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1972年の映画


1972年の映画


1972年の映画(1972ねんのえいが)では、1972年(昭和47年)の映画分野の動向についてまとめる。

1971年の映画 - 1972年の映画 - 1973年の映画

出来事

世界

  • 1月
    • 米でハードコアポルノ『ディープ・スロート』(主演:リンダ・ラヴレース)が一般館上映で大ヒット、話題呼ぶ。
    • フランス、映画評論家マルセル・マルタン、映画雑誌『エクラン』創刊。
  • 3月14日 - 米国・ニューヨーク、『ゴッド・ファーザー』(フランシス・フォード・コッポラ監督)プレミア上映、その後、世界的大ヒット。
  • 7月26日 - MGMと20世紀フォックス、日英伊仏を除く全世界で配給機構の合併を発表。
  • 月日不詳
    • 喜劇王チャールズ・チャップリン、20年ぶり米国に帰国。

日本

  • 1月
    • 警視庁、上映中の日活ロマンポルノ『恋の狩人』・『牝猫の匂い』・『女学生芸者』の3本を猥褻容疑で押収。9月9日、監督・映倫審査員ら起訴(日活ロマンポルノ事件)。(1980年7月、東京高裁で全員無罪。)
    • 昭和46年度全国映画館数2974館(前年比272館減)で3000館を割る、入場者数2億1675万人(前年比85.1%)、興行収入は792億8000万円(前年比96.1%)。
    • 三和興行、ビルの再開発に伴い、東京・新宿東宝ビルに収容の4館(新宿東宝劇場、新宿スカラ座〈旧・新宿セントラル〉、新宿メトロ劇場〈旧・新東地下劇場〉、シネマ新宿)、宮城県・仙台日乃出会館に収容の3館(仙台日乃出劇場、日乃出地下劇場、日乃出五階劇場)を閉館。
    • 大映第一フィルムが元の名称である「東京第一フィルム」に改称。
    • 1月15日 - 東宝系に初お目見えした勝プロダクション作品『座頭市御用旅』 / 『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』がヒット。
  • 2月
    • 2月3日 - 札幌冬季オリンピック開催(13日まで)。
    • 2月15日 - 海賊版防止用「シルバーグレー・カセット」規格化。
  • 3月
    • 成人ビデオ倫理自主規制懇談会(旧ビデ倫)設立。
    • ソニー、Uマチック方式ビデオカセットレコーダー発売〔VO-1700〕。
    • 3月4日 - 藤純子(現・富司純子)引退記念映画『関東緋桜一家』(マキノ雅弘監督、併映は『夜のならず者』)封切、各劇場は正月を上回るヒット。
    • 3月16日 - 東宝、記録映画『札幌オリンピック』の全世界配給の契約を日本オリンピック委員会と交わす。国内配給は東宝、海外輸出は東宝国際。
    • 3月18日 - 東映まんがまつり封切、『ながぐつ三銃士』(演出:勝間田具治)に『仮面ライダー対ショッカー』などを併映。
    • 3月31日 - 日本映画産業振興協会解散。
  • 4月
    • 4月5日 - 日本テレビ系列『水曜ロードショー』放映開始。
    • 4月8日 - ヘンリー・小谷(キャメラマン・監督、84歳)死去。
  • 5月
    • 月刊『ロードショー』創刊。
    • 日活、東京・新宿日活オスカー(旧・新宿日活劇場)売却。
    • 映倫、ポルノ映画に対する後退的な新基準を発表。
    • 5月1日 - 松竹子会社・外国ポルノ映画専門のグローバルフィルム設立。
    • 5月5日 - 東京・ニュー東宝からニュー東宝シネマ1に、また、スキヤバシ映画劇場からニュー東宝シネマ2に名称変更。
    • 5月11日 - 20世紀フォックスが東和に映画配給を委託。合わせて従業員のリストラを実施。
    • 5月13日 - 大阪・千日デパート火災。
