![ニ短調 ニ短調](/modules/owlapps_apps/img/nopic.jpg)
ニ短調(ニたんちょう)は、西洋音楽における調のひとつで、ニ (D) 音を主音とする短調である。調号はフラット1箇所 (B) である。
赤マスは一般に臨時記号により表される。
和音は和声的短音階で考えたもの。
VIIの和音 (C♯m-5) はV7 (A7) の、VII7の和音 (C♯m7-5) はV9 (A7(♭9)) の根音を省略した形とみなされることがある。
その他のコードネームも実際の楽譜では異名同音的に変えられることがある。
バロック時代、鍵盤楽器はハ長調を基準に中全音律等の古典調律に調律された。ニ短調の場合、近親調全ての調の音階の響きが良いので、ト短調同様、穏やかで真面目な雰囲気を感じさせる。
ヴァイオリンの弦の音をすべて含んでいるため、ヴァイオリンにとっては演奏しやすく機能和声上の主音、属音、下属音の五度が開放弦のため倍音の響きが豊かな調である。リュート (バロック式13コース) の場合、第1コースから順にf',d',a,f,d,Aとニ短調の主和音に調弦される。そのためリュートが良く響く調である。
弦・管楽器ともに比較的よく響く調であることから、短調の作品が極端に少なかった古典派時代においても、この調は多く書かれた。ただし長調の曲の数に比べれば圧倒的に少ない。交響曲・協奏曲のジャンルではトランペットとティンパニを加えた葬送的な作品が多い。
シャルパンティエはこの調について「厳粛さや敬虔さを表す」と述べている。マッテゾンは「信仰深く穏やかであるとともに、高貴で心地よく満ち足りた性格を表す」と述べている。
歌劇や宗教曲では、人間の激昂する場面や恐怖、修羅場を表す「怒りの調」として多く用いられ、人間を表す象徴となる。
Category:ニ短調を参照。
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