![フクイラプトル フクイラプトル](/modules/owlapps_apps/img/errorimg.png)
フクイラプトル(学名:Fukuiraptor、「福井の泥棒」の意)は、現在の日本に生息していた、前期白亜紀のバレミアン期あるいはアプチアン期の中型の獣脚類に属する恐竜。化石は北谷層で産出した。日本の福井県で発見されており、日本国内で発見された肉食恐竜としては初めて全身骨格が復元された。
タイプ標本 FPDM-V97122 は福井県勝山市の北谷層の産地で発見された。当該の標本は成熟しておらず、成体はより大型になった可能性があると考えられている。当該の産地では他個体の化石も数多く発見されており、上腕骨や大腿骨および歯がフクイラプトルのものとされている。しかし、同一の産地から回収された他個体はほぼ全てが幼体であり、ホロタイプよりも小型である。最も小さい例ではホロタイプの大きさの約四分の一未満である。なお、瀬林層の礫岩から発見されたある1本の歯 (NDC-P0001) も幅/FABL比と鋸歯の特徴がフクイラプトルと合致しているため、フクイラプトルのものである可能性がある。細長い趾骨から示唆されるように、その成熟に拘わらずフクイラプトルは比較的華奢な動物であった。2010年にグレゴリー・ポールはフクイラプトルを全長5メートル体重300キログラムと推定し、2016年に Molina-Pérez と Larramendi は全長4.3メートル体重590キログラムと推定した。
フクイラプトルの歯はカルカロドントサウルス科のもの(非常に圧搾されていて刃状であり、皺のあるエナメル質を伴う)およびティラノサウルス科(鋸歯の近傍に血を流すための鈍い溝を有する)のものと類似する。ホロタイプには非常に大型かつ平坦な末節骨があり、このため当初の分類では足の鉤爪と誤認されドロマエオサウルス科に分類されていた。2010年時点では、メガラプトル類として置かれている。
発見時にフクイラプトルはドロマエオサウルス科の属として考えられ、原記載に際してはアロサウルスに近縁なカルノサウルス類として扱われた。後の研究では、フクイラプトルはネオヴェナトル科の一部の可能性もある謎めいたグループであるメガラプトル類に属すと考えられている。しかし、さらに後のある研究では全てのメガラプトル類が実際にはティラノサウルス上科に属することが提唱されており、この場合フクイラプトルはコエルロサウルス類のティラノサウルス上科に分類される。グアリコの分岐解析ではフクイラプトルと他のメガラプトル類はアロサウルス上科にも、非ティラノサウルス上科型のコエルロサウルス類にも置かれている。
以下は、フクイラプトルをメガラプトル類の位置に復元したクラドグラム。Delcourt and Grillo, 2018 による。
以下のクラドグラムはRolandoらの研究によるもの(2022)。
フクイラプトルが回収された北谷層では、他の脊椎動物の化石が保存されている。正式に記載・命名された種としては、アンキロポレクシアの鳥脚類であるFukuisaurus tetoriensis、マクロナリア類の竜脚類であるFukuititan nipponensis、ハドロサウルス上科の鳥脚類であるKoshisaurus katsuyama、オルニトミモサウルス類の獣脚類であるTyrannomimus fukuiensis、マニラプトル形類の獣脚類であるFukuivenator paradoxus、鳥群のFukuipteryx primaがいる。
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