    • 5月16日 - 東映、洋画部を新設、松竹・東急レクリエーションと提携し洋画配給業に進出。最初は外国ポルノ映画中心、のちに洋画系上映の邦画を製作・配給。スタートは7月公開の性医学映画『幸福へのカルテ』(西ドイツ)。
    • 5月26日 - 東宝、芸苑社設立。
  • 6月
    • 東宝、撮影所所属の演技者契約問題解決。
    • 6月24日 - 東宝、記録映画『札幌オリンピック』公開。全館共通入場券の前売券を初めて実現。
    • 6月30日 - 映倫、新「映画宣伝広告審査基準」を決定、翌日から実施。
  • 7月
    • 映画・コンサート・演劇などのエリア情報誌『ぴあ』創刊。
    • 7月15日 - フランシス・フォード・コッポラ監督『ゴッドファーザー』を東京・テアトル東京、新宿プラザ劇場、大阪・OS劇場、阪急プラザ劇場でロードショー公開し記録的なヒットとなる。
    • 7月24日 - 本年1月以来労使対立関係にあった20世紀フォックスの合理化問題、組合案を会社側が受け入れ解決。
    • 7月28日 - 創立40周年記念、東宝映画創立記念行事の一環で、映画化が望まれる日本・外国の文学作品を、著名人によりあらかじめ選出された60作品の中から一般公募により決定する「あなたが選ぶ世界の恋と青春」を実施。応募総数約5万通の中から審査の結果、『雪国』(川端康成)、『仮面の告白』(三島由紀夫)、『化石の森』(石原慎太郎)、『ながい坂』(山本周五郎)、『斜陽』(太宰治)が選出。
  • 8月
    • 日活、ロマン・ポルノで活況。
    • 8月3日 - 東映動画、合理化のため希望者退職募集とロックアウトの実施(12月26日解除)。
    • 8月4日 - 文化庁、年間10本にそれぞれ奨励金1000万円を交付する、優秀映画製作奨励金交付制度の設置を決定した。
    • 8月12日 - 『新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義』(降旗康男監督) / 『女番長ゲリラ』(鈴木則文監督)封切。
    • 8月25日 - 『女囚701号/さそり』(伊藤俊也監督) / 『まむしの兄弟 傷害恐喝十八犯』(中島貞夫監督)封切、好調な成績。
  • 9月
    • 9月1日 - 東映、洋画系劇場を強化するため、静岡ニュー東映、広島東映地下、福岡東映地下の各劇場を静岡東映パラス、広島東映パラス、福岡東映パラス各劇場と改称、洋画系に変更。
  • 10月
    • 10月6日 - 文化庁、日活ロマンポルノ『エロスの誘惑』(藤田敏八監督)を優秀映画奨励作品として受理、ポルノ映画は同制度はじまって以来初。
    • 10月9日 - 東宝、青灯社設立。
    • 10月22日 - 柳家金語楼(落語家・喜劇役者、71歳)死去。
  • 11月
    • 11月1日 - 東映、外国映画輸入配給協会(外配協)に加入。
    • 11月2日
      • 松竹、多角経営(不動産事業)の積極化、東劇(東京劇場)の再開発を合わせて発表。
      • 名古屋・エンゼルビル竣工。同ビル内にエンゼル東宝、名古屋東宝ボウル、それぞれ開場。
    • 11月13日 - 女優・岡田嘉子、34年ぶりに帰国。
    • 11月15日 - 東宝、創立40周年記念パーティーを東京會舘で挙行。
    • 11月18日 - 「ビバ!チャップリン」シリーズの第1弾、有楽座の『モダン・タイムス』が大成功。以後1976年2月14日公開の第9弾『ニューヨークの王様』までリバイバル連続上映。東和の「ビバ!チャップリン」シリーズの成功により、『風と共に去りぬ』、『戦場にかける橋』、『キートンのセブン・チャンス』(フランス映画社の「ハロー!キートン」シリーズの第1弾)など翌年にかけて第3次リバイバルブームが到来。
  • 12月
    • 山田洋次監督が菊池寛賞受賞。

