『ピコリーノの冒険』(ピコリーノのぼうけん)は、1976年4月27日から1977年5月31日までNET系列 → テレビ朝日系列で放送されていたテレビアニメである。正式名称は『ピノキオより ピコリーノの冒険』。全52話。放送時間は毎週火曜 19:30 - 20:00 (日本標準時)。
朝日放送と日本アニメーションとアポロフイルムが共同製作した作品。監督は、『あらいぐまラスカル』の遠藤政治と『トムソーヤーの冒険』『牧場の少女カトリ』の斉藤博が務めた。ピノキオを題材としたアニメとしては1972年に タツノコプロが製作した『樫の木モック』があるが、本作は動物キャラを多数配置することで差別化を図っている。
あらすじ
とある所に、ゼペットという一人の老人が住んでいた。ある日かしの木から一体の人形を作った。ところがその人形がなんと生命を持った。それに驚いたゼペットは、その生命を持った木人形にピコリーノという名前をつけた。ゼペットはピコリーノに衣服や食物を与え学校に通わせることにする。ピコリーノはアヒルのジーナと学校に向かう途中、ボロ狐とどら猫の二人組に騙されて芝居小屋に売られてしまう。やんちゃだが根はやさしいピコリーノは仙女に助けられ、これからは善い行いをするように努力することを約束をする。そして幾分か経ってピコリーノはジーナとゼペットの家に戻るため旅に出る。いろいろな人との出会い、楽しいことや悲しいことなどを経験しながら旅を続け、何度かの擦れ違いを経て、クジラのお腹の中でゼペットと再会をする。家に帰ったピコリーノは、ある朝自分が人間の子供になっていることに気付き、皆の前で歓喜するのだった。
登場人物
- ピコリーノ
- 声 - 野沢雅子
- 本作の主人公。ゼペットの作った生きている木人形。やんちゃな性格。ボロ狐らに騙されて芝居小屋に売られて以来、ゼペットの家に戻るため、ジーナとさまざまな場所を旅している。
- ジーナ
- 声 - 杉山佳寿子
- ピコリーノと親しいアヒル。
- ゼペット
- 声 - 千葉順二
- ピコリーノの作り主。
- ロッコ
- 声 - 肝付兼太
- ゼペットの家で暮らすキツツキ。
- ジュリエッタ
- 声 - 麻生美代子
- ゼペットの家で暮らすネコ。
- ボロ狐 / ディノ
- 声 - はせさん治
- どら猫とともに言葉巧みにピコリーノを誘う。
- どら猫 / ウィッチ
- 声 - 永井一郎
- ボロ狐とともに言葉巧みにピコリーノを誘う。
- 仙女
- 声 - 小山まみ
- 瑠璃色の髪の少女。ピコリーノが嘘をつき努力を怠るたびに魔法を使って罰を与える。
- タカ
- 声 - 飯塚昭三
- 仙女の配下。
- ムク犬
- 声 - 和田啓
- 仙女の配下。
- ナレーター
- 声 - 麻生美代子
スタッフ
- 原作:カルロ・コルローディ
- 製作:本橋浩一
- 監督:遠藤政治、斉藤博
- シリーズ構成:丸山正雄
- 音楽:中村泰士
- 脚本:山崎厳、金子裕
- キャラクターデザイン・作画監督:桜井美知代(現在では櫻井美知代と表記)
- 美術監督:井岡雅宏
- 美術補:山口俊和
- 撮影監督:黒木敬七
- 音響監督:浦上靖夫
- 整音:中戸川次男
- 効果:柏原満
- 作画:朝戸澄子、神宮さとし、尾崎正善、トランス・アーツ、泉口薫 ほか
- 背景:サンアート、木下和宏 ほか
- 彩色:スタジオキリー、岩切親紀
- 仕上検査:宇野薫
- 撮影:トランス・アーツ、熊瀬哲郎、岡崎幸男
- 編集:岡安肇
- 現像:東京現像所
- 音響制作:オーディオ・プランニング・ユー
- 録音スタジオ:新坂スタジオ
- 制作デスク:遠藤重夫
- 制作進行:内山秀二 ほか
- アシスタントディレクター:腰繁男
- プロデューサー:大場伊紘(日本アニメーション)、渡辺忠美
- 企画・製作:日本アニメ企画、日本アニメーション株式会社
- 制作:朝日放送、日本アニメーション株式会社、アポロフイルム
主題歌・挿入歌
オープニングテーマとエンディングテーマは同名のシングルレコード「ピコリーノの冒険」(1976年6月発売、SCS-297)に、挿入歌はLPレコード「テレビまんがアイドルデラックス 7」(1976年8月発売、CW-7078)に収録されている。後者には『母をたずねて三千里』の主題歌・挿入歌も併録され、合計13曲のうち10曲を大杉久美子が歌った。
また、本作の主題歌・挿入歌全7曲はLPレコード「ピコリーノの冒険 うたとおはなし」(1976年10月発売、CW-7103)に再録され、同時に「ごめんねおじいさん」と「どら猫とぼろ狐」それぞれのシングルカット盤(SCS-318)もリリースされた。
以上のレコードは、いずれも日本コロムビアから発売された。
主題歌
- オープニングテーマ「ぼくはピコリーノ」
