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アイドル (曲)


アイドル (曲)


アイドル」(英語: "Idol")は、日本の音楽ユニット・YOASOBIの楽曲。2023年4月12日に各種音楽配信サービスにて配信が開始され、5月26日には英語版をリリース、6月21日には完全生産限定盤として、7inchレコードサイズの紙ジャケット仕様に、赤坂アカ書き下ろしの小説『45510』(後述)が掲載されたポスター型ブックレットが付属したCDが発売され、7月26日には7インチアナログレコード盤も発売された。

本楽曲は、テレビアニメ『【推しの子】』第1期のオープニングテーマとなっており、漫画原作者である赤坂アカがYOASOBIのために書き下ろし、特設サイトで公開されている『【推しの子】』のスピンオフ小説『45510』を元に制作されている。

アメリカ合衆国を除く全世界の楽曲チャートであるBillboard Global Excl. U.S.において日本の楽曲で初めてとなる1位、アメリカ合衆国を含む全世界の楽曲チャートであるBillboard Global 200において日本のアーティストの楽曲として最高位となる7位、動画共有サービスであるYouTubeの楽曲チャートで世界首位を獲得するなど全世界的なヒットとなった。

背景・リリース

『【推しの子】』のアニメ化は2022年6月に発表され、2023年2月19日にYOASOBIがオープニングテーマを担当することや、曲名が「アイドル」であること、漫画の著者赤坂アカが楽曲の原作となる短編小説を描き下ろしたことが発表された。

メンバーのAyaseは、今回アニメのテーマソングを歌うことが決定する以前から個人的に『【推しの子】』を読んだことがあり、また漫画を読んだことで「何かを生み出したい」という創作意欲が湧き、楽曲が「アイドル」として世の中に発表される1年半ほど前に、YOASOBIとして発表する予定もないまま原型となるデモを個人的に制作していた。デモ時点での仮タイトルは「究極の奥義」で、最強無敵のケンカが強いバトルガールである一方、何かしらの闇を抱えているという設定で、『ストリートファイター』の春麗を連想させるチャイナチックな曲調で制作されており、歌詞は「アイドル」とはまったく異なる内容だった。当初はAyase自身のソロプロジェクトの一環として、ボーカロイドの楽曲としてリリースされる予定だったが、YOASOBIがアニメのオープニングテーマを担当することになったため、その計画は変更されることとなった。Ayaseはオリジナルのデモをもとに作曲を進めていき、最終バージョンとして「アイドル」が完成することとなった。

アニメの放送に先駆け、90分ある第1話を2023年3月17日に、全国の劇場で上映された『【推しの子】Mother and Children』の本予告に本楽曲の一部が使用されており、フルバージョンは上映された本編で初公開となった。同年4月5日に名古屋の日本ガイシホールで行われた電光石火アリーナツアーの初日公演で初披露したあと、YOASOBIはの同年4月12日にデジタル・ダウンロードならびにストリーミングで配信開始することを発表した。

音楽性・歌詞

「アイドル」は、ヒップホップの要素をベースに、教会の聖歌隊による合唱のようなゴシック・ロック調の特徴を持つポップトラックである。『ジャパンタイムズ』のパトリック・セント・ミッシェルはこの曲について、「秋葉原のライブハウスとアトランタのヒップホップから得たさまざまな影響がミックスされた曲」と評している。イントロでのゴスペル調のコーラスには、YOASOBIの英語版楽曲にも参加している外国人コーラス隊が参加している。また曲においては、アニソンダンスパフォーマーのREAL AKIBA BOYZによるコールパートでのバックグラウンドシャウトとゴスペルが特徴的となっている。本楽曲は、ikuraの節回しが特徴的なトラップビート風のラップパートや、アイドルソングをオマージュした合いの手パート、エレクトロサウンドのサビパートなど、複数のパートが目まぐるしく移り変わる楽曲となっている。

歌詞は、原作者である赤坂アカが書き下ろした小説『45510』とリンクする内容となっている。作品中のアイドルグループ・B小町の星野アイに対して妬みの感情を持つメンバーの内心や、嘘をつきながら完璧なアイドルへと成長を遂げていくアイの心境など、アイドルの光と影の二面性が表現されている。『UtaTen』によると、曲は3つの視点で描かれており、1番ではファン目線での星野アイの姿が、2番ではアイが所属していた架空のアイドルグループ「B小町」元メンバーの視点で、3番ではアイ自身の言葉や本心が綴られている。また、本楽曲の歌詞は意図的にアニメ『【推しの子】』第1話までのエピソードのみにフォーカスして描かれている。これは、Ayaseのアイを主人公とした歌詞にしたいという思いが影響している。YOASOBIプロジェクトの小説を音楽にするという性質から、漫画の原作者である赤坂アカとの対話を通し、曲の原作小説の落としどころとして『45510』はB小町のメンバーから見たアイの姿や出来事をベースにしたストーリーとなった。Ayaseはそれらの理由を以下のように語っている。

