![幽☆遊☆白書 幽☆遊☆白書](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
『幽☆遊☆白書』(ゆうゆうはくしょ)は、冨樫義博による日本の漫画。全19巻。
主人公の浦飯幽助とその仲間たちの活躍を描く冒険活劇。主人公が死亡するところから物語が始まり、生き返る試練を受けることになる。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、1990年51号から1994年32号にかけて連載された(全175話+外伝1話)。1993年、第39回小学館漫画賞受賞。また、1992年から1995年までフジテレビ系列にて放送されたテレビアニメは高視聴率を記録した。通称は、冨樫含む「幽白(ゆうはく)」、原作漫画側が他に「幽遊」など。
ジャンプコミックス以外の話数カウントは「act.-」。2020年12月時点でコミックス累計発行部数は5000万部を突破している。
登場人物では蔵馬と飛影が女性読者から高い人気を博した。これは本作品の読者人気における語り草であり、週刊少年ジャンプ編集部が公認した番組の企画で紹介された他、作者本人も「(二人が)今の主人公です」と茶化したことがある。
2019年5月9日には舞台化が発表された。
2020年12月16日、Netflixでの実写シリーズ化を発表。2023年12月、世界190か国に向けて配信された。 公開3日目でNetflixが展開する世界ランキングで2位となった。
連載会議時は「ユーレイ入門(仮)」のタイトルで提出。その後連載が決定し正式にタイトルを考える。いずれ妖怪と対決することも考慮して『西遊記』をもじった『幽☆遊☆記(ゆうゆうき)』を提案したが、同時期に連載が開始された漫☆画太郎作『珍遊記(ちんゆうき)』とタイトルがかぶり、考え直すことに。その後、『幽☆遊☆』以降の単語として最初に思いついたのが『白書』であったため『幽☆遊☆白書』となる。『幽☆遊☆伝』や『幽☆遊☆物語』でも良かったらしい。
連載終了について、作者の冨樫は理由を「かねてからの自身の持病悪化、これ以上、出版社(集英社)に無理やり従って連載を続けても、同じことを、読者が飽きるまで繰り返すだけになるために、半ば私のわがままで止めた」と述べている。この思いは143話(残32話)掲載時には既に連載終了が決定済み、原稿が1話完成する度にカレンダーに×(バツ)をつけるほど強かった。
ジャンプ・コミックス7巻、完全版6巻、文庫版5巻、ジャンプリミックス3巻に収録されている外伝「TWO SHOTS」は、編集部から無理やり描かされたもので、原稿は下描きなしの一発勝負、あまりの腹立たしさにアシスタントも雇わなかったという。
連載終了後に冨樫が出した同人漫画『12人のおびえる者たち』では、浦飯幽助が新庄陽平、その他主要人物も役者が演じていた劇中劇であったことが描かれている。冨樫は山形県新庄市出身である。連載終了後、山形県が舞台の漫画『レベルE』を『週刊少年ジャンプ』に商業連載した。
主人公の浦飯幽助が交通事故死するところから始まり、様々な出来事を経て生き返る。そして、霊界探偵として活動する。以下に大まかな分類を示す。★は公式名がないため、便宜的に名づけたもの。また、☆はジャンプリミックス版でのみ使用されている。
桑原や幻海などの人間が住む人間界、蔵馬や飛影たち妖怪が住む魔界、コエンマやぼたんたちが住み、人間が死後に行くことになる霊界と、3つの世界から成り立っている。アニメ劇場版第2作では、冥界も存在していたことが明かされる。
浦飯幽助、桑原和真、蔵馬、飛影、幻海の技はそれぞれを参照のこと。
首縊島で行われる格闘大会。裏社会で富を得た人間が5人の妖怪を率いて互いに強さを競わせるもので1チームだけは裏社会の人間が任意に選んだ選手(主に裏社会の人間にとって不都合な人間)で構成された5人を「ゲストチーム」として強制的に大会に送り込ませることができる。尚、ゲストに拒否権はなく、断った場合は問答無用で始末される。
BBCも深く関与しており、各チームのオーナーにはBBCのメンバーが多く存在する。オーナーの人間は賭け金と優勝賞金(大会収益金の約45%)を、妖怪は格闘技戦の建前で人間界で力を開放させ発散し合う好機、ゲストチームは参加拒否による死との照らし合わせに大会に参加する。優勝チームは好きな願いを叶えられる。
妖怪のための大会のため、観客側は人間の時点で原則入場不可能。霊界は人間界での妖怪による暴力行為防止のためのストレス発散の場として黙認しているが、事前に悪業歴のある妖怪には島への入島制限を敷いている。
リングアウトやリング内でのダウンによる10カウント経過、相手選手死亡(判定上は戦闘不能)で勝利となる。対戦形式は星取り戦、勝ち抜き戦、総力戦、サイコロの出目によるランダムバトルなど双方のチームの合意で決められる。道具使用は可能。ロボットの参加は不可。決勝戦は死亡者が出ていない限り、開始時点で5人全員を揃えなければならない。1人補欠要員を用意でき、死者が出た時に埋めることが可能。
