![鹿児島駅 鹿児島駅](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1f/JR-Kagoshima-Station-building2020-10.jpg/400px-JR-Kagoshima-Station-building2020-10.jpg)
鹿児島駅(かごしまえき)は、鹿児島県鹿児島市浜町にある、九州旅客鉄道(JR九州)の駅である。事務管コードは▲940126。
なお本項では、駅前にある鹿児島市交通局(鹿児島市電)の鹿児島駅前停留場についても記述する。
鹿児島本線と日豊本線の正式な終点である。歴史的に当駅の開業が早かったこともあり、「鹿児島駅」を名乗っている。しかし、列車の運行上では鹿児島本線側に1駅隣の鹿児島中央駅が両線の事実上の終点の機能を果たしており、当駅の地位は鹿児島中央駅が西鹿児島駅を名乗っていた時代から相対的に低い。大型時刻表巻頭路線図の都道府県庁所在地代表駅についても、『JR時刻表』(交通新聞社) 、『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)とも鹿児島中央駅が選定されている。
当駅と鹿児島中央駅は混同されやすいため、地元では鹿児島中央駅を「中央駅」と呼ぶことで混同を避けている。
鹿児島本線、日豊本線の2路線が乗り入れており、いずれも当駅を終点としている。このため、当駅から出る線路は(既に廃止された貨物線を除き)上り線だけである。ただし、当駅を境として列車番号を変えず、当駅をまたいで直通する列車が多い。このため、当駅 - 鹿児島中央駅間では、線路としての上下と列車としての上下が逆になる列車が多数ある。構内には鹿児島本線と日豊本線のキロポストが両方存在する。営業キロ上は、駅の南側に隣接する日本貨物鉄道(JR貨物)の鹿児島貨物ターミナル駅と同一地点にある。なお当駅の所属線は鹿児島本線である。
上記でも述べたように、鹿児島本線、日豊本線は、運行上では鹿児島中央駅を終点としている。鹿児島本線の列車は多くが鹿児島中央駅で折り返すため当駅まで乗り入れるものは少なく、逆に日豊本線は全列車が鹿児島中央駅まで乗り入れるため、当駅は日豊本線の中間駅としての位置付けが強くなっている。このため、正午から夕方まで鹿児島中央駅に向かう普通列車は、市街地間を結ぶにもかかわらず1時間以上発車間隔が空いている便が複数ある。このほか、鹿児島中央駅を起点とする指宿枕崎線の一部列車が、当駅まで乗り入れている。
第一期線の終点であるが、運行上は他の路線に直通し、1系統・2系統それぞれの起点となっている。
鹿児島へ至る鉄道は八代から海岸線経由と山間部経由のルートが検討され、海岸の鉄道は戦時に敵の攻撃に弱いという軍部の主張から山間部経由が先に建設された。このことから人吉・吉松を経由する肥薩線のルートで鹿児島への鉄道を建設することになり、その鹿児島側からの建設区間としてまず鹿児島 - 国分(後に改称して隼人駅となる)間が1901年(明治34年)6月10日に開業、その際鹿児島駅は鹿児島市の市街地の中でも最北部に設置された。その後、1909年(明治42年)11月21日に矢岳第一トンネルを越える区間が完成して鹿児島が全国鉄道網と結ばれた。
その後、海岸線経由の鉄道も建設が進められ、鹿児島本線も終点駅の鹿児島駅からさらに南に延伸し、武駅(後に西鹿児島駅を経て現在の鹿児島中央駅となる)が1913年(大正2年)10月11日に開業した。海岸線経由の鉄道が武駅に到達すると、こちらが鹿児島本線となり従来の人吉・吉松経由の路線が肥薩線となった。
第二次世界大戦後、鹿児島市の市街地整備が進展すると次第に南側へ発展していくようになり、鹿児島駅の地位は相対的に低下して西鹿児島駅が発展するようになった。運転上の拠点だった鹿児島機関区は鹿児島駅の脇に設置されていたが、鹿児島工場(後の鹿児島車両所)や鹿児島運転所などその他の運輸関係機関は西鹿児島駅のそばに建設された。西鹿児島駅へ鹿児島の中心駅としての地位を移転させる提案は地元の強い反対を受け、名前のみは当駅が鹿児島と名乗り続けているが、長距離列車の始終着駅は1971年(昭和46年)から西鹿児島駅へ移転(鹿児島本線経由列車は区間短縮、日豊本線経由列車は区間延長)し、2004年(平成16年)九州新幹線の開通に際して西鹿児島駅が鹿児島中央駅に改名し、新幹線の終着駅となったのちは名実ともに鹿児島中央駅が鹿児島市の中心駅となっている。
1976年(昭和51年)から使用されてきた4代目駅舎は2018年(平成30年)10月19日で営業を終了し、翌20日から仮駅舎で営業を始めた。2019年秋に新駅舎が完成する予定であったが、資材の調達遅れにより完成が遅れ、翌2020年(令和2年)2月15日に使用開始となった。
島式ホーム2面4線を持つ地上駅。橋上駅舎であり、コンコースは2階に存在する。5代目駅舎に改築された際にバリアフリー仕様となり、駅入り口と改札階コンコース、改札内通路と各ホームをつなぐエレベーターが設置された。