批評

音楽評論家のスージー鈴木は、「歌詞の内容および音作りが、小泉今日子の「なんてったってアイドル」や、2010年代女性アイドルのパロディとなっている」点を挙げ、「よく出来すぎていて『普通のアイドルソングよりもアイドルソングっぽい』というメタ構造にまで達している」と評している。音楽ライターの小町碧音は、本楽曲が「YOASOBIの楽曲の中でも特筆してボカロ曲のエッセンスを感じる楽曲になっている」と述べ、「簡単には心を読ませない理想的なアイドルであるアイの心情を、無機質に近い声色で演じ切った」と評している。

音楽プロデューサーの本間昭光は2024年1月7日に日本放送協会(NHK)で放映されたNHKスペシャル「世界に響く歌 ~日韓POPS新時代~」においてアイドルという楽曲がなぜグローバルヒットしたかについて「こんなにいろいろキーもメロディーも変わってラップも入って。アイドルオタクの声がさりげなく入っている。キラキラ変わっていくサウンドが世界的な評価につながった」と述べた。

チャート成績

Billboard

日本を含む世界200か国を超える世界の国・地域からなるグローバルチャートであるBillboard Global 200チャートでは日本のアーティストとして最高位となる7位、Global 200から米国を除外したチャートであるGlobal Excl. U.S.チャートでは英語版「Idol」のリリースの影響もあり、2023年6月10日付チャートで日本語楽曲初となる1位を獲得し、通算3週にわたって同チャート首位を記録している。

2023年のBillboard Global 200の年間チャートである「YEAR-END CHARTS Billboard Global 200」では42位となり、J-POPアーティストとして初となるTOP50入りとなった。

Billboard JAPAN

2023年4月26日に発表されたBillboard JAPANのダウンロード・ソング・チャートではダウンロード数30,505ダウンロードを記録し1位を獲得、ストリーミング・ソング・チャートでは再生回数20,366,113回を記録し2週連続で1位を獲得すると、総合ソング・チャート「Billboard Japan Hot 100」でも自己最高となる7週連続で1位を獲得した。本楽曲はYOASOBIにとって初となるストリーミング・ソング・チャートでの週間2,000万回超えを達成している。

Billboard Japan Hot 100チャートでは、初登場から21週連続かつ通算21週にわたって総合首位を獲得している。Japan Hot 100チャートでの総合首位はYOASOBIにとって、デビュー曲「夜に駆ける」以来の自身2曲目となる首位獲得となり、また通算21週首位獲得は、Japan Hot 100チャートにおいてOfficial髭男dism「Subtitle」を超えチャート史上歴代最多のチャート記録となっている。

また、2023年9月に設立されたBillboard Global Japan Songs excl. Japanにおいては、同チャートの初回公表となる2023年9月19日付の総合チャートにおいて首位を獲得している

Billboard Japanが公開した2023年度の年間チャートにおいては「Billboard Japan Hot 100」、「Streaming Songs」、「Download Songs」、「Hot Animation」、「UGC Songs」の5チャートにおいて首位を獲得し、「TikTok Songs Chart」で2位にランクインした。

Billboard Japan Streaming Songsチャート

アイドルはリリースよりストリーミングにおいて新たな記録を打ち立てており、歴代最速記録となる配信開始から5週目にストリーミング1億回再生を突破した楽曲となった。その後も2億回(登場9週目)、3億回(登場14週目)、4億回(登場21週目)、5億回(登場30週目)、6億回(登場第41週)のいずれにおいても到達時点で歴代最速記録を更新している。2024年4月24日付において登場54週目で歴代6曲目となる累計再生回数7億回を史上最速で突破した。

2023年12月30日に公表された2023年12月24日時点の「歴代ストリーミング総再生回数ランキング」ではストリーミング再生回数が5.6億回で、歴代楽曲15位にランクインしている。

