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春秋社


春秋社


株式会社春秋社(しゅんじゅうしゃ)は、日本の出版社。仏教を主とした宗教書を軸に哲学、思想、心理、文学、音楽の各部門の専門書・入門書を刊行している。ほかに音楽書の『世界音楽全集 ピアノ篇』シリーズで、井口基成編集による校訂版は1949年に初出版。

概要

所在地

  • 本社 〒101-0021 東京都千代田区外神田二丁目18-6
  • 倉庫 〒134-0015 東京都江戸川区西瑞江五丁目4-8

沿革

1918年(大正7年)8月22日、神田豊穂、古館清太郎、加藤一夫、直木三十五らにより創設される。なお、これは法的な登記上の話であり、実質的には神田豊穂と古館清太郎によるものとされる。わんや書店で総編集長をしていた神田が、編集助手の古舘に相談して創業を決意し、加藤一夫、直木三十五、中尾文次郎を加え、東京市日本橋区に事務所を構えた。

直木が処女出版として『トルストイ全集』を提案し、編集者として木村毅、柳田泉、浜田広介、監修者として内田魯庵、片上伸、昇曙夢、翻訳者として米川正夫、中村白葉らが動員される。新聞広告を出してから3日ほどで予約が殺到し、当時の相場が初刷500部であるのに対し、3000部を超える申し込みがあった。これにより、春秋社は基盤を固めた。

1919年(大正8年)、神田神保町に新事務所を構える。1921年(大正10年)、西田天香の『懺悔の生活』と中里介山の『大菩薩峠』が大ヒットとなる。昭和恐慌の後の円本ブームに『世界大思想全集』を出し、莫大な利益を得る。その利益で、1928年(昭和3年)に日本橋呉服橋に自社ビルを建造し、静岡県田方郡伊東町に別荘を購入する。

1935年(昭和10年)、株式会社春秋社に改組する。1941年(昭和16年)、神田豊穂が逝去。1945年(昭和20年)、戦災によって社屋在庫品や紙型の一切を消失する。

息子の神田龍一が復員後に社長となり、1947年(昭和22年)に社屋を千代田区外神田に移して出版活動を開始する。入社させた戦友の1人が一橋大学出身だったこともあり、一橋大学の教科書類を春秋社が一手に引き受けることになる。

1976年(昭和51年)、新社屋を落成させる。

創業者・神田豊穂

神田豊穂(1884年 - 1941年)は、茨城県出身、麻布中学校卒、久米邦武の書生、1911年わんや書店に入り、『能楽雑誌』の編集に当たる。1918年独立。中里介山と親しく、能楽研究でも知られたが晩年失明。長男・神田龍一が後を継ぐ。三男貢は鷲尾雨工の養子となる。社の幹部として野口兵蔵、香原一勢がいる。著書に『皇室皇族聖鑑』(東洋文化協会 1933年)、翻訳にトルストイ『神の国は爾曹の衷にあり』(春秋社、1922年)がある。

主な発行物

  • トルストイ全集
  • ドストエフスキー全集
  • 懺悔の生活(西田天香著)
  • 日本歌謡集成(高野辰之編)
  • 大菩薩峠(中里介山著)
  • 世界大思想全集
  • 世界音楽全集
  • 鉄道交通全書
  • 日本歴史叢書
  • 現代経済学全集
  • 現代会計学全集
  • ハイエク全集
  • 中村元選集
  • 道元禅師全集
他多数。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • 小田光雄『古本探究』論創社、2009年2月20日。ISBN 9784846007003。 
  • 神田有「こころざし 風雪九十四年 「春秋社」小史(1)」『春秋』第537号、春秋社、2012年3月25日、9-12頁、NAID 40019277961。 
  • 神田有「こころざし 風雪九十四年――「春秋社」小史(2)」『春秋』第538号、春秋社、2012年4月25日、25-27頁、NAID 40019319025。 
  • 神田有「こころざし 風雪九十四年――「春秋社」小史(3)」『春秋』第540号、春秋社、29-31頁、NAID 40019378721。 

関連項目

  • 伊吹敦 - 準社員として在籍する
  • 岡野守也 - 編集者として在籍する
  • 松本市壽 - 編集者として在籍する
  • 宮元啓一 - 編集者として在籍する
  • 山折哲雄 - 準社員として在籍する

外部リンク

  • 春秋社ホームページ

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 春秋社 by Wikipedia (Historical)