周年

  • 創立40周年
    • 東宝 - 創立40周年記念作『忍ぶ川』(俳優座提携)、『札幌オリンピック』(ニュース映画製作者連盟)、 『新座頭市物語・折れた杖』(勝プロ)、『子連れ狼 死に風に向う乳母車』(勝プロ)、『海軍特別年少兵』(東宝映画)など。

日本の映画興行

  • 入場料金(大人)
    • 700円
    • 800円(邦画封切館)
    • 映画館・映画別
      • 600円(松竹、正月映画『男はつらいよ 寅次郎恋歌』)
      • 600円(松竹、8月公開『男はつらいよ 柴又慕情』)
      • 700円(有楽座、正月映画『屋根の上のバイオリン弾き』)
      • 600円(丸の内ピカデリー、正月映画『オメガマン・地球最後の男』)
      • 600円(渋谷パンテオン、正月映画『華麗なる大泥棒』)
    • 427円(統計局『小売物価統計調査(動向編) 調査結果』 銘柄符号 9341「映画観覧料」)
  • 入場者数 1億8739万人 - 映画人口が2億人割れ。
  • 興行収入 769億7100万円
年間配給収入の出典: 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月、48頁。 
上記以外の出典:「1972年度日本映画/外国映画業界総決算」『キネマ旬報』1973年(昭和48年)2月決算特別号、キネマ旬報社、1973年、90 - 95頁。 

各国ランキング

日本配給収入ランキング

日本映画は正確な数字が発表されていない。以下、邦画配給会社別の好稼働番組を挙げる。

  • 松竹
    • 男はつらいよ 寅次郎恋歌 / 春だドリフだ!全員集合!!
    • 人生劇場
    • 男はつらいよ 柴又慕情 / 祭りだお化けだ!全員集合!!
  • 東宝
    • 座頭市御用旅
    • 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる
    • 東宝チャンピオンまつり
    • 新兵隊やくざ 火線
    • 子連れ狼 三途の川の乳母車
    • 忍ぶ川 / 白鳥の歌なんか聞こえない
    • 札幌オリンピック
  • 東映
    • 純子引退記念映画 関東緋桜一家
    • 新網走番外地 吹雪の大脱走
    • ながぐつ三銃士
    • 新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義
    • 女囚701号/さそり
  • 日活
    • 八月はエロスの匂い
    • エロスの誘惑
出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、302頁。ISBN 978-4873767550。 

北米興行収入ランキング

日本公開映画

1972年の日本公開映画を参照。

受賞

  • 第45回アカデミー賞
    • 作品賞 - 『ゴッドファーザー』
    • 監督賞 - ボブ・フォッシー (『キャバレー』)
    • 主演男優賞 - マーロン・ブランド(『ゴッドファーザー』)
    • 主演女優賞 - ライザ・ミネリ(『キャバレー』)
  • 第30回ゴールデングローブ賞
    • 作品賞 (ドラマ部門) - 『ゴッドファーザー』
    • 主演女優賞 (ドラマ部門) - リヴ・ウルマン(『叫びとささやき』)
    • 主演男優賞 (ドラマ部門) - マーロン・ブランド(『ゴッド・ファーザー』)
    • 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『キャバレー 』
    • 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ライザ・ミネリ(『キャバレー』)
    • 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジャック・レモン(『お熱い夜をあなたに』)
    • 監督賞 - フランシス・フォード・コッポラ(『ゴッドファーザー』)
  • 第38回ニューヨーク映画批評家協会賞 - 『叫びとささやき』
  • 第25回カンヌ国際映画祭
    • グランプリ - 『黒い砂漠』(フランチェスコ・ロージ)、『労働者階級は天国に入る』(エリオ・ペトリ)
    • 監督賞 - ミクロシュ・ヤンチョー(『MEG KER A NE』)
    • 男優賞 - ジャン・ヤンヌ(『NOUS Nee VIEILLIRONS PAS ENSEMBLE』)
    • 女優賞 - スザンナ・ヨーク(『ロバート・アルトマンのイメージズ』)
  • 第33回ヴェネツィア国際映画祭
    • 金獅子賞 - 受賞作なし
  • 第22回ベルリン国際映画祭
    • 金熊賞 - 『カンタベリー物語』 (ピエル・パオロ・パゾリーニ)
  • 第46回キネマ旬報ベスト・テン
    • 外国映画第1位 - 『ラスト・ショー』
    • 日本映画第1位 - 『忍ぶ川』
  • 第27回毎日映画コンクール
    • 日本映画大賞 - 『忍ぶ川』

