![那珂川市 那珂川市](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b0/Nakagawa_River_from_Shironohashi_Bridge_%28south%29_2.jpg/400px-Nakagawa_River_from_Shironohashi_Bridge_%28south%29_2.jpg)
那珂川市(なかがわし)は、福岡県の中西部の筑紫地域に位置する市。市内を南北に貫き、福岡市中心部へ流れている那珂川が市名の由来である。
2015年国勢調査で人口が5万人を突破し、2018年(平成30年)10月1日に単独市制を施行した。
福岡市の南側、春日市の西側に隣接しており、福岡都市圏の一部を構成する。福岡市に近い博多南駅や西鉄バス那珂川営業所の周辺を中心とする市北部の平地部ではベッドタウンとして発展しているが、他の地域は農地や山地となっており、南畑ダム、自然保養施設「グリーンピアなかがわ」や五ケ山ダムなどがある。市全体で見ると順調に人口は増加していたが、北部の一部地域では都市化により人口が増加している反面、面積の大半を占める他地域では深刻な過疎化と高齢化が進行しているなど、同じ市の中でも正反対の特性を持っている。市の人口の約8割近くが市街地に集中しており、那珂川市の中心地区は福岡市や春日市との間で境界が不明瞭にスプロール化している場所が多い。また、福岡市南部の外縁地区(鶴田・老司・警弥郷・弥永など)よりも市の中心部は商業が発達しているためこれらの地区から買い物に訪れる人も多い。この一極集中型の市街地のため、人口密度はDIDでは7,000人/平方キロメートルに近くなる一方、市全体では約10分の1の人口密度になる。
かつては筑紫郡に属する町であったが、2010年9月30日時点での住民基本台帳、及び外国人登録者数の人口が5万人を突破した。しかし、2010年度の国勢調査の結果は4万9785人で5万人に満たず市制施行は次回以降へ持ち越しとなったが、その後行政は積極的に市制施行を目指しており各地で「市になろう!」キャンペーンを実施し、定住の促進や住宅購入時に発生する固定資産税の免除や家賃の割引などの積極的な住民誘致を行い、2015年実施の国勢調査(確定値)で5万4人に達した。
合併当初は23大字があった。1970年代以降、市街化地域を中心に町名設置を実施している。当初は、隣の春日市と同様に、住居表示を実施せず地番整理をしたが、2000年代以降に順次住居表示が実施された。
那珂川市中部・南部では主に水田が広がっているが、近年の減反政策により畑作に転じる農家が増加し、ヤーコンという根菜に力を入れて栽培している。市の物産館などではヤーコンまんじゅう、ヤーコンドリンクなどヤーコンにちなんだ土産品が並んでいる。山間部ではわさびの栽培なども行われている。
農家数・農業人口は一貫して減少傾向にあることが統計に表れていて、昭和55年度(1980年)ではそれぞれ800戸・3,911人であるが平成12年(2000年)には同423戸・2,762人まで減った。
市内ではあまり工業はみられないが、今光・片縄の一部でみられる。またここでは、新幹線車両基地も工業として扱う。
市内の商業の歴史は新しく、古くからの商店街などはまれである。那珂川町が都市化し始めた昭和55年以降ユニード(現: ダイエー・グルメシティ)マルショク・サンリブ・サニーなどが進出。それ以前は寿屋が隣接する福岡市南区老司にあった。現在は都市化も進行し、マルショク、サニー、マックスバリュといったスーパーマーケットのほか、MEGAドンキ、トライアルといったディスカウントストアもあるが、未だ大型複合商業施設クラスのものはなく、幹線道路沿いにロードサイド店舗が数多く立地している。
那珂川市の中心は主に北部地区の4つの通りと博多南駅前から成る。
市外局番は福岡地区と共通で092であり、福岡MAに属する。その後那珂川市は951 - 954までが与えられている。ただし、福岡市に隣接する片縄緑地区は南区鶴田地区と同じ566・567である。
最寄りの空港は福岡空港である。
西日本旅客鉄道(JR西日本)博多南線博多南駅が春日市と那珂川市の市境部に所在するが、駅とそのホームは隣の春日市域内となる。道路を隔てて跨道橋を渡った駅前ビル、ロータリーとバス発着所は那珂川市にあり、駅周辺部も春日市側(車両基地を隔てて東側)より那珂川市側のほうが都市化が著しい。
山陽新幹線の博多総合車両所(通称「博総」)は敷地の北半分が春日市、南半分が那珂川市にまたがっており、事務所が那珂川市側にあるため、所在地は那珂川市中原東2丁目となっている。山陽新幹線博多駅と総合車両所との出入庫列車を利用して博多南線として営業運転が行われている。なお、博多南線の路線自体も、博多南駅の駅・ホームと同様に、那珂川市内には存在しない。そのため、「鉄道路線が利用可能だが、路線と駅・ホームは他の市町村にある市町村」となっている。
このほかに九州新幹線の本線が那珂川市内を通っており、佐賀県鳥栖市との県境に筑紫トンネルが通っている。九州新幹線が那珂川市域内を通る唯一の鉄道となるが、那珂川市や春日市に駅はない。
博多南駅のほか、福岡市南区の西日本鉄道(西鉄)天神大牟田線大橋駅と市内を結ぶバスの本数も多い。ほかに、西鉄春日原駅、JR博多駅、春日駅と市内を結ぶバスもある。
西日本鉄道(西鉄)グループ各社が運行する路線バス(西鉄バス)と、那珂川市が運行するコミュニティバスの「かわせみバス」がある。
市ノ瀬地区の中ノ島公園から福岡市早良区の板屋までの乗合タクシーが木・日曜日に限り運行されている(当該曜日には、板屋から福岡市街方面への運行はない。)。
市内を国道385号が縦断しており、本市と福岡市、佐賀県神埼市、福岡県大川市・柳川市などを相互に結ぶ重要ルートとなっている。ただし2006年の東脊振トンネル有料道路の開通までは坂本峠付近が大型車通行止めの狭隘路であった。五ケ山ダム周辺はダム竣工に伴い高設計の取替道路が整備された。ほか、南畑ダム周辺から麓の水道局取水場周辺までの現道が比較的狭隘であるが、「南畑バイパス(仮称)」の建設が計画されている。
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