オリコンチャート

2023年4月26日に発表されたオリコンチャートのデジタルランキングでは、オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングでダウンロード数34,070ダウンロードを記録、オリコン週間ストリーミングランキングでは再生回数21,970,019回を記録して1位を獲得した。本楽曲のオリコン週間ストリーミングランキングの週間再生数は、YOASOBIの楽曲としては自己最高週間再生回数となった。

2023年12月20日に公表された「第56回 オリコン年間ランキング2023」では「合算シングルランキング」、「デジタルシングル(単曲)ランキング」、「ストリーミングランキング」において首位を獲得し、期間中のダウンロード数が55.7万ダウンロード、ストリーミング再生回数が57,036.8万回に達した。

デジタルストリーミングランキング

5月17日に発表されたオリコン週間デジタルストリーミングランキングでは、本楽曲の週間再生回数が25,632,534回を記録し、オリコン史上最速の登場5週目で累積再生数が1億回を突破した楽曲となった。

2024年1月10日発表のオリコン週間ストリーミングランキングでは累計再生数が606,401,857回を記録し、本楽曲がオリコン史上最速の記録を更新した1億回(登場5週目)・2億回(登場9週目)・3億回(登場13週目)・4億回(登場19週目)、5億回(登場28週目)に続き、それまでBTSの「Dynamite」が保持していた登場99週目の最速記録を大幅に上回る登場39週目でオリコン史上最速となる累積再生数6億回を突破した。

日本レコード協会

日本レコード協会からはダウンロード認定が2023年6月付でプラチナに認定されており、ストリーミング認定は2023年5月度にプラチナ、同年8月度にトリプル・プラチナ、配信開始から295日となる2024年1月度にはストリーミング認定において史上最速でダイヤモンドに認定された。

ミュージック・ビデオ

本楽曲のミュージック・ビデオのアニメーションは、『【推しの子】』を手がけた動画工房によって製作され、監督は中山直哉が担当した。

4月12日の深夜0時半(日本時間)にYouTubeでプレミア公開され、英語バージョンである「Idol」のミュージック・ビデオも5月26日に公開されている。

ミュージック・ビデオの公開から約1か月後となる5月18日にはYoutubeにて1億回再生を超え、「夜に駆ける」、「怪物」、「群青」に続きミュージック・ビデオの1億回再生突破は自身4曲目となった。 YouTubeの世界楽曲チャートである"music charts TOP 100 songs Global"では、6月30日から7月6日までの期間で世界首位を獲得した。また、BitStarが行った調査によれば2023年4月から6月までの期間で動画再生数が1億8,119万回となり、日本国内のYoutube動画(ショート動画除く)において動画再生数1位を記録した。

2023年9月4日時点で「アイドル」のミュージック・ビデオはYouTube上で3億回再生を超えている。Youtubeが2023年12月13日に公開した、2023年に公開された音楽動画の日本国内ランキングである「年間トップ音楽動画」において1位となった。

ニコニコ動画において公開された公式ミュージック・ビデオは6月末時点で530万回再生されている。

ライブ・パフォーマンス

「アイドル」は初の単独アリーナツアー『YOASOBI ARENA TOUR 2023 “電光石火”』の中でセットリストに含まれる形で披露され、初のパフォーマンスは愛知・日本ガイシホールでの2023年4月5日の初日公演だった。ツアーのうち、6月4日の さいたまスーパーアリーナ公演の模様はYouTube上でもライブ・パフォーマンス映像として公開された。2023年4月24日に新宿の新宿TOKYU MILANOでTikTokスペシャルライブイベントとして行われた公演の中でも披露された 。

8月にはHead In The Clouds Festivalのパサデナ会場に出演し、「アイドル」を含む楽曲を披露した。同月にはROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONICなど日本国内のフェスティバルでも同曲を披露した。SUMMER SONICでの「アイドル」のライブ映像は、9月14日にNHKワールド・プレミアムで放送された特別音楽番組「NHK Music Expo 2023」でYOASOBIが出演した際に放送された。

テレビ披露

2023年9月21日に韓国のMnetで放送された音楽番組『M COUNTDOWN』に出演し「アイドル」を披露した。テレビで「アイドル」を披露するのは日本国内外含めてこれが初めてであった。

同年12月31日には、日本放送協会(NHK)の第74回NHK紅白歌合戦に出演し「アイドル」を披露した。これは日本のテレビ番組では初歌唱となった。紅白に出場したアイドルら(ano、櫻坂46、JO1、Stray Kids、SEVENTEEN、NiziU、NewJeans、乃木坂46、BE:FIRST、MISAMO、LE SSERAFIM)および、元アイドルで紅白の司会を務める橋本環奈、スペシャルダンサーとして、ダンスチームであるアバンギャルディ、本楽曲にバックグラウンドシャウトとして参加しているリアルアキバボーイズとのコラボステージとなった。

