間短縮を経ながら6月30日まで(平日のみ)放送が続けられた。また、安否情報を送るメールアドレスはワイドステーションのものが使われている。
※東日本大震災による岩手県・宮城県・福島県のアナログ放送終了延期に伴い、2012年3月31日まで継続。
“ch番号+V”は垂直偏波
自社制作番組は減少傾向にある。以前は『ニュースエコー』以外の帯番組にも取り組んでいたが現在はなし。レギュラーのゴールデンタイム番組制作については長らく行っていなかったが、2014年(平成26年)5月から水曜日に『わが町バンザイ』を編成している。
1990年代まではアニメの編成に力を入れており、テレビ東京製作の、特に本放送が終了したものを中心に早朝に放送されていたが、2000年代に入り減少。深夜アニメの放送に関しても、『コードギアス 反逆のルルーシュ』のように続編が全国ネット枠で放送される際や、『マクロスF』や『けいおん!』のように劇場版公開の際における宣伝として、キー局の意向で強制ネットされる作品のみに留まっていたが、2010年代に入り『ラストエグザイル-銀翼のファム-』などの深夜アニメも再び放送されるようになった。放送時間に関しては『コードギアス』や『銀翼のファム』などのように全日帯に編成することが珍しくないが、逆に『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のようにキー局では全日帯に放送されている作品でも深夜に編成することがある。
2011年(平成23年)3月11日の地震発生時からしばらくはJNN協定によりTBSテレビ発の報道特番を放送した。テレビ報道の体制が整うまで若干時間を要したこともあり、IBCローカルの割り込みは発生当日の夕方以降から順次行われた。その後通常編成に戻り始めて次第にIBC発の報道特番が多く放送され始めた。毎日、夜を含む1回は『震災情報いわて』として1時間ほど放送される時間がある。そのほかに『ニュースエコー』を通常通り放送したり、14日から18日の9:55〜11:00の枠では「IBC安否確認情報」としてIBCラジオとサイマル放送したりと積極的に自局から情報を伝えている。自社制作の報道特番はTVIより多い状態である。L字型画面もTBSテレビ発のものに被せて独自で表示させている。また、ラジオで安否情報を放送していることもあり、テレビではラジオとのサイマル放送を除いて安否情報は放送されなかった。また、銀行の臨時窓口開設情報、避難場所の情報なども逐次放送された。
3月14日からしばらくは『早ズバッ!ナマたまご』、『ひるおび!』の11時台、『Nスタ』のローカル枠を単発扱いで臨時ネットしていた。また、『TBSニュースバード』は深夜(フィラー枠を臨時に復活して放送)はもちろん、18日から4月1日までは毎日14:00前後から1時間から2時間ほど(再放送枠などをすべて休止して)放送されていた。
現在も10:00前後から約30分間と16:20前後から約20分ほどでそれぞれ『震災情報いわて〜ふるさとは負けない!』と題し、午前はIBCラジオと同時放送、午後は『ニュースエコー』とは別に震災情報を放送している。
また、3月31日までは、通常の深夜番組を休止し、JNN深夜最終ニュース番組終了後、終夜で震災関連情報を放送した。
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(★はテレビ東京の本放送終了後に放送)
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(IAT開局まで、○はIATへ移行された番組、☆は現在もIATで放送中)
(『象印ヒット作戦 1!2!3!』・『象印ライバル対抗大合戦!』は放送せず)
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(mit開局まで、○はmitへ移行された番組、☆は現在もmitで放送中)
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(TVI開局後も引き続き放送されたもの)
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IBCのアナウンサーは長年、男性が報道制作局報道部、女性がラジオ局放送部に配属という変則的な配置だったが、機構改革によって1990年頃にアナウンス部の前身であるアナウンス研修部が創設され、アナウンスセンターを経て現在に至る。また開局当初の養成に高橋圭三が関わった。
またテレビ局としては全国的にも珍しく、早い段階で定年を65歳に設定している他、嘱託の定年は70歳である。他社同様5年の区切りはあるものの、それ以降でも本人の希望があり、精神面、健康面等に特段の問題がなければ事実上無期限で働ける。実際に、大塚富夫は70歳を過ぎた現在も勤務を続けている。
※はアナウンス部長経験者。●は故人。
詳細は684を参照。
出典:
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