![小松市 小松市](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4e/Natadera.jpg/400px-Natadera.jpg)
小松市(こまつし)は、石川県南部にあり、日本海に面する市。1940年(昭和15年)市制施行。
小松市は、建設機械メーカーのコマツの企業城下町であり、関連企業や工場も多い。そのため重工業が発達しており、北陸工業地域の一翼を担っている。製造品出荷額は6,798億円、県内では第1位である。(工業統計表、2008年)
また、歌舞伎の勧進帳の舞台となった安宅の関や那谷寺、粟津温泉など、自然や文化の面にも恵まれている。
人口では金沢市に次ぎ長らく石川県第二の都市であったが、2005年2月1日白山市の誕生で第三の都市となった。。
西は平野部で日本海に面して、東は山地に囲まれている。山のある東から西に梯川が流れている。平野部、山地とも面積は広いが海岸線は短い。 主な市街地は市内を南北に貫くIRいしかわ鉄道線、国道305号(国道8号から小松バイパス全通に伴い番号変更)沿いの平野部にある。平野部には住宅地が集中しているが、それ以上に田畑が多く、米の産地となっている。山地はブナなど森林に覆われており、豊かな自然が残っている。
夏場は天気の良い日が続き、気温は太平洋側とそれほど変わらない。湿度が非常に高く、南風が吹くと北陸に多いフェーン現象が起こるため非常に暑くなることもあり、2023年8月10日には石川県内で観測史上2回目となる最高気温40℃を記録した。
石川県は日本海側気候に入り、小松市も冬場は雪の日が多い。山麓には雪が多くスキー場もある。
しかし、暖かい対馬海流のため、海に近い平野部にはそれほど雪は積もらない。秋から冬のはじめにかけては時雨(しぐれ)と言われる天気が多くなる。
晴れのち嵐、というような天気で、晴天と激しい風雨が交互にやってくる日本海側独特の天気である。この時期からブリの旬に入るため、時雨のことを鰤起こしと言ったりする。年間降水量は日本でもトップクラスの多さである。
平安時代に花山天皇が巡幸した際、梯川のほとりにマツを植え、「園の小松原」と呼ばれたのが地名の由来とされる。
江戸時代になると加賀藩第三代藩主前田利常が隠居地として小松城に入城する。利常は那谷寺を再建するなど数々の寺社を造営し、また伝統工芸などの産業を振興した。
産業機械大手、建設機械のシェア世界第2位の小松製作所(コマツ)の本拠地である。 そのためいわゆる企業城下町となっており、小松市とその周辺は日本有数の機械工業の産業集積地域であると言われる。 コマツ以外にも、村田製作所、ブリヂストン、ジェイ・バス、コマニー、小松ウオール工業、共和工業所などの事業所がある。
また、近隣の能美市・能美郡川北町には東芝、ソニー、パナソニックなどの事業所があり、その関連企業が小松市を含む南加賀地方に集積している。 繊維業も盛ん。能美市にある小松マテーレ、東レ、加賀市にある帝人などの事業所の関連企業がある。 このように機械工業・繊維業が盛んなので、小松市とその一帯は北陸随一の産業地帯としてのイメージが強い。イグサの生産の北限であり、そのイグサを使用した畳は「小松表」の名で知られる。
また、加賀絹や九谷焼などの伝統工芸の産地としても有名である。
明治時代の近代期から昭和の戦後期にかけて尾小屋鉱山で銅の採掘が行われていた。
農業では自然環境とのバランスが保たれていることから環境王国認定協議会に環境王国に認定される。
小松市には市の中心部から程近いところに小松空港がある。北陸の拠点空港として、北陸地方と日本各地を結んでいる。韓国や中国との定期便も開設され、国際空港として整備された。そのため、小松市は北陸地域の重要な物流拠点でもある。
また、小松空港は自衛隊との共用飛行場であり、航空自衛隊が小松基地を配置している。自衛隊の小松市への経済波及効果も大きい。
工業・空港の町として見られることの多い小松市だが、小松城城下町として形成された市内中心部から加賀市動橋(いぶりばし)までの旧北国街道(北陸街道)沿いには、約10kmにわたって往事を偲ばせる町並みがある。
また、有名なものとしては歌舞伎の定番『勧進帳』の舞台安宅の関がある。歌舞伎といえば、市の中心部では5月中頃に子供歌舞伎で有名なお旅まつりが行われる。お旅まつりでは、京都の祇園祭のように曳山(山車)が町を巡る。曳山はそのまま小さな歌舞伎舞台となり、町の辻々で子供たちが歌舞伎を披露する。歌舞伎に所縁のある市として、小松市は「歌舞伎の町」をスローガンに町興しを行なっている。
市役所の近郊には前田家ゆかりの小松城址をはじめとして芦城公園• 葭島神社•小松天満宮などの史跡や重要文化財等がある。小松城の歴史は寛永16年(1639年)、2代藩主前田利常の隠居城という名目で築城された。完成した城域は金沢城の約二倍の規模を誇ったという。利常の死後は加賀藩金沢城の支城となり、城番により統治され、明治維新を迎えた。現在、城域はそれぞれ隣接する小松市役所、芦城公園、石川県立小松高等学校として開発され、遺構の保存状態は良くないが、天守台及び内堀の石垣が残る。建造物としては、鰻橋御門が小松市園町の来生寺寺門に移築され現存する。また、芦城公園については1904年(明治37年)に小松城三ノ丸跡に作られた回遊式庭園である。これは兼六園を手本に作られており、園内には小川や池が多数配されている。石川県の桜の名所として有名である。
2011年5月12日、小松駅前のコマツ小松工場跡地にこまつの杜がオープン。世界最大級のダンプトラック「コマツ930E」が展示されており、子供向けの展示施設である「わくわくコマツ館」、小松の自然を再現した「げんき里山」がある。
市内の粟津温泉には世界最古の同族企業として、ギネスブックにも載る法師旅館という温泉旅館がある。この旅館は718年(養老2年)の創業であり、開業当初から続く家系によって経営されている。
粟津温泉近くの那谷寺は奇観を有する境内が有名で、秋の紅葉が特に美しい。
粟津温泉以外にも、市内には多数の温泉が湧く。総湯と呼ばれる共同浴場や銭湯が町のあちこちにあり、手軽に温泉を楽しめる。温泉が水道のように供給されているマンションもある。
市街地から東に行くと山岳地域に入り、美しい渓谷に恵まれている。古い集落が点在しており、山村文化が色濃い。豊かな自然とその景観を活かして、山菜料理を楽しめる民宿やレストランが点在しているキャンプ場も多く、自然の中でキャンプやバーベキューを手軽に楽しめる。丸山町地区は県内随一のミズバショウの群生地であり、横谷ミズバショウ群生地として知られる。
市内から少し山に入ったところにあるハニベ巌窟院は、いわゆるB級スポットとして密かな人気がある。
海岸線は短く大半が砂浜、砂利浜である。 安宅神社近くに海水浴場、安宅新町には海岸に面して設備の整った小松ふれあい健康広場キャンプ場がある。
なお、小松製作所の海外生産拠点があり交流のあるドイツ・カイザースラウテルン市との友好都市締結も検討されている。
小松市が手取川の伏流水を水源に、石川県が手取川を水源に供給する。
小松市単独の公共下水道と、石川県下水道公社の加賀沿岸流域下水道に接続されている。
金沢市のNTT西日本 金沢支店が管轄。
市内の集配は以下の局が行う。
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