Idol

Idol」(アイドル)は、日本の音楽ユニットYOASOBIの楽曲。2023年5月26日に配信限定シングルとしてリリースされた。同年4月12日にリリースされた「アイドル」の英語版であり、YOASOBIとしてリリースされている英語楽曲としては17曲目である。

YOASOBIの公式Twitterアカウントは、2023年5月6日にボーカルのikuraがレコーディング・スタジオで「アイドル」の英語バージョンを録音している様子をいち場面として公開し、同年5月26日に英語バージョンである「Idol」の配信が開始された。英語詞訳はKonnie Aokiが担当している。

同日に公開されたYoutubeのミュージック・ビデオは公開から3日で734万回再生された。2024年4月12日にリリースされた英語版EP「E-SIDE 3」に収録された。

英語版に対する批評

経済学者の成田悠輔は、with digitalの企画「成田悠輔と愛すべき非生産性の世界対談」のYOASOBIへのインタビューにおいて、英語版「Idol」の歌詞について「『アイドル』の世界的ヒットと「Frog Poem」の関連性」として以下のように述べている。

反響

「アイドル」とJAM Projectの「STORM」(OVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』主題歌)のサビ部分をつなげたMAD動画から派生した「(君は)完璧で究極のゲッター」がインターネット・ミームとして話題となり、YOASOBIと水木一郎の公式Twitterがそれぞれ反応を見せ、2023年7月3日には「STORM」のサブスクリプション配信が解禁されるにいたった。「君は完璧で究極のゲッター」は「ガジェット通信 アニメ流行語大賞2023」の金賞、ドワンゴ・ピクシブ「ネット流行語100 2023」のniconico賞とトップ20単語賞の2位に選出された。

ファンによって考案された振り付けを元にした「アイドル」のカバーやダンスもTikTok上で乃木坂46やAKB48、FANTASTICS、TWICE、LE SSERAFIM、IVE、ENHYPENなど日本や韓国のアイドルを中心にバイラルヒットしている。これらの振り付け動画のヒットにより世界規模のトレンドとなり、2023年11月時点でのTikTokにおける楽曲総再生数は79億回を突破している。

振付師のakaneが率いるダンス・チーム、アバンギャルディが『アメリカズ・ゴット・タレント』(シーズン18)の準決勝で曲に合わせたパフォーマンスを披露し、視聴者投票で決勝に進出した。

各種ランキング

The Orchardによれば、本楽曲は2023年の年間ランキングでは全世界を対象としたランキング2件、日本国内を対象としたランキング67件において1位を獲得している。

検索エンジンであるGoogleを運営するGoogle社が発表した全世界を対象とした「2023年Google検索ランキング」において、アイドルは「Songs」カテゴリで世界1位、「Hum to Search」(鼻歌で曲を検索する機能)で世界3位となった。また、Yahoo! Japanが発表した「Yahoo!検索大賞2023」において「楽曲部門」の1位となった。

ストリーミングサービスや配信サイトが発表した2023年の年間ランキングにおいて上位にランクインし、Spotifyやレコチョクでは2023年で日本国内1位となり、Apple Musicでは「2023年トップソング100:Sing」において世界1位、「2023年トップソング100:グローバル」にて世界7位となった。

受賞とノミネート

収録内容

CD

7inch

クレジット

  • CD盤より引用。

参加ミュージシャン

YOASOBI

  • Ayase – コンポーザー
  • ikura – ボーカル

ノベル

  • 赤坂アカ『45510』 – 原作

チャート

週間チャート

月間チャート

上半期チャート

年間チャート

認定

リリース日一覧

カバー

この他、アニメ『【推しの子】』でアイ役を演じた高橋李依が、2023年11月26日開催の「TVアニメ【推しの子】スペシャルイベント「苺プロダクション☆ファン感謝祭 2023」ライブコーナーで本曲のカバーを披露、2024年2月2日にアニメ公式YouTubeチャンネルにてPV形式のカバー動画を公開している。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • Billboard Japan Streaming Songsチャートにおける実績と記録の一覧(2024年現在1億回~7億回再生達成の最速記録)

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: アイドル (曲) by Wikipedia (Historical)



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