長項線(チャンハンせん)は、大韓民国忠清南道天安市にある天安駅と全北特別自治道益山市にある益山駅までを結ぶ、韓国鉄道公社(KORAIL)の鉄道路線である。
概要
ソウルのベッドタウン化が進む天安市から、温陽温泉を経て南西に向かい、忠清南道西南部の黄海沿岸地域を通り、湖南線・全羅線が接続する益山駅までを結ぶ。
沿線には温泉地として名高い温陽温泉、道高温泉があるほか、南部の沿線地域には海水浴場が点在する(長項線自体はほとんど海岸沿いを通らない)。
2008年12月15日、天安駅から新昌駅まで19.7kmの区間が電化・複線化の上、首都圏電鉄1号線の乗り入れが開始された。また2009年6月1日、200000系特急形電車によるヌリロの運行が始まった。
2016年12月現在、一般列車はセマウル号が一日5往復、ムグンファ号が一日10往復運行され、全列車が京釜線龍山駅からの直通列車である。
歴史
天安 - 長項間は、日本統治時代に私鉄の朝鮮京南鉄道により、忠南線として1931年に全通した(なお、朝鮮京南鉄道は安城線も運営していた)。光復後、米軍政期の1946年の法令により、当時民営だった忠北線、京春線などと共に国有化され、1955年に長項線と改称された。
群山 - 益山間は、群山港への貨物輸送を目的に、朝鮮総督府鉄道局の群山線として1912年に開通した。
2008年1月1日に、錦江を隔てた長項駅と群山線大野駅の間に新線が開業し、群山線が長項線に編入され、天安から益山までのひとつの路線となった。この際、長項駅と群山駅は新線上に移設され、旧駅へ続く旧路線はそれぞれ長項貨物線・群山貨物線として貨物専用となった。
天安 - 長項間(旧・長項線)
- 1922年
- 6月1日 忠南線天安駅 - 温陽温泉駅間開業。
- 6月15日 温陽温泉駅 - 礼山駅間開業。
- 1923年
- 11月1日 礼山駅 - 洪城駅間開業。
- 12月1日 洪城駅 - 広川駅間開業。
- 1929年12月1日 - 広川駅 - 藍浦駅間開業。
- 1930年11月1日 - 板橋駅 - 長項駅(現:長項貨物駅)間開業。
- 1931年8月1日 - 藍浦駅 - 板橋駅間開業により全線開通。
- 1946年5月10日 - 国有化。
- 1955年9月1日 - 路線名を長項線に改称。
- 1991年 - セマウル号の運行を開始。
- 2007年
- 3月30日 - 天安駅 - 温陽温泉駅間を新線に切り替え。牙山駅開業。毛山駅を排芳駅に改称。
- 12月21日 - 温陽温泉駅 - 新礼院駅間・周浦駅 - 藍浦駅間で線形改良。道高温泉駅移転。
群山 - 益山間(旧・群山線)
- 1912年3月6日 - 裡里駅(現:益山駅) - 群山駅(現:群山貨物駅)間開業。
- 1931年8月1日 - 群山駅 - 群山港駅間開業。
- 1943年12月1日 - 群山埠頭駅開業、群山港駅廃止。
- 1945年以後 - 群山埠頭駅廃止。
- 1996年9月16日 - 9501系気動車の運行を開始。
統合後(現・長項線)
- 2008年
- 1月1日 - 長項線 (新)長項駅 - (新)群山駅 - 大野駅間開業。群山線 大野駅 - 益山駅間を長項線に編入。(旧)長項駅を長項貨物駅に、(旧)群山駅を群山貨物駅に改称し、(新)長項駅 - 長項貨物駅間を長項貨物線、大野駅 - 群山貨物駅間を群山貨物線として分離。
- 11月27日 - 艮峙駅 - 長項駅間で線形改良。
- 11月28日 - 新礼院駅 - 華陽駅間で線形改良、挿橋駅移転。
- 12月1日 - 華陽駅 - 新城駅間で線形改良、洪城駅移転。
- 12月15日 - 天安駅 - 新昌駅間 電化・複線化、首都圏電鉄1号線開業。
- 2009年6月1日 - ソウル駅 - 新昌駅間で200000系電車によるヌリロの運行開始。
- 2015年2月5日 - 龍山駅 - 益山駅間で観光列車「西海金光列車」の運行を開始。
- 2016年12月9日 - ヌリロの運行を終了。
- 2017年2月28日 - ヌリロの運行を再開。
- 2020年5月22日 - ヌリロの運行を終了。
- 2020年8月13日 - 艮峙駅廃止、大野駅 - 益山駅間が新線に移設。
駅一覧
広域電鉄区間(天安 - 新昌)
- 広域電鉄(1号線)は急行も含めて各駅停車であるため省略。
- ●:停車、|:通過
温陽温泉 - 益山
廃駅
- 細橋駅 - 天安駅と排芳駅との間に存在した。1974年6月1日廃止。
- 鶴城駅 - 新昌駅と道高温泉駅との間に存在した。2008年1月1日廃止。
- 仙掌駅 - 新昌駅と道高温泉駅との間に存在した。2008年1月1日廃止。
- 吾可駅 - 礼山駅と挿橋駅との間に存在した。2008年12月15日廃止。
- 新谷駅 - 新城駅と広川駅との間に存在した。1974年6月1日廃止。
- 舟橋駅 - 周浦駅と大川駅との間に存在した。2008年1月1日廃止。
- 玉西駅 - 藍浦駅と熊川駅との間に存在した。1992年5月2日廃止。
- 艮峙駅 - 熊川駅と板橋駅との間に存在した。2020年8月13日廃止。
- 珠山駅 - 熊川駅と板橋駅との間に存在した。2006年6月23日廃止。
- 温洞駅 - 熊川駅と板橋駅との間に存在した。
- 奇洞駅 - 板橋駅と舒川駅との間に存在した。2006年6月23日廃止。
- 三山駅 - 舒川駅と長項駅との間に存在した。2006年6月23日廃止。
- 九切駅 - 舒川駅と長項駅との間に存在した。
- 臨陂駅 - 大野駅と益山駅との間に存在した。2020年8月13日廃止。
- 五山里駅 - 大野駅と益山駅との間に存在した。2020年8月13日廃止。
使用車両
一般列車
客車
ディーゼル機関車
- 4400形
- 7100形
- 7200形
- 7300形
- 7400形
- 7500形
広域電鉄
過去の使用車両
電車
気動車(ディーゼル動車)
- 101系セマウル形(DHC)
- 111・251系セマウル形(DHC)
ディーゼル機関車
気動車
関連項目
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