誕生

1月

  • 1月1日 - キャサリン・マッコーマック、イギリスの女優
  • 1月22日 - 朴璐美、日本の声優

2月

  • 2月16日 - 西田尚美、日本の女優
  • 2月19日 - 大森南朋、日本の男優

3月

  • 3月6日 - 大森美香、日本の脚本家・映画監督
  • 3月19日 - 稲森いずみ、日本の女優
  • 3月29日 - 諏訪部順一、日本の声優
  • 3月31日 - アレハンドロ・アメナバル、スペインの映画監督

4月

  • 4月5日 - 竹内順子、日本の声優
  • 4月7日 - 葛山信吾、日本の男優
  • 4月30日 - 常盤貴子、日本の女優

5月

  • 5月2日 - ザ・ロック、アメリカ合衆国のプロレスラー・男優
  • 5月9日 - 小高恵美、日本の女優
  • 5月25日 - 石田ひかり、日本の女優
  • 5月28日 - キアラ・マストロヤンニ、フランスの女優
  • 5月30日 - 保志総一朗、日本の声優

6月

  • 6月19日 - ロビン・タニー、アメリカ合衆国の女優

7月

  • 7月8日 - 谷原章介、日本の男優
  • 7月19日 - 藤木直人、日本の男優

8月

  • 8月11日 - 喜多嶋舞、日本の女優
  • 8月12日 - レベッカ・ゲイハート、アメリカ合衆国の俳優
  • 8月18日 - 中居正広、日本の元アイドル(元SMAP)・男優
  • 8月29日 - ペ・ヨンジュン、韓国の男優
  • 8月30日 - キャメロン・ディアス、アメリカ合衆国の女優
  • 8月31日 - クリス・タッカー、アメリカ合衆国の男優

9月

  • 9月8日 - 関智一、日本の声優
  • 9月14日 - 中村獅童 (2代目)、日本の歌舞伎役者・男優
  • 9月20日 - 鈴木砂羽、日本の女優
  • 9月28日 - グウィネス・パルトロー、アメリカ合衆国の女優

10月

  • 10月3日 - 真木蔵人、日本の俳優
  • 10月17日 - エミネム、アメリカ合衆国のヒップホップMC・男優
  • 10月21日 - 森田成一、日本の声優

11月

  • 11月13日 - 木村拓哉、日本の元アイドル(元SMAP)・男優
  • 11月28日 - 松雪泰子、日本の女優

12月

  • 12月3日 - 高岡早紀、日本の女優
  • 12月4日 - 宮村優子、日本の声優
  • 12月18日 - 武田真治、日本の男優・ミュージシャン
  • 12月28日 - 寺島しのぶ、日本の女優
  • 12月29日 - ジュード・ロウ、イギリスの男優

死去

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。 
  • 春日太一『仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル』新潮社、2012年3月20日。ISBN 978-4-10-610459-6。 
  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。 
  • 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。 
  • 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。 
  • 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。 
    • 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。 
  • 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。 

外部リンク

  • 日本映画 - 日本大百科全書(ニッポニカ)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 1972年の映画 by Wikipedia (Historical)