かつては3面5線の構造だったが、現在は駅本屋側から4線が使用されている。旧2番線を1番線(1番のりば)に改め、鹿児島中央方面への主本線として使用している。旧3番線は2番線としてホームの無い中線となっており、鹿児島貨物ターミナル駅の貨物列車の着発線専用として使用している。旧4番線は3番線(2番のりば)として使用され、上下線どちらの折り返しにも対応しており、旧5番線であった4番線(3番のりば)は国分方面への主本線となっている。旧1番線は国分方からの機回し線を備えた終端ホームであったが、現在は機回し線も撤去され、現在の1番線ホーム脇の旧1番線のあった箇所は駐車場となっている。山側の旧5番線も線路が撤去され、廃止となっているがホーム跡は残り、元本屋との跨線橋階段部分が残骸として残っている。4代目駅舎時代までは1番のりばホーム竜ケ水寄りの軒下に「桜島観光最寄り駅」の看板が掲げられていた。
5代目駅舎への改築工事の過程で旧5番線ホームと跨線橋は撤去された。新たにできたスペースには新設される自由通路への階段、バス停留所などが整備される予定。
当駅周辺の連続立体交差事業が検討されていたが、財政難を理由に鹿児島県は凍結の方針を打ち出している。
直営駅で、みどりの窓口が設置されている。
IC乗車カード「SUGOCA」の利用が可能であるが(相互利用可能ICカードはSUGOCAの項を参照)、自動改札機は簡易SUGOCA改札機のみが設置されており(導入していた時から簡易機を使用、谷山駅のように駅舎が新しくなっても自動改札機にはなっていない)、磁気乗車券、磁気定期券などは駅員が改札を行う。SUGOCAはみどりの窓口や自動券売機(無記名式のみ)で購入できる。
タッチパネル式の自動券売機が2台設置(1台がICカード対応、1台が非対応)、改札内にはICカードチャージ機が設置されている。
太平洋戦争末期1945年(昭和20年)7月27日の鹿児島空襲の際に、超満員の乗客を乗せ停車中の列車3本に米空軍ロッキード爆撃機から投下された大型1トン爆弾数発が直撃命中し、公式には乗客職員死者420名以上重軽傷者650名以上とされている。旧5番線ホームに犠牲者を悼む慰霊碑が建立されていたが、2020年の駅舎・駅構内の改良工事に伴い、現在の1番線ホームの宮崎寄りのホーム端に移設されている。
3面3線の櫛形ホームをもつ地上駅。鹿児島駅を出てすぐ右に位置するが屋根等での連絡はない。リニューアル前の停留場は1991年に完成したものであり、以前は3面2線の屋根無しの駅舎だった。また、設置当初の駅名は停車場前だった。
電車到着ベル・発車アナウンスがある。両のりばとも車椅子の使用は可。ただし、電動車椅子はホーム幅が規定に足りないため不可。また、無人駅である。
2020年2月1日から翌年3月26日までの間は駅舎改築工事のため当停留場は供用停止となっており、1つ手前の桜島桟橋通停留場から発着していたが、2021年3月27日の始発列車から利用が再開された。
2つの系統が利用するが、系統によってホームは分かれていない。なお、原則として1系統で到着した車両は2系統として、2系統で到着した車両は1系統として発車する。
鹿児島市では「鹿児島駅周辺都市拠点総合整備事業」を2003年に設立、JR九州との共同で鹿児島駅と周辺一体の再開発を進めている。主な事業内容として、
などが盛り込まれたが、連続立体交差化は財政難を理由に凍結。現在、駅東側の未利用地の整備のみ着工している。その他については、2016年8月までには基本設計を取りまとめる予定である。
もともと鹿児島城の城下町の中でも最北部に位置する一帯として上町(かんまち)と称されている地区に位置している。古くから鹿児島港近傍の地区として発展してきたが、鉄道が開通し鹿児島機関区も設置されると鹿児島における鉄道の拠点ともなり、陸海の交通の接続する地点となって繁栄した。運輸・倉庫業や卸売・商工業など各種の産業が栄えていた。また鹿児島県庁や鹿児島市役所も近くにあり、こうした機関への用務客も訪れた。しかし、鹿児島市における鉄道の拠点の役割は1971年(昭和46年)に西鹿児島駅(後の鹿児島中央駅)へと移転し、こうした繁栄は失われていった。鹿児島港も再開発により南部へ機能を移し、運輸・倉庫関連の産業も移転した。さらに1996年(平成8年)11月に鹿児島県庁が鴨池新町へと移転したことから、利用客も大きく減少している。鹿児島駅周辺地区は人口も減少しており、鹿児島市内でも高齢化率が高い地域となっている。 しかし、かつての賑わいを取り戻すために駅近くに大規模な公園(他にも様々な施設を含む)が作られており、鹿児島の中でも今後の再開発によってどのように生まれ変わるか地元住民からも期待されている。
鹿児島交通と鹿児島市営バス、南国交通、JR九州バス(北薩線)が発着する。
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