- 作詞 - 片桐和子 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 大杉久美子、ヤング・フレッシュ
- オープニングの映像は2バージョンあり、前期で家が映されていた場面が後期にはピコリーノがカメやロバに乗っている場面にされたり、森や鳩も途中で変更されたりした。また、後期にはジーナもオープニングに登場した。
- エンディングテーマ「オリーブの木陰」
- 作詞 - 片桐和子 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 大杉久美子、ヤング・フレッシュ / セリフ - 野沢雅子
挿入歌
- 「踊ろうよピコリーノ」
- 作詞 - 保富康午 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - ヤング・フレッシュ
- 「かわいいジーナ」
- 作詞 - 保富康午 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 堀江美都子
- 堀江によるセリフも収録されている。
- 「ごめんねおじいさん」
- 作詞 - 保富康午 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 大杉久美子
- 「たのしく行こうよ」
- 作詞 - 保富康午 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 大杉久美子、ヤング・フレッシュ
- 「どら猫とぼろ狐」
- 作詞 - 保富康午 / 作曲 - 中村泰士 / 編曲 - 京建輔 / 歌 - 永井一郎、はせさん治
各話リスト
放送局
- 朝日放送・NET系列→テレビ朝日系列(一部を除く):火曜 19:30 - 20:00(同時ネット)
- 朝日放送
- NET系列→テレビ朝日
- 北海道テレビ
- 東日本放送:火曜 19:30 - 20:00
- 名古屋テレビ
- 瀬戸内海放送(当時は香川県のみの県域局)
- 広島ホームテレビ
- 九州朝日放送
- 青森テレビ:木曜 17:20 - 17:50
- 岩手放送:火曜 17:30 - 18:00
- 山形テレビ:木曜 17:30 - 18:00
- 福島テレビ(1978年に放送):月曜 - 金曜 17:00 - 17:30
- 新潟総合テレビ:水曜 17:20 - 17:48
- 信越放送:水曜 17:00 - 17:30
- テレビ山梨:土曜 17:20 - 17:50
- 富山テレビ:木曜 16:45 - 17:15→木曜 16:50 - 17:20(1978年4月13日最終回時点)
- 石川テレビ:水曜 18:00 - 18:30
- 福井テレビ:金曜 19:00 - 19:30
- テレビ静岡:土曜 12:00 - 12:30
- 山陰放送:木曜 18:00 - 18:30
- 岡山放送:火曜 18:00 - 18:30(当時は岡山県のみの県域局)
- 南海放送:金曜 17:25 - 17:55
- 高知放送:木曜 18:00 - 18:30
- 長崎放送:水曜 17:20 - 17:50
- テレビ熊本:水曜 17:30 - 18:00
- 大分放送:水曜 17:20 - 17:50
- 鹿児島テレビ:水曜 17:30 - 18:00
劇場版
1976年12月19日公開の『東映まんがまつり』で、本作のブローアップ版が公開された。ただし地方のみでの公開で、第何話を公開したのかのは不明。
同時上映作は『西遊記』(東映長編アニメ版、再々映)、『UFOロボ グレンダイザー 赤い夕陽の対決』、『一休さん おねしょお姫さま』、『秘密戦隊ゴレンジャー 火の山最後の大噴火』、『忍者キャプター』の計5本。
商品展開
タカラより、磁石を用いて分離合体するフィギュアが発売された。同社の「マグネモ8シリーズ」と同じ機構を使用した玩具だが、「マグネモ」の商号は付されていない。また、同社による本作の玩具は、「女児向けキャラクター」との位置づけで商品展開された。ピコリーノは服の色違いが数種発売。
- 冒険好きの ピコリーノ
- 知りたがりやのキツツキ ロッコ
- かわいいアヒルの ジーナ
- めんどくさがりやのおばさん猫 ジュリエッタ
- いじわるなボロ狐 ディーノ
- ドジのドラ猫 ウィッチ
脚注
外部リンク
- ピノキオより ピコリーノの冒険 | 作品紹介 - NIPPON ANIMATION
- ピノキオ より ピコリーノの冒険 - メディア芸術データベース
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