ジョンソンの立体(ジョンソンのりったい、Johnson solid)、またはザルガラーの多面体(ザルガラーのためんたい、Zalgaller polyhedron)とは、整面凸多面体(せいめんとつためんたい、regular-faced convex polyhedron)のうち、正多面体、半正多面体、アルキメデスの角柱、アルキメデスの反角柱以外のもの。
整面凸多面体とは、全ての面が正多角形で全ての辺の長さが等しい凸多面体である。なお、「ザルガラーの多面体」は整面凸多面体の意味で使うこともある。
ジョンソンの立体は全部で92種類ある。正多面体以外のデルタ多面体、ミラーの立体も含む。
正多面体・半正多面体のリストアップは比較的簡単だが、ジョンソンの立体のリストアップは簡単ではない。1966年、アメリカの数学者ノーマン・ジョンソン(Norman Johnson)が全92種を記した一覧表を発表し、それぞれに番号と名前を与えたが、これで全てだとの証明はされなかった。3年後の1969年、ヴィクター・アブラモヴィッチ・ザルガラー(Victor Abramovich Zalgaller)がコンピュータを駆使して、この一覧表が完全であることを証明した。
面の種類は、1種類のもの(5種のデルタ多面体のみ)と複数種類のものとがある。
面の種類は、正三角形、正方形、正五角形、正六角形、正八角形、正十角形の6種類のみである。この性質は半正多面体にも共通する。これらの面は、正多面体が持つ3種類の面と、それらの辺の数を倍にしたものである。
正六角形、正八角形、正十角形の中では、最大1種類しか使われない。また、正 2n 角形(n ≥ 3)が使われているときは、正 n 角形も使われている。これらの性質は、半正多面体では成り立たない。
対称性はCyclicかDihedralである。これらは、正多面体や半正多面体のTetrahedralやOctahedralやIcosahedralより低い対称性であり、たとえば回転対称性については1本 (Cyclic) か2本 (Dihedral) しか軸を持たない。なお、アルキメデスの角柱やアルキメデスの反角柱の対称性はDihedralである。
番号と英語の名称はジョンソンによる。日本語訳にはいくらか揺れがあるので注意されたい。n 番目のジョンソンの立体を Jn と書く。
対称性はシェーンフリース記号で書かれている。ほかの記号法についてはList of spherical symmetry groups(3次元点群の一覧)に詳しい。
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