![2004年の日本シリーズ 2004年の日本シリーズ](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
2004年の日本シリーズ(2004ねんのにっぽんシリーズ、2004ねんのにほんシリーズ)は、2004年(平成16年)10月16日から10月25日まで行われたセ・リーグ優勝チームの中日ドラゴンズと、パ・リーグ優勝チームの西武ライオンズによる55回目のプロ野球日本選手権シリーズである。
西武ライオンズはパシフィック・リーグでレギュラーシーズン2位ながら、この年より導入されたプレーオフを制してリーグ優勝チームとなり日本シリーズ出場を決めた。中日と西武の対戦は西鉄時代を含めて過去3度の対戦で西武が2勝1敗。中日の落合博満、西武の伊東勤の共に新人監督同士の対決となり、西武が4勝3敗で12年ぶりの日本一を達成した。レギュラーシーズンの勝率1位チーム以外が日本一となるのは、1982年パシフィック・リーグ前期優勝ながら年間勝率2位でプレーオフ勝利の後同年の日本シリーズで同じく中日を破った西武以来22年ぶり4回目であった。伊東は史上7人目となる監督初年度での日本一を達成した。
レギュラーシーズンではわずか1勝に終わった石井貴が今シリーズで2勝をあげ、MVPを受賞した。日本シリーズでの勝利数がレギュラーシーズンの勝利数を上回ったのは1999年の吉田修司に次いで2度目であった。
なおこの日本シリーズ開催中の10月23日に新潟県中越地震が発生したが、翌10月24日の第6戦では試合前の黙祷などは行われず、試合前にナゴヤドームのオーロラビジョンに日本野球機構(NPB)・中日ドラゴンズ・西武ライオンズ名義で「新潟県中越地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます」と掲示されたに留められた。また、日本シリーズ勝者の西武はビールかけを自粛せず予定通り実施した。なお、中日の選手会は24日、被災地に寄付金100万円を贈ると発表した。井端弘和選手会長(当時)は「できる限りのことはしたかった。新潟にも中日ファンはいると思うので、あとはいいゲームを見せたい」と話した。
試合開始時刻は全て日本時間。 ○は勝利投手、●は敗戦投手、Sはセーブ投手を表す。
先発投手は中日はシーズン最多勝のエース川上憲伸、西武はシーズン1勝のベテラン石井貴。4回、中日は和田一浩に左翼に本塁打を浴び先制されると、5回には二死までは簡単に打ち取るものの、佐藤、赤田に連打を浴び、一、三塁のピンチでフェルナンデスの当たりは右飛。これで3アウトチェンジと思われた飛球を右翼手の英智が落球。セ・リーグ最少の45失策と堅守を誇る守備陣にミスが出て2-0とされる。5回裏、中日の攻撃で谷繁の捕ゴロからの併殺プレーについて、中日の監督の落合が「打者走者に対するタッチによってアウトがコールされたため、二塁はタッチプレーになり、アウトではない」と主張し、判定が覆った。しかし西武の監督の伊東がこれに対して異議を唱え、49分の中断となった。再開後も流れが変わることはなかった。その後は西武が石井貴、小野寺力、豊田清の継投で中日に完封勝利。西武は1998年の第5戦から続いていた日本シリーズの連敗も6でストップした。また、2000年の第6戦以来続いていた、「パ・リーグチームのセ・リーグ本拠地での連敗」が9でストップした。中日はエースの川上の好投を何れも失点には繋がらなかったものの、英智が初回にもクッション処理を誤ったり、9回に中島の遊ゴロをシーズンで4失策止まりだった井端が失策を犯したりといった守備のミスや2安打しか打てなかった打線の沈黙で見殺しにし、この年のペナントレースでは全試合で得点を挙げていたナゴヤドームで完封負けを喫した。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
1回、西武フェルナンデスが中日先発の山本昌から2点本塁打を放ち、先制点を挙げるが、3回、西武の先発の松坂大輔が制球難から調子を乱し、中日はアレックスの適時打と谷繁の満塁からの押し出し四球で逆転し、3-2。5回、西武が佐藤友亮、赤田将吾、和田の3選手の適時打で再び3-5と逆転。7回表には和田の2試合連続本塁打で3点差とする。7回裏、中日は先頭打者の大西崇之が一塁内野安打で出塁すると立浪和義の右越同点3点本塁打や谷繁の二塁打などで5点を取り、逆転。8回、英智と谷繁の2本の適時打で11-6とし、最後はストッパーの岩瀬仁紀が抑え、中日が勝利。対戦成績を1勝1敗とした。中日は1999年の日本シリーズ第3戦から続いていた連敗を4で止め、日本シリーズでナゴヤドーム初勝利を挙げた。西武は松坂が7回に崩れたのが誤算だった。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
