BMW 6シリーズはドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売している乗用車である。クーペ・カブリオレ・ハッチバックのボディ形式を持つ。
前身モデルは3.0CSである。
初代6シリーズは、1976年のジュネーヴモーターショーにて630CSと633CSiが発表された。当時のBMWのフラッグシップクーペであり、『世界一美しいクーペ』と評された。コードネームはE24。
1978年、635CSiが発表された。専用の3.5Lエンジンを搭載し、トランスミッションは5速MTが採用された。エクステリアではフロントスポイラーやリアスポイラー、サイドストライプが標準装備された。
1979年、小変更を行い、キャブレター仕様の630CSがインジェクター仕様の628CSiに置き換えられた。エンジンは528iからの流用。
1982年、初の大規模マイナーチェンジが行われた。これはベースモデルの5シリーズがフルモデルチェンジを行った為で、サスペンションなどが一新された。また、635CSiについてはエンジンが一新された。内装では5シリーズに準じたドライバーに定期点検を促すSI(サービスインターバル)メーターや、瞬間燃費計が追加された。5シリーズのモデルチェンジと同様、エクステリアに大きな変化は見られなかった。
1987年に最後のマイナーチェンジを行い、新型735i(E32)で採用された第3世代DME(デジタル・モーター・エレクトロニクス)制御のビッグシックスエンジンを採用した。これに伴い、主にアメリカと日本向けの触媒付き仕様の出力が大幅に向上した(185hpから211hpに)。さらに、衝撃吸収バンパーの装着(アメリカ仕様では発売当初から装備)とエアロの標準装備によりエクステリアが大きく変化した。ただし、このいわゆる後期型の635CSiAには賛否両論があり、それゆえ1987年以前の中期型はアイアンバンパーと呼ばれ、6シリーズの本来の美しさを持つ最後のモデルとして好む人も多い。
1989年、生産終了。同年に開催されたフランクフルトモーターショーで事実上の後継モデルとなる8シリーズ(E31)が発表された。
日本仕様車は当時厳重化されていた排出ガス規制により、ほぼ全年式にわたってアメリカ仕様車をベースとしていた。ただし、全グレードでMTが選択できたアメリカと違い、日本仕様車はM6を除いて全車ATを搭載していた点が大きく異なる。
2003年9月9日、フランクフルトモーターショーで8シリーズ(E31)の事実上の後継モデルとして6シリーズがおよそ14年ぶりの復活を遂げ、ロー&ワイドなフォルムを演出するグラマラスなフェンダーライン、全体としても曲線を基調とした流麗なスタイルへと大胆な変身を遂げた。コードネームはクーペがE63、カブリオレがE64。
特別に用意されたボディカラーやインテリア素材でオーダーメイド可能なプログラム、BMWインディビデュアルが初めて導入された。
2010年9月30日、パリモーターショーで「コンセプト6シリーズクーペ」を発表。2011年1月10日にデトロイトモーターショーで新型6シリーズのカブリオレが発表され、同年3月1日のジュネーヴモーターショーにはクーペを発表。2012年3月6日のジュネーヴモーターショーでグランクーペ(4ドアクーペ)が発表された。コードネームはカブリオレがF12、クーペがF13、グランクーペがF06。
特別に用意されたボディカラーやインテリア素材でオーダーメイド可能なプログラム、BMWインディビデュアルが導入された。
2011年2月24日、6シリーズカブリオレが発売された。640iは最高出力320PS、最大トルク45.9kgmの直6ターボエンジンが搭載され、650iには最高出力407PS、最大トルク61.2kgmのV8ツインターボエンジン(N63B44A型)が搭載される。
2011年8月5日、6シリーズクーペが発売された。
2012年6月5日、6シリーズグランクーペが発売された。650iには最高出力450PS、最大トルク66.3kgmの新開発V8ツインターボエンジン(N63B44B型)が搭載される。新たにインテーク・バルブのリフト量を無段階に可変制御するバルブトロニックを採用した。
2012年8月23日、650iクーペと650iカブリオレに最高出力450PS、最大トルク66.3kgmの新開発V8ツインターボエンジン(N63B44B型)が搭載された。新たにインテーク・バルブのリフト量を無段階に可変制御するバルブトロニックを採用し、従来モデル(N63B44A型)と比較して動力性能が約10%向上した。また、停車中の燃料消費を削減するエンジン・オート・スタート/ストップ機能や「ECO PRO」モード付きのドライビングパフォーマンスコントロールなどを採用し、燃費が最大25%改善した。
BMW Mがチューニングした高性能スポーツモデル。
2012年4月10日、M6クーペとM6カブリオレが発売された。最高出力560PS、最大トルク69.3kgmのV8ツインターボエンジンが搭載される。
2013年1月16日、M6グランクーペが発売された。
2015年7月2日、M6シリーズに最高出力575PS、最大トルク69.3kgmの「コンペティションパッケージ」が発売された。
2016年7月9日、M6シリーズに最高出力600PS、最大トルク71.3kgmの「セレブレーションエディション コンペティション」が発売された。
2016年、グループGT3仕様のM6 GT3は、Z4 GT3の後継機としてデビューした。その年のスパ24時間レースで総合優勝を収めた。日本のSUPER GTにも参戦し、世界中のシリーズで使用された。2022年から後継機、M4 GT3へ移行した。
M6 GTLMは、IMSA ウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦の為に製作された、M6のLM-GTE仕様で、Z4 GTEの後継機。2016 年にデビューし、チーム RLLによってエントリーされ、2017年シーズンに4度のクラス優勝をした。2018年に後継機、M8 GTEへ移行した。
この代からファストバック(5ドアサルーン)のみとなり、先代までの2ドアカブリオレ、2ドアクーペ、4ドアクーペ(グランクーペ)は8シリーズ(G14/G15/G16)に移行した。コードネームはG32。
2017年10月23日、5シリーズグランツーリスモ(F07)の後継モデルとして、6シリーズグランツーリスモ(G32)が発売された。
歴代6シリーズのインテリアは、5シリーズの上位モデルに相応しい専用デザインが奢られているが、6シリーズグランツーリスモ(G32)のインテリアは、5シリーズセダン(G30)/ツーリング(G31)と共通デザインが採用された。
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