ゲストチームが浦飯チームの今大会においては、準決勝以降は屋根付きの暗黒ドーム(名称はアニメ版)で行われ、浦飯チームと戸愚呂チームの決勝戦の末、左京の手で自爆させられる。
雷禅、軀、黄泉により500年続いていた魔界三大勢力の三竦みが雷禅の死去により解かれた中、雷禅の遺志を継いだ浦飯幽助が黄泉の治める癌陀羅へ挨拶に行った際に提案した「ただのケンカ」。当初は軀、黄泉共に勢力を開放し、ただのケンカが起こると思われていたが、抽選場所は黄泉の治める癌陀羅となり、事実上黄泉勢力が保持され、大会まで93日時点での参加者は浦飯幽助側5名、軀側79名、黄泉側23名の計107名と、黄泉勢力管理下に大会が開催されることになった。
また、雷禅勢力側も雷禅勢力No.2北神たちによる浦飯幽助への黄泉に対する忠告や浦飯幽助を勝利者にさせるための事前確認が行われるなど、ただのケンカがしたかった浦飯幽助には不満足な状態にあった。しかし雷禅の旧友たちが浦飯幽助と合流し眠らせていた力を開放し合うと、残る二大勢力は互いに勢力を開放し、1人の選手として出場し合うことを宣言、最終的には6272名が参加、当初企画どおり「ただのケンカ」として無事開催されることになった。
本選の参加者は128名。開会式では企画者浦飯幽助により、「死者は出て欲しくない、自分は優勝者にはなれないかもしれない、今後も定期的に行われる大会として続けていこう」と開会の挨拶が行われた。予選の浦飯幽助戦では各妖怪を一殴りにリングから追い出し場外認定による勝利となった。暗黒武術会決勝戦浦飯幽助対戸愚呂(弟)戦のようなリングを破壊しての場外戦が起きたかどうかは不明。時間無制限で浦飯幽助対黄泉戦では、黄泉が視覚に障害を持つ中で60時間戦い抜いて勝利した。優勝者は魔界の統治者になることができる。第1回目の優勝者は雷禅旧友の煙鬼。
冨樫義博 『幽☆遊☆白書』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、全19巻
2004年8月から2005年3月にかけて全15巻が毎月2冊ずつ(最終月のみ1冊)刊行。また完全版刊行に合わせて、『幽☆遊☆白書』初となるキャラクターブック、『幽☆遊☆白書』および冨樫義博初となる画集(A4判)も発売された。この出来事を、冨樫は全く予想していなかったどころか、最終巻(19巻)の表紙が『幽☆遊☆白書』連載時最後の仕事で、「もうこいつら(幽助、桑原、蔵馬、飛影)に色塗ることもないだろう」と思いながら描き下ろしていたと語る。
集英社文庫より2010年11月から毎月1巻ずつ、全12巻が刊行された。1巻で原作者冨樫義博による刊行にあたっての一言、12巻で描き下ろし漫画、3 - 4巻でアニメのプロデューサー荻野賢、キャラクターデザイナーの北山真理のインタビューが掲載された。
1巻の作者一言では、現在の自分は別物であること、当時思い出として、銀行の支店に通され、支店長からサインをすすめられた後、雑談を交わしたが作品タイトルを間違えられ相槌を2度返した以後のことは覚えていないとの一言を述べている。
北山のインタビューによると、男性読者には戸愚呂(弟)が人気があり、戸愚呂(弟)が描かれたPOPが文庫版の宣伝に使われた、女性の人気が高い鴉が表紙の7巻においては、女性店員による手書きPOPがあちこちの書店で立ったという。
最終巻には「感謝の気持ちを込めての」本編以来の「味わい深い」描き下ろし漫画が掲載された。内容は、腹部に「凶」と書かれたパンダが、口から血を流して倒れている螢子を見て激高し立ち向かって来た幽助の頭を破裂させ、さらに待ち構えていた飛影、蔵馬を一撃で倒すというもので、セリフだけが作品に対する思い入れと今後の創作への抱負、読者への感謝のコメントになっている。なお桑原は最後の一コマで指を突き立てながらの締め括りの挨拶でのみ登場した。
初代の高橋俊昌は、冨樫のデビュー前から担当していた。途中から嶋智之に引き継がれた。
また、次回作の担当である佐々木尚は、本作品終了以降には担当を務めていた。
舞台「幽☆遊☆白書」のタイトルで、2019年8月28日から東京・シアター1010をはじめとした4都市にて上演。脚本・演出は御笠ノ忠次が担当。
第2作目が、舞台「幽☆遊☆白書」其の弐のタイトルで、2020年12月5日から東京・品川プリンスホテル ステラボールをはじめとした3都市にて上演。当初は12月4日に開幕予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で初日が1日後ろ倒しとなった。脚本は御笠ノ忠次から改名した伊藤栄之進、演出には前回から続ける伊藤の他に加古臨王と荒木宏文が加わった。
2023年12月14日より、Netflixにて世界190か国向けに配信。主演は北村匠海。
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