西武の本拠地での初戦となる第3戦は、4回裏に西武が中日の先発のドミンゴからフェルナンデスの左前適時打とカブレラの2点本塁打で3点を先制、5回裏に中島裕之の右越ソロ本塁打で4-0とした。6回表に中日は西武の先発の帆足和幸からアレックスの中前適時打で1点を返し、代わった長田秀一郎から谷繁が左越満塁本塁打を打ち4-5と逆転。7回表にアレックスの中前適時打で1点を追加し4-6とする。7回裏、西武は一死二塁の好機で代打に石井義を送る。ここで一度はコーチ陣が集まったものの、中日は岡本の続投を決断。その後四死球で一死満塁と好機を拡大させた西武が佐藤の2点適時二塁打で同点に追いつく。さらに、二死満塁からカブレラの場外への満塁本塁打返しで10-6と再逆転した。中日は8回表にリナレスの本塁打などで2点差とするが、最後は豊田が抑え、10-8で西武が勝利。対戦成績を2勝1敗とした。中日は2番手で登板した岡本の続投が仇となった。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
当初第4戦は10月20日に実施されることとなっていたが、台風23号が列島縦断をしていることなどを考慮してドーム球場を舞台にした日本シリーズとしては初の中止・順延となった。
中日は2回表に西武の先発の張誌家からリナレスの本塁打で先制、4回表にはアレックスのソロ本塁打、井上の右越3点本塁打、5回表の谷繁の適時打などで8-0とする。西武は7回裏、フェルナンデスの適時打と8回裏に中島の本塁打で2点を返すものの、中日が8対2で勝ち、対戦成績を2勝2敗とした。一方西武は先発の張が誤算だった。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
先発は西武がシーズン10勝ながら、プレーオフは怪我の影響で登板機会がなかった西口文也。対する中日は川上。中日は3回表にアライバコンビが活躍し、1番荒木雅博の三塁打、続く2番井端弘和の内野選択の間に1点を先制。4回表には井上の2点適時打、更に9回表に立浪の2ラン本塁打、アレックスのソロ本塁打と2者連続本塁打でリードを広げた。一方の西武打線は5回まで川上に無安打に抑えられ、6回裏の小関竜也の適時打で1点を返すが。最後は岩瀬が締め、中日が6対1で勝ち、3勝2敗とした。西武は打線に元気がなく、崖っぷちに追い込まれた。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
先発投手は両チームとも第2戦と同じ山本昌と松坂大輔。1回表、後のない西武は佐藤がセンター前ヒットで出塁し、赤田がバントで送るとフェルナンデスは三振に倒れるもカブレラの適時打で1点を先制。中日は2回裏に一死からリナレスが四球で出塁、谷繁がヒットで繋ぎスタートを切ったリナレスが三塁に進み、一、三塁とすると井上の三塁内野安打で同点に追いつく。4回裏にまたもリナレスと谷繁が出塁し、2回裏と同様、一、三塁とすると同じく井上が中前適時打を放ち、2-1と逆転。一気呵成に山本昌が犠打で井上を二塁に進めるが荒木が二飛、中日の1点リードにとどまった。そして中日は4回裏に追加点を奪えなかったツケがまだ日本シリーズで勝利投手になったことのない山本昌が6回表にカブレラのライトへの二塁打の後に10球粘られた末、和田に2点本塁打を浴び、3-2と逆転される形で回った。8回表にも落合が和田にソロ本塁打を浴び、4対2と試合を決定づけられた。西武は松坂から豊田のリレーで逃げ切り、4-2で勝ち、シリーズ成績を3勝3敗のタイにした。松坂はこれまで「大舞台に弱い」と言われ続けていたがプロ6年目で遂に日本シリーズ初勝利を挙げ第2戦でKOされたリベンジを果たした。中日は山本昌が第2戦に続き、粘ることができずに先に降板、またしても白星を挙げられず西武に逆王手をかけられ、前年に続き、第7戦まで縺れることとなった。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
西武は3回表、二死三塁から佐藤の内野安打(ドミンゴのグラブに当たり打球が変化)で先制点を挙げ、フェルナンデスが中前適時打を放ち、2点目。フェルナンデスが一、二塁間に挟まれるも井端の送球がフェルナンデスに当たり、この間に赤田が生還し、3点目。ドミンゴから代わった山井からもカブレラが2ラン本塁打を放ち、5対0とする。西武は6.7回にフェルナンデスの適時打、平尾博嗣の右翼への本塁打で7-0とし、8回には前日先発の松坂が連投で登板し、無失点に抑えた。中日は9回に豊田から2点を取るが最後は渡邉博幸が一飛で抑え、西武が7-2で勝ち、西武は1992年以来12年ぶりの日本一を達成した。一方中日はケガの福留孝介を欠いた打線で先に日本一に王手をかけたものの、山本昌の乱調や西武の石井貴の前に得点を奪えないなど第6戦と第7戦で打線が機能しなかったことが響き、50年ぶりの日本一を逃した。
公式記録関係(NPB.jp 日本野球機構)
※関東地区での視聴率は(ビデオリサーチ調べ)、第1戦(TBS系)は17.1%。 第2戦(フジテレビ系)は16.3%。第3戦(テレビ朝日系)は14.2%。第4戦(テレビ朝日系)は13.0%。第5戦(TBS系)は14.2%。第6戦(フジテレビ系)は20.0%。第7戦(TBS系)は16.9%だった。
※前年12月に地上デジタル放送が三大都市圏で開始されたことで、この年より地上デジタル放送での中継も開始された。
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